「死刑! ウルトラ5兄弟 ー殺し屋超獣バラバ登場ー」
『ウルトラマンA』制作第13話
1972年6月30日放送(第13話)
脚本 田口成光
監督 吉野安雄
特殊技術 佐川和夫
殺し屋超獣バラバ
身長 75m
体重 8万5千t
全身に武器を搭載し、口からの炎や頭部の刃物からのショック波で敵を攻撃する。ヤプールに放射能の雨で守られているので無敵に近い。
宇宙怪獣とアゲハチョウの幼虫の合体生物。
名前の由来はキリストがゴルゴダの丘で磔にされた時に代わりに釈放された囚人「バラバ」から。
ウルトラ兄弟
ヤプールが発した偽のウルトラサインに騙されてゴルゴダ星に誘い出された。
マイナス273度の絶対零度でエネルギーを著しく失い、ウルトラチャージで残ったエネルギーをエースに分け与えると、ヤプールによって十字架に磔にされてしまった。
物語
「ゴルゴダの星に集まれ!」。
ウルトラサインの下に集結するウルトラ5兄弟。しかし、それはヤプールの恐るべき罠であった。
感想
ウルトラ5兄弟が集結して会話を交わすと言う貴重な話。
初代マンがエースを平手打ちするのが結構有名。
超獣を見たと言う昭二少年の話を信じない警察。わざわざ「TACの管轄外」と言ったりして縄張り争いが見え隠れする。でも、電話ボックスが倒れるなんてそうそうあるとは思えないが……。
ひょっとしたら、ほんの些細な異変、たとえばコップがいきなり倒れたとかでも子供達は超獣の仕業かもしれないと思って騒いだりしているのかもしれない。いわゆる「オオカミ少年」と言うやつ。
マイナス宇宙、つまり我々の宇宙の裏側にあると言うゴルゴダ星。何の事だかよく分からないが、これも一つの異次元と言う事なのかな。
エースはマイナス宇宙に行く為に光の速度を超える。それならヤプールのいる異次元にとっとと攻め込めよと思ったが、おそらくヤプールのいる世界がどの次元なのかまだ分かっていないのだろう。
ゴルゴダ星の場面はBGMといいウルトラ兄弟の名前が刻まれている十字架といい雰囲気が抜群であった。
ウルトラ兄弟はエースは死ぬにはまだ早過ぎるとして自分達のエネルギーを分け与える。兄達が犠牲になって弟を生き延びさせる。この辺りから『A』は「世代交代」と言うテーマが出てくる。
バラバは全身に武器があって、改造生物、生物兵器と言った感じが出ていて良かった。
剣を手にしたエースが実に似合っていた。
今回はバラバの周りに雨が降っているのに地上は晴れていたり、レーザー攻撃と言っていながらレーザーを撃たなかったりと本編と特撮とでややズレがあるのが気になる。
まぁ、放射能の雨に関してはバラバの周囲にだけ雨が降っていたと考えれば良いのかな。
ところでウルトラレーザーは「決戦! エース対郷秀樹」でアンチラ星人が持って来たものと関係があるのかな?
今回の話は予告と本編もズレがあって、ウルトラサインをウルトラシグナルと言ったり次回の映像が入ったりしていた。
今回の話は吉野安雄さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。
戦いに敗れて最初の頃と同じように倒れる星司と夕子。
「地球人達よ、耳あらば聞け。これ以上の抵抗は無益だ。降伏せよ、地球人達!」。
ヤプールの降伏勧告に対して皆の対応は?
と言う事で次回「銀河に散った5つの星」に続きます。