帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「許されざるいのち」

「許されざるいのち ー合性怪獣レオゴン登場ー
帰ってきたウルトラマン』制作第34話
1971年11月26日放送(第34話)
脚本 石堂淑朗(素案 小林晋一郎)
監督 山際永三
特殊技術 佐川和夫

 

合性怪獣レオゴン
全長 50m
体重 3万5千t
水野一郎が発見したαレオン電磁波でトカゲとウツボカズラを合成して誕生した。水野曰く「動物でも植物でもない新しい命」。
背中の突起から蔓を出して相手を巻き取る。
βレオン電磁波を照射されると死ぬらしい。
ウルトラスパークで動物と植物の部分を切り離されて爆発炎上した。

 

物語
郷の小学校時代の親友だった水野一郎。
彼は宇宙の生命は本来一つだったと言う持論に基づいて動物と植物の何人にも超えられない境界線を打ち破った新しい生命を誕生させる。

 

感想
当時高校生だった小林晋一郎さんが原案を担当した話。
第1期ウルトラシリーズのファンであった小林さんは『帰ってきたウルトラマン』に違和感を覚えて自分で1クール分のストーリーと怪獣デザインを作って円谷プロに送り、その中の一本が今回の話になったらしい。
小林さんは後に『ゴジラVSビオランテ』の原案も担当している。孤独な科学者、動物と植物の合成、芦ノ湖が舞台と共通点が多い。

 

夜なのに家にアキちゃんがいない。
スケジュールの都合なのは分かっているが、やはり不自然。

 

水野は子供のまま大人になってしまったところがある。郷に独身主義者と答えている事から人付き合いは殆ど無いと考えられる。今で言えばオタクや引きこもりに近いか。人間が成長するには他人の存在が必要なので、小学校時代は親友だった郷と水野が現在は対極に位置するようになってしまったのは周りに誰かいるかどうかだったのかもしれない。

 

水野は万が一の時は研究所を子供達の遊び場として開放するようにと遺書を残していた。
自分は独身主義者と答える水野にとってレオゴンは自分の子供のような存在だったのかもしれない。そのレオゴンが怪獣になって世間には受け入れられない存在となり、そんなレオゴンを生み出した事で自分も世間で生きていく事が出来なくなった。レオゴンと言う怪獣が誕生した時が水野と言う人間が死ぬ時になってしまったのだ。

 

今回の話を語る上で外せないのがPYGの『花・太陽・雨』と言う歌。この歌が流れると共に映し出される郷と水野の小学校時代の思い出が実に70年代らしい感じ。

 

 

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