帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「決戦! エース対郷秀樹」

「決戦! エース対郷秀樹 ー犀超獣ザイゴン アンチラ星人登場ー
ウルトラマンA』制作第10話
1972年6月9日放送(第10話)
脚本 田口成光
監督 山際永三
特殊技術 田淵吉男

 

変身怪人アンチラ星人
身長 2m
体重 150kg
ヤプールの使い。
郷秀樹に変身してTACに入隊しようとしたが正体を見破られ、次郎君を人質に取るが失敗し、星司と夕子に倒された。

 

犀超獣ザイゴン
身長 70m
体重 6万6千t
怪気流の中から現れた。
サイなのに牛のように光る物や赤い物に興奮して突進する。
口から炎を吐く。
ウルトラナイフで首を切られ、その後、エースによって供養された。
どうやらアンチラ星人が直接操っていたわけではないようだ。
宇宙怪獣とサイの合体生物。
名前の由来は「サイ」かな。

 

物語
超獣ザイゴンの出現で絶体絶命の危機に陥る次郎君とルミ子さん。その危機を救ったのは旅から帰ってきた郷秀樹であった!

 

感想
『A』は月一でウルトラ兄弟が登場する。その第1弾はウルトラ兄弟の長兄ゾフィで、第2弾である今回は前作の主人公である郷秀樹が登場!
と思いきや実は偽者だったと言うどんでん返し。団次郎さんを起用していたので騙された視聴者は多かっただろうな。

 

今回は『帰マン』の「ウルトラ5つの誓い」の後日談となっていて次郎君とルミ子さんが登場している。ウルトラマンや怪獣が作品の壁を超えて登場するのは過去にもあったが人物が登場するのは今回が初めて。

 

MATは資料はあるが組織は無い。やはり解散になってしまったと言う事だろうか。寂しい。

 

次郎君とルミ子さんは元気なようだけど、次郎君は郷秀樹の面影をまだ追っているようだ。せっかく郷秀樹と再会出来たと思ったら実は偽者だったと言うのは可哀相。本物の郷秀樹が助けに来る展開がほしかった。
今回は「宇宙人が次郎君にとって大切な存在の姿(声)を借りる」「建物の中に閉じ込められてしまう」等、『帰マン』の「バルタン星人Jrの復讐」と似た展開になっている。と言う事は本物の郷秀樹が出てこなかったのも「もう君の年になれば、死んだ人が生きている人間に話しかけるなんて、そんな馬鹿な事を信じちゃいけない」と言う台詞が関係しているのかもしれない。郷秀樹は死んだわけではないが。

 

郷秀樹の登場シーンは偽物と分かっていても嬉しい。なんと『帰マン』の主題歌までかかる。おはぎが好物と言う『帰マン』の「必殺! 流星キック」での細かい設定を拾っているのが嬉しい。
ところで『A』では宇宙人や異次元人が変身した人間は正体がバレると顔に変な模様が表れる。分かりやすいのだけれど今見るとちょっとチープ。

 

過半数の賛成は時に危険な結果を招く恐れがある」として郷秀樹の入隊を一時保留にし、疑念を抱いている星司に再調査を命じる竜隊長。これから共に戦う以上、疑念は無い方が良いとの考え。
これは岸田隊員や上野隊員が疑念を抱いているのに郷秀樹を入隊させて隊に不和状態を作ってしまったMATの反省があるような気がする。

 

ザイゴンとの最初の戦いの時、あえて危険な方法を採る星司に対して「止めても無理なようだな……。よし、行け!」と送り出す山中隊員が格好良い。

 

郷秀樹の事を知らなかった星司と夕子。やはりエースと記憶の共有はされていないようだ。

 

郷秀樹が持って来たウルトラレーザーは最初に見た時はウルトラの星の武器かと思った。今回は違ったが、『A』はウルトラコンバーターやウルトラアレイとウルトラの星の道具が色々と出る作品となっている。

 

今回のアンチラ星人の登場でヤプールは異次元人だけでなく宇宙人も配下に従えている事が分かる。

 

星司の危機を救う夕子が格好良い。
こう言う活躍は男性ヒーローの役目である事が多いので、これは夕子がただのヒロインではなくて主人公の一人である事の証明だと言える。

 

次郎君にバレたとしか思えない変身。……煙で見えなかったとしておこう。

 

ザイゴンとの戦いでエースは「ウルトラナイフ!」と技名を叫んでいる。
今回は闘牛の真似をしたり、ザイゴンを倒した後に供養したりと戦闘に色々と遊びが入れられていた。それにしても活動時間が3分なのに供養する時間がよくあったなぁ。

 

事件が解決して「ウルトラ5つの誓い」を叫ぶ次郎君。
今回は順番が変わっていて「土の上を裸足で走り回って遊ぶ事」が一番最初になっている。
次郎君が空を見上げるとウルトラの星が光る。ひょっとして、ウルトラ6番目の弟?