「侵略する死者たち」
『ウルトラセブン』制作第34話
1968年5月19日放送(第33話)
脚本 上原正三
監督 円谷一
特殊技術 高野宏一
蘇生怪人シャドウマン
身長 不明
体重 不明
謎の宇宙人が第三病院から盗んだ解剖用の死体を念力で操った。
死体から影(魂?)が抜け出て地球防衛軍の秘密基地の所在地が記されている機密書類を盗んだ。
煙でウルトラセブンを縮小してコップの中に封じ込め、人々を気絶させていった。
名前の由来は「シャドウ(影)」かな。
首謀者の宇宙人は姿を見せず宇宙ステーションのみの登場となった。
宇宙ステーションは停止光線でウルトラセブンを拉致するが、ウルトラ警備隊に小型円盤を撃墜されてウルトラセブンも救出され、最後はウルトラセブンのワイドショットで倒された。
物語
次々と地球防衛軍基地に運ばれてくる死体。
ある夜、地球防衛軍基地の中で何かが動き始める……。
感想
子供向け作品では珍しく死体が出ずっぱりと言うホラーなお話。意外とウルトラシリーズはホラーが好きだ。
予算の都合で着ぐるみが作られなかったらしく、当時はあまり評判が良くなかったらしいが、今見ると新鮮で面白い話に仕上がっている。
今回は影の話なので演出でも影が効果的に使われていた。
今回の話に限らず、『ウルトラセブン』は『ウルトラマン』に比べて画面が暗く演出されている事が多い。
ポインターに撥ねられた人間が地球防衛軍基地に運び込まれる。もし普通の人間だったらとんでもない不祥事になっていた。
機密書類の保管場所は銃のセンサーで開けると言う仕組みが格好良かった。保管場所の開閉は参謀クラスでなければいけないのか、キリヤマ隊長がいるのにマナベ参謀が一人で重い金庫の扉を開けているのがちょっとおかしかった。
何故かコップから出られないウルトラセブン。エメリウム光線がコップを通過してしまったりと、この場面は縮小しているかどうかの違いはあるが「マックス号応答せよ」と同じ展開であった。あのコップは何か特殊なコップだったのだろうか?
コップに宇宙ステーションにと今回のウルトラセブンは捕らわれまくりであった。逆にウルトラ警備隊はウルトラセブンを救出して小型円盤を全滅させると強さを見せ付けていた。円盤の数を含めたらウルトラ警備隊は科特隊より多く敵を倒していると思う。
今回と次回の話では場面切り替えが凝っている。これはイギリスの作品『キャプテン・スカーレット』をモデルにしているらしい。
事件が解決した後も自分の影に怯えてしまうソガ隊員はお約束として、ダンが受話器を受け取る場面は要らなかったような。
ところでダンはどうやって帰ってきたと説明したんだろう? またまたウルトラセブンに助けられたとしたのかな。