帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「燃えろ栄光」

「燃えろ栄光」
ウルトラQ』制作第18話
1966年6月26日放送(第26話)
脚本 千束北男
監督 満田かずほ
特技監督 的場徹

 

深海怪獣ピーター
身長 20cm~30m
体重 500g~1万5千t
学名は「アリゲトータス」。超深海生物で、ある特殊なリンパ液を持っている為、温度の変化に応じて体の大きさが極端に変わる。
フィリピンの海で釣られて以降、ダイナマイト・ジョーのマスコットとなった。予言能力があるらしく、ジョーの連戦連勝を予言するが、世界選手権ではジョーが敗北すると予言したらしい。
失踪したジョーと一緒にシーサイドホテルで暮らしていたが、水槽から森へ逃げたところに落雷による山火事が起きて巨大化し、海に誘導されるも途中で可燃物が入ったドラム缶を蹴飛ばした事で発生した炎に包まれた。

 

物語
連戦連勝、無敵のダイナマイト・ジョー!
しかし、ジョーは世界選手権の直前に行方不明になってしまう。
ジョーはどこに? そして、何故?

 

感想
ジョーが世界選手権を前にして失踪した理由は「今度は負けるとピーターに予言されたから」となっているが、実際は「元々悪かった目が急激に悪化した」であった。万城目が「ジョーはピーターを通じて自分自身に暗示を掛けている」と言っているので、ボクサーとしては致命的と言える目の悪化を隠す為に酒やピーターの予言に逃げていたのかもしれない。

 

ジョーはボクサーとしてもピエロとしても活躍出来るだけの才能があった。あと必要なのは自信だけで、ジョーはピーターを通じて自己暗示を掛ける事でそれを補っていたのかもしれない。しかし、自己暗示のきっかけに過ぎなかったはずのピーターと言う存在がジョーの中で段々と大きくなっていき、遂にはピーター無しでは生きていけなくなった。最後にピーターがどうなったのかは不明だが、ジョーが立ち直るにはピーターと言う存在は消えなければいけなかった。

 

最後の場面は台詞やナレーションが無いので見た人の解釈に委ねられているが、ジョーや万城目達の表情を見るに悪い結末ではないと思われる。
万城目はこのまま逃げ回っていたら「ジョーは相手側に買収された」「暴力団八百長を頼まれた」と不名誉な事を言われて子供達を悲しませる事になると言い、ジョーは自分が無様にノックアウトされたら子供達を悲しませる事になると言っていたが、最後の場面のジョーは子供達を悲しませない為に立ち上がったのだと自分は解釈している。

 

パンチが画面を打ち抜いたり、ジョーが文字通り姿を消したり、ジョーの写真が破かれたりと今回は場面転換が凝っている。

 

ボクシングで「ジョー」と言う名前だと『あしたのジョー』を思い出す。(因みに『あしたのジョー』の連載開始は1967年)
「ジョー」と言うボクサーは誰かモデルがいたのかな?

 

今回の話は助監督だった満田かずほさんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。