「闇に光る目」
『ウルトラセブン』制作第14話
1968年1月21日放送(第16話)
脚本 藤川桂介
監督 鈴木俊継
特殊技術 高野宏一
岩石宇宙人アンノン
身長 30m
体重 15万t
目の形をした頭脳だけの宇宙人で、地球が打ち上げたさくら9号を侵略と解釈して報復にやって来た。
念力で頭痛を起こしたり物体を止めたり破壊したりする。
石の肉体と硫黄と熱を使って巨大な怪獣となる。
怪獣になった後は目から緑色の光線を撃ち火花を散らす。
地球人の言う事は信じなかったが同じ宇宙人であるウルトラセブンの説得は聞き入れて石の肉体を捨てて宇宙に帰った。その際に「アンノン星はいかなる星からの侵略目標にもさせない」との言葉を残した。
名前の由来は「アンノウン(知らない)」から。
物語
アンノン星に向けて打ち上げた宇宙船さくら9号が地球に帰って来た。
一方、弱虫といじめられていたヒロシ少年は不思議な石を見付ける。
感想
今回からタイトル画面が変更され、『ウルトラQ』と同じく逆回転で文字が出てくるタイプになっている。
「ウルトラ警備隊西へ 前編」「ウルトラ警備隊西へ 後編」で酷い目に遭ったのに懲りずに同じ失敗を繰り返したと言われる今回の話だが、制作順では今回の話の方が先になっていて、ダンは話し合いでアンノン星人との戦いを回避し、ペダン星人とも同じように話し合いで戦いを回避しようとしたが今度は騙されてしまったと言う流れになっている。
散々攻撃していながら、敵わないと思ってから弁明を始めたキリヤマ隊長。これだから地球人の言う事は信じられないとアンノン星人に言われてしまうのだ。
逆にアンノン星人への説得を成功させたウルトラセブン。
ウルトラセブン=モロボシ・ダンは宇宙人なので地球人とは少し離れた位置にいて、この後も地球人と宇宙人との仲介役を担う事となるが残念ながら上手くいかない事が多かった。
アンノンが格闘できるタイプではなかったので、今回のウルトラセブンとアンノンの戦いは超能力を駆使したものになっていて、暗い夜に眩い光線が映えていた。
調査で打ち上げた宇宙船が帰って来る、人類の宇宙進出に警告が発せられると『ウルトラQ』の「宇宙からの贈りもの」を思い出す内容になっている。「宇宙からの贈りもの」では相手の宇宙人の主張を人類が色々と推測していたが今回はアンノン星人が姿を現してはっきりと主張を述べている。
今回はヒロシの話とアンノンの話を同時に描いている。
ヒロシとアンノンが同一視されがちだが自分は少し違うと考えている。
周りから外れていて、周りに対抗できるだけの強さを欲しているヒロシが地球人、ヒロシの周りにいる子供達や大人達が地球を取り囲む他の宇宙人達、そしてヒロシを助けるアンノンが地球人を助けるウルトラセブンと解釈する事が出来る。ただし、アンノンは力と言う強さを、ウルトラセブンは皆と仲良く出来ると言う強さを与えると言う違いがある。
そう考えれば今回の話が殆ど夜だったのは夜の闇と宇宙の闇を重ねていたのかもしれない。(ラストシーンも夜の闇と宇宙の闇が繋げられている)
制作順で見ると、かなり久し振りにアンヌ隊員の声が聞けた。