「戦慄! マンション怪獣誕生 ーマンション怪獣キングストロン登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第24話
1971年9月17日放送(第24話)
脚本 上原正三
監督 冨田義治
特殊技術 大木淳
マンション怪獣キングストロン
身長 60m
体重 1万5千t
クプクプの破片が明夫の考えを受けて実体化した怪獣。
明夫の説明によるとキングストロンは学名で、宇宙怪獣と地底怪獣のあいのこ、背中はレーザー光線をも弾き返す鎧よりも硬い甲羅、口には牙、鼻には鋭い角、背中にも角が2本、戦う時に尻尾から熱光線を出すと言う設定。
ただし、背中の角は普段は後ろ向きで怒ると前を向く設定が後ろ向きにすると動けなくなる設定に変更された。
ウルトラマンに倒されて骨になった。
名前の由来は「キング」と「ストロング」かな。
宇宙小怪獣クプクプ
身長 2m
体重 350kg
信州の山中に落下した隕石の中にいた。
MATによって爆破焼却されたが……。
物語
宇宙怪獣の処理を行うMATだったが、宇宙怪獣の破片が少年の手に渡ってしまった。
明夫少年は宇宙怪獣の破片から怪獣キングストロンを作り出してしまう。
感想
少年が怪獣を作り出す展開は『ウルトラマン』の「恐怖の宇宙線」と同じ。ガヴァドンは寝てばかりいたがキングストロンは子供の願い通りに暴れてくれた。結果、一番の被害を受けたのはその子供だったのだが……。
「怪獣少年の復讐」と同じく子供の破壊願望を叶える存在として怪獣が実体化する話。「怪獣少年の復讐」ではエレドータスは史郎の恨みを晴らしてくれる一方で、そのエレドータスが史郎の父親を殺した張本人と言う事で、史郎の一番好きな怪獣も一番嫌いな怪獣もエレドータスと言う難解な話となっていたが、今回はキングストロンが明夫にとって抑圧の象徴であるマンションを破壊してくれる存在だったので、明夫はキングストロンに対して希望のみを抱くと言うシンプルな作りになっている。
両親が共働きで苦労してマンションを買うも、残された子供はマンションの中で孤立して破壊願望を募らせていくと言う内容で、この時代の子供達に怪獣が受け入れられた理由の一つが垣間見える話となっている。
何故かあだ名が「ガラモン」の明夫。
バラゴンの玩具で遊んでいたが、当時のバラゴンは人気が高かったのかな?
今回は劇中で番組主題歌を聴く事が出来る。
次郎君に頼まれたとは言え、宇宙怪獣の処理現場に子供を入れてしまったのは郷の落ち度だと思う。結局、この時に明夫が宇宙怪獣の破片を手に入れてしまうし。
ウルトラマンとキングストロンの戦いは川が舞台になると言う珍しいものであった。
明夫が作った怪獣によってマンションが破壊されてしまったので、明夫の家族はこの後どうなるのか心配になる。
「もし君が宇宙怪獣の欠片を持っていたら、危険ですからすぐにMATに届け出てください」。
エンディングナレーションは『帰ってきたウルトラマン』と言うより『ウルトラQ』や『ウルトラセブン』に近いかな。