「落日の決闘 ー変幻怪獣キングマイマイ登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第32話
1971年11月12日放送(第32話)
脚本 千束北男
監督・特殊技術 大木淳
変幻怪獣キングマイマイ
身長 幼虫・40m 成虫・48m
体重 幼虫・1万5千t 成虫・2万5千t
竜神岳の地下に氷漬けで眠っていた怪獣。
幼虫時は爆発性のあるオナラが武器。上野隊員の爆弾で右腕を失ってしまう。
美しい夕焼けの中、幼虫から成虫に変態する。成虫時は口から繭を吐き、死んだ振りで相手を騙したりする。体内に放り込まれたブレスレットボムの爆発で炎上した。
名前の由来は「マイマイガ」かな。
物語
竜神岳の異変を極秘に調査する事になった怪獣警察MAT。さっそく電車で出発だ!
感想
飯島監督は『帰ってきたウルトラマン』では監督作品は無くて今回の脚本のみの参加となっている。全体的にほのぼのとした雰囲気で前後に辛い話がある中でホッとさせてくれる話になっている。
今回の話は特殊技術の大木監督が本編も担当している。
一人の監督が本編と特殊技術を担当するのは過去に『ウルトラマン』の「ミイラの叫び」と「オイルSOS」の円谷監督がいるが、この時は特殊技術のクレジットが高野監督になっていたので、クレジットも本編と特殊技術が一人の監督になっているのは今回の話が初めてとなる。
田舎が舞台になっていて、都会だと悲惨さと迫力を伴う怪獣が暴れる場面も今回はどこかのどかに感じられる。
今回は第2期ウルトラシリーズでは珍しい人間大のウルトラマンが見られる。
夕焼けの中のウルトラマンとキングマイマイの戦いは美しいの一言。黄金色のウルトラマンが素晴らしい。
キングマイマイが死んだと思ったら実は生きていたの場面はキングマイマイを殺してしまった(と思い込んでいた)ウルトラマンの悲しみを丁寧に描いていてかなり笑える。
『帰ってきたウルトラマン』は『ウルトラマン』に比べてシリアスな作風なので、今回のギャグは普段とのギャップもあってかなり面白かった。
キングマイマイは幼虫の時に右腕を爆弾で吹き飛ばされたのに成虫になると元通りになっていた。どうして?
それにしても今回の上野隊員のテンションは一体何があったんだ?と思うレベルでおかしかった。
今回も岸田隊員がいない。西田健さんのスケジュールの関係なのだろうけれど、「呪いの骨神オクスター」も今回も田舎が舞台だったので、岸田隊員は田舎に行くのが嫌だったとか言う設定をつい考えてしまう。