帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「空間X脱出」

「空間X脱出」
ウルトラセブン』制作第15話
1968年2月4日放送(第18話)
脚本 金城哲夫
監督 円谷一
特殊技術 大木淳

 

音波怪人ベル星人
身長 60m
体重 1万8千t
大気圏内に疑似空間を作って入り込んだ獲物を襲う。日本だけでなくアメリカにも疑似空間を作っていた。
鈴のような音で人間の脳波を狂わせる。
ウルトラセブンに沼に投げ込まれて倒される。ベル星人が倒されると疑似空間も消滅した。
名前の由来は「ベル(鈴)」かな。

 

宇宙蜘蛛グモンガ
身長 3m
体重 20kg
ガスを吐いて疑似空間に入り込んだ獲物を襲う。
スパイダーやウルトラガンで倒される。
名前の由来は「クモ」かな。
疑似空間には他にも吸血ダニや怪奇植物がいた。

 

物語
スカイダイビングの訓練中にアマギ隊員とソガ隊員が行方不明になった。
二人はベル星人が作った疑似空間に捕らえられていたのだった。

 

感想
空に見える地球、雲の中にある疑似空間、最後の消えていく森等、ビジュアル的に面白い話。

 

アマギ隊員が実は高い所が苦手だった事が判明する。冷静で寡黙な普段の姿とのギャップでかなり印象に残った。
高所恐怖症だったり森の中で混乱したりと、分析が仕事とは言え、ウルトラ警備隊員がこれで大丈夫なのかと心配になるが、ソガ隊員が負傷した後は冷静さを取り戻して適切な対処が出来るようになったのはさすがと言ったところ。

最初は疑似空間から通信が出来なかったのだが途中から出来るようになる。ひょっとしたら、ベル星人はアマギ隊員とソガ隊員を餌に新たな獲物を得ようとしていたのかもしれない。

 

クモに似たグモンガをクモと言う意味のスパイダーで撃破。
スパイダーと聞いて『ウルトラマン』の科特隊が使っていたスパイダーショットを思い出したが、今回使われたのは違う武器である。

 

今回のダンはウルトラアイを使わずに変身しているが、これまでウルトラアイが無くて困る話をしていたので、これはやらないでほしかった。(因みにウルトラセブンからダンに戻った時はちゃんとウルトラアイを装着していた)

 

ベル星人がダメージを負うと疑似空間にある森が消えていったので、ベル星人と疑似空間は何らかの関係で繋がっていたと考えられる。

 

「神なき知恵は知恵ある悪魔を作る事なり。どんな優れた科学力を持っていても奴らは悪魔でしかないんだ」。キリヤマ隊長の名言であるが、今回はベル星人の科学力を取り上げた話ではなかったので、ちょっと浮いている。
因みにこの言葉は金城さんの出身である玉川学園にある「神なき知育は知恵ある悪魔をつくることなり」が元になっているらしい。

 

ベル星人の目的は不明。ひょっとしたら、昆虫採集のようなものだったのかもしれない。虫かごに入れられた昆虫から見たら人間は「知恵ある悪魔」なのかも。

 

今回の話は1968年7月に『太陽の王子ホルスの大冒険』『ゲゲゲの鬼太郎』『魔法使いサリー』と同時上映で劇場公開された。