帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「鳥を見た」

「鳥を見た!」
ウルトラQ』制作第6話
1966年3月20日放送(第12話)
脚本 山田正弘
監督 中川晴之助
特技監督 川上景司


古代怪鳥ラルゲユウス
身長 7cm~50m
体重 300g~1万5千t
第三氷期以前に生息した鳥の先祖の一種。10世紀中頃にインド西部の都市に現れた記録がある。一の谷博士の資料には全長43mと記されていた。
998年前の船の中で発見され、三郎に「クロオ」と名付けられた。普段は文鳥程の大きさだが40m程に巨大化する事が出来る。
動物園の動物や村の家畜を襲った事で警察に捕らえられるが巨大化して警察署を破壊すると三郎に別れを告げて飛び去った。
名前の由来はラテン語の「ラルス(カモメ)」から。
『三大怪獣 地球最大の決戦』のラドンの操演用モデルを改造している。

 

物語
一夜にして動物園から動物が姿を消し、警備員は「鳥を見た……」と言い残して力尽きた。
一方、ある漁村に朽ちた船が現れ、中には小さな鳥が一羽いた……。

 

感想
今回の話の制作中に作品タイトルが『UNBALANCE』から『ウルトラQ』へと変更されたとの事。

 

ラルゲユウスは何にも捕らわれない存在で、群れから離れ、自分が生まれ育った土地や時代からも離れ、最後は友人の頼みも振り切って大空へと飛び去った。
対する三郎は遠い所に行って王様になりたいと言う夢を抱いているが現実では小さな村から出る事も出来なかった。だからこそ自由なラルゲユウスに惹かれたのだろう。

 

動物園の動物や家畜が入れられている檻、捕まえられたラルゲユウスが入れられた鳥籠、警察署の留置所等、今回は「閉じ込めるもの」が多く登場している。三郎がいる村も「閉じ込めるもの」と見る事が出来る。ラルゲユウスは巨大な怪獣になる事でそれら「閉じ込めるもの」を壊していくのであった。

 

ラルゲユウスが時を超えた原因は不明。万城目は四次元の空間を通ったのではないかとSF小説家ならではの推理をする。ラルゲユウスは少なくとも二回は時を超えているので、四次元の空間を見付けて入る能力を持っているのかもしれない。

 

998年前の舟が流れ着いた村に万城目達がやって来た経緯が描かれていないが、冒頭で起きた動物園での怪事件を知っていたので、その取材の為に周辺を調査していたのかもしれない。

 

今回はクレジットがエンドロール形式になっていて映画を見終わったような気分を味わえる。

 

今回の話は詩人の山田正弘さんが脚本を、TBSの中川晴之助さんが監督を務め、二人のコンビ第1作となっている。