帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「甘い蜜の恐怖」

「甘い蜜の恐怖」
ウルトラQ』制作第10話
1966年2月20日放送(第8話)
脚本 金城哲夫
監督 梶田興治
特技監督 川上景司

 

もぐら怪獣モングラー
身長 50m
体重 2万t
伊佐山農事試験場の木村が開発したハニーゼリオンによって巨大化したモグラ
試験場の周辺に現れて村に大損害を与える。
自衛隊の攻撃を受けて地中深くに潜り、そのまま富士火山地帯の火山地層に衝突した。
名前の由来は「モグラ」かな。

 

物語
巨大なモグラが現れて村に大損害を与える。
原因は木村が開発したハニーゼリオンにあるらしいが、その裏には一人の男の心の歪みがあった。

 

感想
巨大怪獣の出現、怪獣被害の描写、軍と怪獣の戦いと怪獣作品の基本をしっかりと押さえている上に木村と伊丹と愛子の三角関係も盛り込むと短い時間の中に様々な要素が組み込まれている話。

 

伊丹はハニーゼリオンを悪用してモングラーを生み出した理由を学問の競争相手である木村が学会から認められるようになるのが妬ましかったからと説明するが本心は愛子を巡る恋愛絡みであった。
伊丹と言う一人の男の嫉妬心が最終的に巨大怪獣を生み出して周辺の村に大損害を与えて富士火山地帯の爆発まで引き起こしてしまうと小さな心の歪みが大きな破滅を引き起こす事もある人間の恐ろしさを感じる話であった。

 

愛は強い。愛で世界を救った作品は数え切れない。しかし、愛故の伊丹の行動は自分自身の破滅はもとより愛すべき愛子やその周りの人々にも不幸をもたらす事となった。愛は世界を滅ぼす事も出来るのだ。

 

脚本ではモングラーが巨大化した原因は「ラゼリー・B・ワン」となっているが「五郎とゴロー」の時と同じく武田薬品がスポンサーになったのでハニーゼリオンに変更された。

 

劇中で初めて一平がセスナを操縦しているが、かなり危なっかしい。

 

今回の話は梶田監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。