帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「謎の恐竜基地」

「謎の恐竜基地 ーエリ巻怪獣ジラース登場ー
ウルトラマン』制作第11話
1966年9月18日放送(第10話)
脚本 金城哲夫
監督 満田かずほ
特殊技術 高野宏一

 

エリ巻怪獣ジラース
身長 45m
体重 2万t
ネス湖に棲んでいたがモンスター博士によって北山湖に連れて来られた恐竜。
モンスター博士の命令を聞いて大人しくしていたが、釣り人が湖に毒を撒いた事で姿を現して暴れた。
口から光線を吐く。
ウルトラマンにエリ巻きを取られ、ウルトラ霞切りで止めを刺された。
名前の由来は沖縄の言葉で「次郎おじさん」から。
ゴジラの着ぐるみを改造している事はあまりにも有名。

 

物語
北山湖で不気味な生活を送るモンスター博士。彼の一番のお気に入りであるジラースは恐竜(怪獣)だった。

 

感想
ウルトラマンゴジラの夢の対決!
その為か戦いにも色々と遊びが入っている。個人的にはこう言う遊びの入った戦いは好きなのだが、今回はウルトラマンジラースゴジラ)をからかっているようにも見えるのがちょっと気になる。

 

特殊潜航艇が再登場。
乗組員用のマスクが付いたり音波探知機や水中カメラが付いたりと「ウルトラ作戦第一号」でのベムラー戦の反省を生かした改良が施されている。

 

モンスター博士は風貌や屋敷が異様だったが、そのモンスター博士に取材をした少年グラフの車も負けず劣らず異様だった。

 

モンスター博士こと中村博士の正体は二階堂教授であった。
二階堂教授とモンスター博士の関係は『ジキル博士とハイド氏』を思わせる。ジキル博士はハイド氏に完全に乗っ取られる前に自殺したが、二階堂教授はモンスター博士に完全に乗っ取られてしまった。
しかし、モンスター博士にはまだ理性が残っていたと言える。自分の正体やジラースの存在を隠したのも、それが世間には許されないものだと分かっていたからだ。自分としては魚を捕る為に湖に毒を撒いた釣り人達の方がよっぽどどうかしていると思う。

 

その釣り人の一人を演じているのが『ウルトラQ』で戸川一平役だった西條康彦さん。いくら別作品とは言え、前作の主人公の一人を悪役にするのはどうかなぁと思う。

 

今回のハヤタ隊員は変身を少し躊躇ったように見える。
ジラースはモンスター博士によって北山湖に連れて来られ釣り人が撒いた毒に苦しんで出てきただけの被害者だった。
戦いの後、ウルトラマンはエリ巻きを戻すとジラースを弔うような行動をしたが、ひょっとしたら、今回の戦いに遊びが入っていたのは、ウルトラマンジラースを退治したくなかったので、退治ではなくて勝負にしようとしたのかもしれない。