帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「20世紀の雪男」

冬の怪奇シリーズ 20世紀の雪男 ー雪男星人バルダック登場ー
帰ってきたウルトラマン』制作第39話
1972年1月7日放送(第39話)
脚本 田口成光
監督 筧正典
特殊技術 真野田陽一

 

雪男星人バルダック星人
身長 3m~48m
体重 70kg~6万t
240年周期で地球に大接近する絶対温度零度の星バルダックから送られて来た。権現山の雪男(イエティ)伝説を利用して地球の資料を集めていた。
遭難した秀男の体を乗っ取って東京にやって来る。口から冷凍ガスを吐いて東京を氷漬けにする。
ウルトラ火輪で消滅させられ、バルダック星もブレスレットボムで破壊された。
鳴き声が妙に可愛い。

 

物語
長野県にある権現山の雪男(イエティ)伝説を追い求める秀男と洋子。
秀男はイエティを発見するが行方不明になってしまう。その後、洋子の前に秀男が帰って来るが……。

 

感想
ここからは明るくコミカルな話が続く。やや物足りないところもあるが安心して楽しめるようになった。

 

「冬の怪奇シリーズ」と言う事で熊谷健さんの好きな怪談民話ものが登場。
でも日本で雪男伝説はあまり聞かない。イエティだって元々はヒマラヤでの呼び名。展開も雪男と言うより雪女に近い。

 

ヒマラヤと条件が似ているから権現山にも雪男はいると言う秀男。
そもそもヒマラヤでも雪男は確認されていないはずだが……。
それにバルダック星人は雪男と全然似ていないぞ。

 

今回の岸田隊員はかなりコミカル。西田健さんはこちらの方が合っている感じがする。
シリーズ初期と同じように雪男の存在で郷と意見が対立するが、岸田隊員がコミカルになっているのでシビアな展開にはならなかった。

 

今回の話はルミ子さんの紹介編にもなっていて家族関係が語られている。父が外国航路の船長をしていると『ウルトラマンT』の白鳥家に似ている設定。
今のところ郷とルミ子さんは次郎君を介した関係に留まっている。
MATが洋子の話を信じなかったからか、郷に対するルミ子さんの態度はまだどこかよそよそしい。

 

今まで意識的に使う事が出来なかった透視能力を使って郷はバルダック星人の宇宙船を発見する。ウルトラマンとの一体化がさらに進んだようだ。

 

東京が氷漬けにされる場面がなかなか見事。

 

今回のウルトラブレスレットはバルダック星人や宇宙船を破壊しただけでなく、バルダック星そのものも破壊してしまった。『ウルトラマン』の「侵略者を撃て」でのバルタン星人並みの大量虐殺かもしれない。
星一つを破壊すると言う今まで見られなかった威力を発揮したウルトラブレスレット。おそらくウルトラマンは最初はウルトラブレスレットの性能を完全には引き出せていなかったが、様々な戦いを経て、坂田兄妹の死を乗り越え、初代ウルトラマンウルトラセブンとの友情を得て、ウルトラブレスレットの性能を完全に引き出せるまでに成長したのかもしれない。

 

長年の研究が実るかもしれないのに崖から落ちそうになった洋子を助けて安全を確認した秀男。最後に生き返って良かった。
事件が解決した後、秀男と洋子はどうしたのだろうか? 雪男の正体は宇宙人だったと言う論文を発表して結婚する事が出来たのかな?

 

今回は全体的にテンポがゆっくりでどこかのどか。だからこそ最後のハッピーエンドに繋がったのかもしれない。

 

今回の話は東宝の真野田陽一さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

 

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