帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「プロジェクト・ブルー」

「プロジェクト・ブルー」
ウルトラセブン』制作第19話
1968年2月11日放送(第19話)
脚本 南川龍
監督 野長瀬三摩地
特殊技術 的場徹

 

宇宙帝王バド星人
身長 2m~40m
体重 80kg~5千t
必ず「自称」と付けられてしまう可哀相な「宇宙の帝王」。
自分達以外の知的生物の存在を認めないとして、かつて冥王星の知的生物を根絶やしにし、今度は爆弾で地球を爆破しようとした。
試験的に張られたプロジェクト・ブルーのバリアに触れて宇宙船を一艘失ってしまったので、宮部博士からプロジェクト・ブルーの書類を奪おうとした。
人間大の時は銃を、巨大化した時はメリケンサックを使う。
ウルトラガンで次々と倒され、最後の一人もウルトラセブンに投げ飛ばされて倒された。
劇中では「バドー星人」と名乗っていた。

 

物語
プロジェクト・ブルーの責任者である宮部博士が久し振りに自宅に帰るが、そこにバド星人が暗躍する。

 

感想
地球と月を磁力線の網で包み込む地球防御バリアのプロジェクト・ブルー。宇宙ステーションV2とV3の間に試験的に張られる段階まで来ていたが、この後の話で取り上げられる事は無かった。おそらく攻撃は最大の防御として、プロジェクト・ブルーより超兵器計画の方が優先される事になったのだろう。

 

今回の話にはソガ隊員とアマギ隊員が出ていないが月基地にいると説明されていた。「魔の山へ飛べ」の時もこのようにアンヌ隊員が出ない理由を説明してほしかった。

 

今回は宮部博士とその妻であるグレイスが話の中心となっている。外国人の奥さんが出たからか今回の話はアメリカのドラマっぽい感じになっていた。グレイスのリアクションがちょっとくどい。

 

バド星人は宇宙人なのだが、そのやり方は宇宙人と言うよりサディストなマッドサイエンティストと言った感じで、今回は色々な仕掛けが施されている館を根城にする狂科学者が主人公達をいたぶる話に見えた。結果、バド星人は大層な肩書きや設定とは不釣り合いな小物の悪人となってしまった。

 

バド星人は地球を破滅させる爆弾を既に持ち込んでいたのにプロジェクト・ブルーの秘密に固執していた。自分達の宇宙船を爆発させたプロジェクト・ブルーの技術が欲しくなったのかもしれない。最後に宮部博士を連れ去ろうとしたのも人質の他に技術力を必要としていた可能性もある。

 

ウルトラセブンとバド星人の戦いは完全にプロレスになっていた。まさかメリケンサックまで使うとは。是非とも『ウルトラファイト』で山田二郎さんの実況を聞きたいものなのだが残念ながら今回の話は『ウルトラファイト』で使われていない。

 

宮部博士が妻のグレイスの服にプロジェクト・ブルーの秘密を仕込んでいた理由がよく分からない。宮部博士はイタズラ好きらしいけれど、いい迷惑だ。