帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「3億年超獣出現!」

「3億年超獣出現! ー怪魚超獣ガラン登場ー
ウルトラマンA』制作第4話
1972年4月28日放送(第4話)
脚本 市川森一
監督 山際永三
特殊技術 佐川和夫

 

怪魚超獣ガラン
身長 85m
体重 6万t
古生代デボン紀の生きた古代魚ヤプールが改造した。怪奇漫画家・久里虫太郎の精神とシンクロしている。
角を発光させて異常現象を起こし、口から吐くガスで物質を分解して吸収する。
タイマーショットで右腕を吹き飛ばされ、パンチレーザーで炎上し、メタリウム光線で止めを刺された。そして久里もガランと同じ部分を痛めて最後は屋敷ごと炎上した。

 

物語
中学時代の同窓会に向かった美川隊員だったが、それは罠で久里虫太郎に監禁されてしまう。
一方、超獣ガランが出現。ガランは中学時代の久里が美川に捧げようとした怪獣だった。

 

感想
いわゆるストーカーもの。(この頃はまだ「ストーカー」と言う言葉は無かったと思うが)

 

サブタイトルにある通り、ガランは3億年前の古代魚をベースにした超獣なのだが物語の本筋とは全く関係が無く、この設定を完全に無視しても今回の話は成り立つ。

 

ガランも空を割って現れるが、さすがに二度目なので「燃えろ! 超獣地獄」のバキシムの時に比べてインパクトはイマイチ。一方で消しゴムで消したように消える場面は見事であった。

 

異常だと言われる久里。確かに美川隊員に付きまとって監禁したりと危ない奴であった。しかし、中学時代に好きな人に怪獣の絵を捧げようとした事まで異常扱いしてはいけないだろう。取り柄が絵を描く事だけだったらそれでアピールするしかない。もし取り柄がスポーツしかない人がスポーツでアピールしても異常扱いはされないだろう。久里は美川隊員とは趣味が合わなかっただけで漫画好きな人とだったら気が合っていたかもしれないし、相手の女性を監禁する事も無かったかもしれない。

 

「あんまり意地を張りすぎて前の人みたいにならないようにね」と言って白骨化した女性を美川隊員に見える久里。美川隊員の前にも女性を監禁していた事が判明するが、久里は中学の時からずっと美川隊員の事が好きだったと言っているので、美川隊員以外の女性を監禁するのは不自然。ひょっとしたら、美川隊員を脅す為に用意した小道具だったのかもしれない。

 

「人間を滅ぼすのは人間だ」として人間の心の奥底に眠る欲望と妄想を引っ張り出して超獣に変えたヤプール。まさに悪魔と呼べる存在で、今回の話を経て『A』の戦いは人間の心へと移っていく。この流れは第4クールでの人間の怨念が超獣を生み出す展開で再び取り上げられ、後に『80』のマイナスエネルギー怪獣を経て、ウルトラ怪獣の一つのフォーマットとなる。

 

超獣には生物感が希薄と言う意見があるが、元々、怪獣とは未知なる存在なので、そこに「生物的だから良い」と言う枷を作る必要は無い。むしろ、超獣は怪獣から生物感を取り除く事で袋小路に入りかけた怪獣に新たな可能性を与えたと言える。その一例が上に挙げた「人間の心が怪獣と関係する」と言うもので、過去にも似た設定はあったものの、やはり特殊な例外的なものであった。

 

久里から美川隊員を助け出したり、最後にガランの絵を燃やすのを手伝ったりと、さり気に吉村隊員が活躍している。この後に美川隊員と吉村隊員のドラマが始まるかと思ったが残念ながらそれは無かった。