「次郎くん怪獣に乗る ーやどかり怪獣ヤドカリン登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第29話
1971年10月22日放送(第29話)
脚本 田口成光
監督 山際永三
特殊技術 佐川和夫
やどかり怪獣ヤドカリン
身長 52m
体重 5万t
宇宙ステーションNo.5に入り込んだ宇宙怪獣。
両手のハサミから毒液を出す。
ナパーム弾の火で炙り出されたところをウルトラランスで串刺しにされ、スペシウム光線で燃やされた。
劇中では語られていないが、焼くとエビの匂いがするらしい。
名前の由来は「やどかり」かな。
物語
よし子ちゃんの家から木箱を勝手に持って来た次郎君。その木箱を勝手に宇宙に持って行った郷。
さらに次郎君はよし子ちゃんのインコを逃がしてしまい、郷も宇宙ステーションNo.5を見失ってしまう。
感想
次郎君と郷の行動が殆ど同じと言う話。こうして見ると子供も大人も変わらないものだ。
意外かもしれないが今回の話が次郎君の初の主役回だったりする。(「宇宙から来た透明大怪獣」でも次郎君はドラマの重要な位置を占めていたが、あの話は次郎君の為に奮起する郷が主役の回だった)
今回のアキちゃんはアルプス登山に行っていた。
榊原るみさんのスケジュールの関係なのだが不在の説明があるのは嬉しい。
前回の「ウルトラ特攻大作戦」に続いて今回もどこか気が抜けている郷。いくら何でも玩具を宇宙ステーションに持って行ってはいけないだろう。伊吹隊長が怒るのも無理は無い。
伊吹隊長並みに怒っているよし子ちゃん。お父さんもお母さんも敵わない。それにしても「命の次に大事」に「私、死んじゃうから」とは凄まじい。これは次郎君も焦る。
スペースアローは今回のみの登場だったのが残念。どうして終盤の宇宙人編で使わなかったのかな?
よし子ちゃんが「開けちゃやーよ」と言ったのに開けちゃった次郎君。約束は守ろうね。結局、インコも発見出来なかったし。
次郎君が行く所に怪獣あり。もはや『ウルトラマン』のホシノ君も驚きの怪獣との遭遇率だ。
宇宙ステーションNo.5からのウルトラマン登場が格好良い。
あの展開だとMATが次郎君を助け出した時に宇宙ステーションNo.5の中に郷がいないのはおかしい事になると思うのだが……。
最後の木箱を開けようと奮闘する郷と坂田さんが微笑ましい。
今回の話は1972年3月に「東宝チャンピオンまつり」として『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』等と同時上映で劇場公開された。