帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ダーク・ゾーン」

「ダーク・ゾーン」
ウルトラセブン』制作第3話
1967年11月5日放送(第6話)
脚本 若槻文三
監督 満田かずほ
特殊技術 有川貞昌

 

放浪宇宙人ペガッサ星人
身長 2m
体重 120kg
ダーク・ゾーンと言う闇の中に隠れている宇宙人。
携帯銃を持ち、ハンガーを破壊する程の力を持つが戦闘力は低く他人に危害を与える気持ちも無い。
地球がペガッサ市と衝突する場合に備えて高性能の爆弾を持ち込んでいた。事故で負傷し、避難した先でダンとアンヌ隊員と出会う。地球が軌道を変えられない事を知ると地球を爆破しようとしたがウルトラセブンに妨害され、そのまま夜の闇に消えた。

 

物語
アンヌ隊員の部屋に怪しい影が……。一方、地球防衛軍は宇宙から謎の電波を受け取る。
ダンとアンヌ隊員は影の人物と打ち解けていくが……。

 

感想
善悪二元論」や「勧善懲悪」と言ったヒーロー作品の図式から離れた話。
地球人もペガッサ星人も自分達が生き残る為に仕方無く相手の星を爆破する事を決めた。そこには「善」や「悪」と言ったものは無く「立場の違い」があるだけ。
ただ、地球にはウルトラセブンがいて、ペガッサ市にはいなかった。今回はウルトラセブンと言う存在が生き残る者と滅びる者とを分けてしまった。

 

宇宙人はあらゆる面で地球人より上位であると描かれる事が多いが、今回のペガッサ星人は「地球人が怖くて信用できない」、「地球人だって立派な宇宙人」と地球人を下に見るような事はしなかった。
地球人も他の星の人間も同じ宇宙の仲間であるとした事で地球人と他の星の人間が共に生きる事が出来るかもと言う可能性を示したが、一方で、地球人だけが善で被害者で他の星の人間は悪で加害者であるとは限らない、地球人も他の星の人間のように悪になって加害者になる可能性があると言う事も示した。

 

今回の話はアンヌ隊員の部屋を舞台にしている。人形等があって、ちょっと少女趣味。
それにしても、アンヌ隊員は一応はウルトラ警備隊の隊員でしょ? さすがにちょっと怖がりすぎ。

 

ペガッサ星人は発声器を使っているとの事。他の宇宙人も日本語がペラペラなのは発声器のおかげなのかな。

 

水も空気も工場で作り、宇宙都市の軌道を変える事が出来るペガッサ市の設定はウルトラの星を思い出す。他にも永遠の命の研究が行われていたり、科学が発展した一方で大昔の生活に憧れを抱いていたりとペガッサ星人とウルトラの星の住人には共通点が多い。それを頭に入れて今回の話と『ウルトラマンレオ』の「決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟」「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」を見るのも面白い。

 

どうしてウルトラ警備隊の呼びかけにペガッサ市からの返事が無かったのか。
おそらく地球の軌道も変える事が出来ない地球人にペガッサ市を破壊する事は出来ないと思われていたのだろう。それに地球に潜入したペガッサ星人が地球を爆破する予定だったし。それとも動力系統が故障したので空気を作る事が出来なくなって全員窒息死していたのかもしれない。

 

地球の軌道も変える事が出来ない地球人だが、貧弱と思われた地球人の科学力はペガッサ市を破壊する事が出来た。地球人は何かを破壊する技術だけは発達していたのだ。このテーマは「超兵器R1号」へと繋がっていく。

 

キリヤマ隊長はペガッサ星人達を地球に誘導する事を「栄光ある任務」と言っていたが、結局、それは果たせず、地球が生き残る為にやむを得ずペガッサ星人を見殺しにする事になる。
この後の話でもキリヤマ隊長は責任者として苦渋の決断を強いられる事が何度かある。

 

事件が解決した後、ダンとアンヌ隊員はペガッサ星人ともう一度会いたいと言っていたが、ペガッサ星人はダンとアンヌ隊員ともう一度会いたいと思っているのだろうか……。

 

今回のウルトラセブンは人間大の状態で活躍している。
個人的に『ウルトラセブン』が『ウルトラマン』との差別化で上手くいったのはこの部分だと思う。

 

『平成セブン』の「ダーク・サイド」は今回の話の後日談となっている。

 

 

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