帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「超兵器R1号」

「超兵器R1号」
ウルトラセブン』制作第26話
1968年3月31日放送(第26話)
脚本 若槻文三
監督 鈴木俊継
特殊技術 的場徹

 

再生怪獣ギエロン星獣
身長 50m
体重 3万5千t
元々はギエロン星に住む平和な生物だったらしいが超兵器R1号の影響で怪獣化した。一直線に地球を目指し、一度爆破されても再生して東京に向かった。
口から放射能を含んだ灰を吐く。手からリング状の光線を放つ。熱波を放射する。
ウルトラセブンに喉を切られて安らかな眠りに就いた。

 

物語
侵略者に対抗する為に惑星攻撃用の超兵器R1号が開発された。
だがダンは悩む。このままでは地球は血を吐きながら続ける悲しいマラソンを始めてしまう、と……。

 

感想
ペダン星人のキングジョーやポール星人のガンダーと言ったウルトラセブンでも苦戦を強いられる強敵の出現で遂に開発された超兵器R1号。今回の話は当時の米ソ冷戦による核開発競争の影響があると言われている。

 

ウルトラ警備隊の皆は絶賛していたが実は問題ばかりの超兵器計画。
まず、侵略者の星をどうやって見付け出すのか?
たとえ見付けても超兵器が到着する前に撃ち落とされたら?
超兵器は地球防衛軍基地の地下に保管されているがそこで爆破されてしまったら?
それにアンノン星人やペダン星人が超兵器の事を知ったら自分達の星が危険だとして逆に攻めてくる恐れがある。
超兵器は侵略者に対する抑止力になると言う話だったが、これでは地球の危険が増えただけとも言える。まぁ、実際の核開発競争もメリットよりも維持費等のデメリットの方が大きかったと言う話も聞くしね……。

 

ギエロン星獣はどうして「星獣」と言う名前になっているのか?
ひょっとしたら、ギエロン星獣は一個体ではなくギエロン星のあらゆる生物(獣)の集合体だったのかもしれない。(ギエロン星は金星とよく似た焦熱地獄らしいので普通の獣が住んでいたとは考えにくい。超兵器R1号の影響で大量の微生物が融合変異した存在なのかも)

 

ギエロン星獣は復讐の為に地球に来たと言われる事が多いが実は確証が無く、ただ単に迷い込んできただけと言う可能性もある。

 

ギエロン星を吹き飛ばしたR1号よりさらに強力なR2号を使おうと提案する瀬川博士。ちょっと待って。地球を二つ三つ消し去ってしまう事が出来るR2号を地球で使うと言うのはさすがに無理があるのでは? 怪獣を倒す為に地球そのものを吹き飛ばしてしまったら本末転倒だと思う。

 

アイスラッガーの連続攻撃に太陽エネルギーを吸収しての一時的なパワーアップと戦闘シーンが見応えがあった。因みにウルトラ戦士がパワーアップするのは今回が初めて。
今回の話は戦いが苛烈な一方、戦場は夜の廃墟に花が咲き乱れる平原と静けさや美しさがあった。

 

ウルトラ警備隊の攻撃で爆破されても再生したギエロン星獣だったがウルトラセブンに喉を切られると絶命した。超兵器を信奉するウルトラ警備隊ではギエロン星獣を倒す事は出来ず、超兵器を信奉していないウルトラセブンだけがギエロン星獣に安らかな眠りを与える事が出来たと言う意味かなと自分は考えている。

 

地球人もいつか加害者・侵略者になるかもしれないと言う「ダーク・ゾーン」や「ウルトラ警備隊西へ 後編」での危惧が現実となってしまった話。
今回の事件を受けてタケナカ参謀は超兵器の開発中止を委員会に提案すると言い、それを聞いたダンは笑顔になるのだが、すぐに笑顔が消えてカゴの中で走り続けるリスを意味ありげに見つめる。おそらくここで超兵器の開発が中止にならず、地球人が悲しいマラソンを走り続ける事になった場合のその後が『平成セブン』なのだろう。

 

「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」は『ウルトラセブン』でも屈指の名台詞で、半世紀も前の台詞なのだが現在でも十分に通じる。しかし、それは半世紀経っても人間は何も変わっていないと言う事でもある。自分も人間はそんなに愚かな存在ではないと思いたいのだが……。

 

 

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