『帰ってきたウルトラマン』
1971年4月2日~1972年3月31日放送
「郷秀樹。私は君の勇敢な行動を見た。自分の危険も顧みず子供を助けようとした君に感動した。私はこのままの姿では地球上に留まる事が出来ない。だから君に命を預ける。一緒に地球の平和と人類の自由の為に頑張ろうではないか!」
2年半振りに帰ってきたウルトラマンシリーズにして第2期ウルトラシリーズ第1弾。
円谷プロは『ウルトラセブン』終了後に『ウルトラマン』の30年後を舞台にした『続ウルトラマン』を企画するが制作には至らなかった。その後、第1期ウルトラシリーズの再放送や『ウルトラファイト』が高視聴率を得た事で怪獣ブームはまだ終わっていなかったと判断され、人間ドラマ等の新しい要素を盛り込んだ『帰って来たウルトラマン』が企画・制作される事となった。
当初は初代ウルトラマンが帰って来る設定だったが版権の関係でデザインが何度か修正される事になり、最終的には初代ウルトラマンとは違う新しいウルトラマンとなった。その為、新しいウルトラマンは『帰ってきたウルトラマン』では「ウルトラマン」と呼ばれていたが、その後は他のウルトラマンと区別する為に『ウルトラマンA』では「ウルトラマン二世」と、『ウルトラマンT』や『ウルトラマンレオ』では「新ウルトラマン(新マン)」と呼ばれ、『ウルトラマンZOFFY』からは「ウルトラマンジャック」と言う名前が使われる事となった。(他にも『帰ってきたウルトラマン』を略して「帰マン」や「帰りマン」と呼ぶ人もいる)
主人公の「郷秀樹」について、当時のアイドルである「郷ひろみ」と「西城秀樹」を合わせた名前と言われる事があるが、郷ひろみさんと西城秀樹さんのデビューは1972年なので実際は無関係である。
ウルトラマン(菊池英一 声・谷津勲)
身長 40m
体重 3万5千t
M78星雲ウルトラの星からやって来た新しいウルトラマン。
自分の危険も顧みずに子供と犬を助けようとした郷秀樹の勇敢な行動に感動し、自分の命を預けて一心同体となり、地球の平和と人類の自由と幸福の為に頑張る。
戦いではスペシウム光線やウルトラキック等を使用。後にウルトラセブンから万能武器ウルトラブレスレットを授けられる。
地球上では太陽エネルギーを急激に消耗してしまうので3分間しか活動できない。
郷秀樹の肉体や精神の状態に戦闘能力が左右される事がある。
最後はバッド星人の侵略に立ち向かう為にウルトラの星に帰った。
MAT
国際連合機構の地球防衛組織に属する組織でMonster Attack Teamの略称。別称は「怪獣攻撃隊」。
ニューヨークに本部があり世界各地に支部を持つ。日本支部は東京湾海底にある。
日本支部には旧日本軍の関係者が多く在籍していて、自衛隊との縄張り争いも見られる。
組織としては弱い位置にあり、世論や上層部から解散の圧力をかけられる事がある。
郷秀樹(団次郎)
23歳。子供と犬を助けようとして一度は命を落とすが、ウルトラマンの命を預けられて生き返った。
坂田自動車修理工場で働きながらレーサーを目指していたが、加藤隊長の推薦を受けてMATに入隊する。
ウルトラマンと一心同体になった事で身体能力が向上し、怪獣を探知する能力も身に付く。後に透視能力やテレパシー等も使えるようになった。
最初は人間として限界に至らなければウルトラマンに変身できなかったが、徐々に自分の意思で変身できるようになった。
最後はウルトラの星の危機を救う為に地球から旅立った。
加藤勝一郞(塚本信夫)
38歳。MATの初代隊長。常に組織の和を重んじて、対立の多い隊員達をまとめていった。又、世論や上層部からの圧力を受ける事も多かった。
親友であるMATステーションの梶キャプテンが怪獣の襲撃で命を落とすと、後を継いでMAT宇宙ステーションに転任した。
伊吹竜(根上淳)
46歳。加藤隊長の元上官でMATの2代目隊長。戦いにおいては厳しさと強力なリーダーシップで隊員達を率いるが、戦い以外では優しく温和な一面も見せる。
美奈子と言う一人娘がいるが宇宙人に利用されて窮地に陥る事もあった。
郷がウルトラマンだと言う事に気付いていたらしい。
南猛(池田駿介)
25歳。岸田隊員と共にMATのサブリーダー的存在で「アメ」を担っている。マットガンの名手。
子供の頃に「じゃみっ子」と呼ばれて虐められていた経験からか他人を思いやる優しい兄貴分。
岸田文夫(西田健)
25歳。南隊員と共にMATのサブリーダー的存在で「ムチ」を担っている。怪獣の生態に詳しく、兵器の開発も行う。
軍人一家のエリートだが父親が旧日本軍で毒ガスの製造に関わっていた事実を知って苦悩する。
最初は郷と対立を繰り返したが、やがて打ち解けると最も気が合う仲となった。意外とひょうきんな部分がある。
上野一平(三井亘)
23歳。天涯孤独の身でMATを自分の家と思っている。
育ての親である小泉博士の娘チドリを気にかけているが、それが恋愛か兄妹愛かは不明。
郷と同い年だからか一緒に行動する事が多い。ひょうきんだが暗い部分もある。
丘ユリ子(桂木美加)
20歳。通信を担当しているが、実はMATの中でも優れた格闘技術を持っている。
最初はロングヘアーだったが途中からショートカットにした。意外と乙女な部分がある。
岸田(藤田進)
岸田隊員の叔父で地球防衛庁の長官。怪獣打倒の目的は同じだが、現場を知らずに机上の空論を振り回すのでMATとの間に溝がある。
ウルトラマンに依存してしまっている。
佐竹(佐原健二)
地球防衛庁の参謀。怪獣を倒せなければMATに存在理由は無いと考えている。
最初は「佐川」と言う名前だったが途中から「佐竹」に変わった。婿養子に入った?
坂田家・村野家
坂田健(岸田森)
28歳。郷の人生の先輩。レーサーだったがレース中の事故で足を負傷すると、その夢を郷に託して自分は坂田自動車修理工場を経営しながらフォーミュラーカー「流星号」を製作する。
妹のアキと一緒にナックル星人に殺害されるが、発案したスタビライザーはマットビハイクルに採用されて、その意思は遺された。
坂田アキ(榊原るみ)
18歳。郷の恋人。普段は衣料品店に勤めている。
郷がMATに入隊すると会う機会が減って悲しむが健気に耐えようとする。郷の為に買い物に出かけたりデートに行くと必ずと言っていいほど事件に巻き込まれてしまう。兄の健と一緒にナックル星人に殺害され、郷の心に深い傷を残す事となった。
坂田次郎(川口英樹)
11歳。郷を兄のように慕っている。
事件に巻き込まれる事が多い。
兄と姉がナックル星人に殺害された後は郷に引き取られる事となり、最後は「ウルトラ5つの誓い」を叫びながら郷の旅立ちを見送った。
村野ルミ子(岩崎和子)
大学生。郷の部屋の隣に住んでいて、兄と姉を殺害された次郎の面倒を見た関係から郷と知り合う。
郷に想いを寄せるようになるが、郷がアキの事を忘れられなかった為、その想いは実らなかった。
ナレーション(名古屋章)
主題歌『帰ってきたウルトラマン』