帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「SOS富士山」

「SOS富士山」
ウルトラQ』制作第27話
1966年2月13日放送(第7話)
脚本 金城哲夫・千束北男
監督 飯島敏宏
特技監督 的場徹

 

岩石怪獣ゴルゴス
身長 40m
体重 10万t
富士山の吉野のお池から吹き上げた大岩石が一度は爆破処理されるも中にあった光る核を中心に再び集まって誕生した怪獣。
タケルに核を抜き取られて活動を停止し、そのまま核をタケルに銃で撃ち抜かれた。
名前の由来は相手を石にするギリシア神話の怪物「ゴルゴーン」かな。

 

物語
富士火山研究所の早川技官が富士山噴火説を唱える中、富士山に怪獣ゴルゴスが現れる。
それに立ち向かうは樹海のターザン・タケルだ!

 

感想
岩石怪獣らしい重量感に溢れるゴルゴスの特撮が素晴らしい一方、本編に関しては富士山噴火と怪獣ゴルゴスと樹海のターザン・タケルとタケルの姉とロケットを作る子供達の話が上手く繋がっていなかった。

 

タケルは4歳の時に蝶々を追って富士山の樹海で行方不明になり、その後はキングと呼ばれる熊に育てられていたと言う設定なのだが、服を着て靴を履き日本語も喋るとあまり野生児に見えなかった。日本で『ターザン』の設定は無理があったのかもしれない。

 

タケルの姉の話が薄く、やや取って付けた感じになっていた。
タケルと人間の交流は横山巡査が担っていたので、タケルの姉の話を無くしてタケルと横山巡査の話に絞った方が良かったと思う。

 

タケルは横山巡査の拳銃でゴルゴスの核を撃ち抜いて倒した。
野生児であるタケルが銃を使ったと言う事で、タケルは自然と文明の両方の力を使って怪獣を倒して英雄になったと見る事が出来る。
又、野生児であるタケルもゴルゴスを倒すのには銃の力を借りなければならなかった、最後に髪を切ってスーツを着て樹海を去ったと言う展開から自然が文明に取り込まれていったと見る事も出来る。

 

岩石処理班を演じているのは漫才コンビの春乃チック・タック。
二人は『ウルトラQ』の宣伝番組である『ウルトラQは怪獣の世界』で進行役を務めている。

 

今回の話は金城さんの『ウルトラQ』脚本最終作となっている。