「育てよ! カメ」
『ウルトラQ』制作第11話
1966年2月6日放送(第6話)
脚本 山田正弘
監督 中川晴之助
特技監督 小泉一
大ガメガメロン
身長 99cm
体重 1t
浦島太郎と言う名前の少年が育てていた亀が99cmにまで巨大化した姿。
マッハ3で空を飛ぶ。右左折時には方向指示器が点く。太郎を竜宮城に連れて行った。
怪竜が放った光の矢に撃墜されてしまう。
名前の由来は「亀」かな。
竜宮人乙姫
身長 不明
体重 不明
竜宮城に住む女の子。
思った事は何でも叶う。「もう嘘は吐かない」と言う条件で太郎に玉手箱を渡した。
万蛇怪獣怪竜
身長 20m
体重 500t
乙姫が乗っていたロケットが変身した。
口から光の矢を放ってガメロンを撃墜した。
『海底軍艦』のマンダを改造している。
物語
小学生の浦島太郎は自分が育てている亀が99cmになったら竜宮城に連れて行ってくれると信じていた。
そんなある日、学校の近くで銀行強盗が起きて……。
感想
大人達から「虚言癖のある子供」と思われている少年の話。
最初は息苦しい「学校」と言う現実から始まり、そこから「ギャングによる銀行強盗」、「育てていた亀が異常に大きくなる」、「巨大な亀に乗って竜宮城に行く」と空想の度合いが強くなっていき、最後には「竜宮城では思った事が全て現実になる」と空想が現実を上書きするに至っている。
そんな太郎の話を大人達は「嘘」だと一笑に付すが、他の子供達はそれを信じて自分達も亀を育て始める。その一方で太郎本人は自分の空想によって竜宮城では乙姫にコテンパンにされ、学校に帰っても自分の空想を語れば大人達に馬鹿にされ、自分の話が嘘ではないと証明しようにも乙姫から貰った玉手箱を開けたら自分が老人になってしまうと打開策が無い状態に陥ってしまい、最後の場面では他の子供達が楽しそうに亀に夢を託しているのに対し、太郎は亀を育てる事をやめてつまらなそうに授業を受けていた。
「少年が育てた亀が怪獣になる」と言えば大映のガメラシリーズがあるが、その第1作である『大怪獣ガメラ』も現実に生きる大人達と空想に生きる少年を対比させた内容となっていた。
今回の話は「浦島太郎」が元になっている。
今回の話は東宝の小泉一さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。