帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「鳩を返せ!」

「鳩を返せ! ー大鳩超獣ブラックピジョン登場ー
ウルトラマンA』制作第18話
1972年8月4日放送(第18話)
脚本 田口成光
監督 真船禎
特殊技術 高野宏一

 

大鳩超獣ブラックピジョン
身長 57m
体重 4万3千t
三郎の伝書鳩である小次郎の脳を宇宙怪獣に移植した。
三郎の鳩笛に反応し、ヤプールの命令に完全には従わない珍しい超獣。
羽ばたきで強風を起こし、口から火炎を吐き、腹の角をミサイルとして飛ばす。メタリウム光線も吸収して跳ね返す強豪で、実は『A』でもトップクラスに強い超獣と言える。
三郎の鳩笛に気を奪われていたところをエースのダイヤ光線で倒された。
名前を直訳すると「黒い鳩」となる。

 

物語
無人観測機を開発中のTACはその回収機能に伝書鳩の帰巣本能を使う事にしたが、ヤプール伝書鳩の小次郎を超獣に改造してしまう。

 

感想
おそらく一番可哀相な超獣であるブラックピジョン
超獣製造器が再登場しているが、改造されるのが画面に出て余計に痛々しい。
超獣になった姿も全身が改造されまくっていて見ていて辛い。

 

鳩を見て「平和だよな」と呟く星司。
それに対して夕子が「平和そうに見えてもね、それはここだけの話よ。この地球だって、どこかで必ず戦争している」と返し、それを聞いた星司は「訂正する。平和そうに見えるだけだ」と答える。
鳩は平和の象徴と言われているが、ヤプールによって超獣に改造されて破壊の象徴に変えられてしまう。

 

TACの無人観測機は成功したら人間が行けない場所も観測出来るらしい。ひょっとして異次元も?

 

三郎の鳩笛に反応して、ヤプールの命令も聞かずに飛び出したブラックピジョン。今までこのような事は無く、さすがのヤプールも驚いたのか慌てて回収している。
今回のヤプールは感情的に叫んでいて、初期にあった余裕が無くなってきている事が分かる。

 

ヤプールに脳を奪われても三郎に会いに異次元から脱出した小次郎。生きて三郎と再会出来なかったのが悲しい。

 

エースに迷いがあったのも事実だが、それでもブラックピジョンは強い! 山中隊員が思わず「エースの最後かもしれん」と言うほどであった。
飛んで空からビルを落とす攻撃は今までありそうで意外と無かった。

 

ヤプールは光線を撃てと命令したがブラックピジョンは炎を吐いた。単なるミスなのだろうけれど、今回はブラックピジョンヤプールの命令を少しでも拒否しようと抵抗したのではとも思える。

 

男と男の約束だと言っておきながら小次郎を帰す事が出来ず母親にも話してしまった星司。超獣は倒しても小次郎と三郎を救う事は出来なかった。
「この空に鳩はもういない……」。