「怪獣対超獣対宇宙人 ー超獣・ドラゴリー メトロン星人Jr 怪獣・ムルチ登場ー」
『ウルトラマンA』制作第7話
1972年5月19日放送(第7話)
脚本 市川森一
監督 筧正典
特殊技術 佐川和夫
蛾超獣ドラゴリー
身長 67m
体重 5万8千t
マリヤ2号の発射を妨害する為に現れた。
一度はエースバリヤーで大気の亀裂に送り込まれるがヤプールによって復活し、メトロン星人Jrと戦うエースの前に現れる。
口から炎を吐く。
宇宙怪獣と蛾の合体生物。
幻覚宇宙人メトロン星人Jr(2代目)
身長 220cm~55m
体重 140kg~3万t
『セブン』の「狙われた街」でセブンに倒されたメトロン星人の子供。
妖星ゴランを使って地球壊滅を企み、宇宙間弾道弾マリヤ1号と2号の発射を妨害する。
山中隊員の婚約者であるマヤを殺害して体を乗っ取る。
テレポーテーションや両手からの光線が武器。
巨大魚怪獣ムルチ(2代目)
身長 48m
体重 1万t
妖星ゴラン接近の影響で目覚め、エースとドラゴリーとメトロン星人Jrの三つ巴に割って入る。
物語
迫る妖星ゴランの地球衝突!
しかし、メトロン星人Jrの暗躍によってマリヤ2号の開発は進まず、ヤプールも超獣ドラゴリーを送り込む。さらに怪獣ムルチまでも現れた!
感想
妖星ゴラン接近による地球壊滅の危機。やはり1962年に公開された『妖星ゴラス』がモデルなのかな。
今回の話から梶隊員専用の制服が登場する。かなり格好良い。
焼けてしまった設計図を「残っていますよ、この中にね」と自分の頭を指すシーンも格好良い。
TAC基地の迎撃装置が再び登場するが、既に基地に侵入していたメトロン星人Jrに対しては何の手立ても無かった。基地の中に入られると弱いと言う伝統が打ち破られるのはいつになるのだろうか?
メトロン星人Jrは父親とはキャラクターがかなり異なっている。地球侵略ではなくて地球壊滅を目指しているところを見るに父親の復讐が目的なのかもしれない。
一応、地下(メトロ)から現れてはいる。
地球侵略を企むヤプールが地球壊滅を企むメトロン星人Jrの手助けをするのはおかしいが、妖星ゴランは空間転移能力を使えば済むので、ヤプールは戦力が分散されたエースとTACを倒すのを優先したのかもしれない。
又、ヤプールとメトロン星人Jrは実は裏で手を組んでいて、妖星ゴランはエースやTACの戦力分散が目的で本当は地球を壊滅させるつもりは無かった可能性もある。(次回の「太陽の命 エースの命」で山中隊員が「タッグチーム」と言うほどにメトロン星人Jrとドラゴリーは息の合った連携を見せている)
ムルチの登場が唐突すぎたので、もう少し伏線を張ってほしかった。
ひょっとしたら、ムルチを発見したヤプールがエースに追い打ちをかける為に急いで目覚めさせたのかもしれない。
マヤがメトロン星人Jrかどうかで対立する星司と山中隊員。
今回の山中隊員はかなり私情が入っていたが、星司の説明も良くない。その点、婚約指輪に着目した夕子はさすがだった。
そのマヤを演じた関かおりさんは元々は南夕子役だったのだが骨折で降板する事になり、星光子さんが代役となったと言う経緯がある。
「宇宙人と一体化する」「エンゲージリング(婚約指輪)が重要なアイテムになる」とマヤはどこか夕子を思わせる設定になっている。そう考えると、星司に偽者扱いされて、夕子に指輪を取られてしまうのは何だか可哀相。
怪獣と超獣と宇宙人を相手に1対3と言う絶体絶命の状況に追い込まれたエース。果たして!?
と言う事で次回「太陽の命 エースの命」に続きます。