「きみにも見えるウルトラの星 ー黒雲超獣レッドジャック登場ー」
『ウルトラマンA』制作第30話
1972年10月27日放送(第30話)
脚本 田口成光
監督 岡村精
特殊技術 川北紘一
黒雲超獣レッドジャック
身長 72m
体重 6万4千t
普段は黒雲に変化している。
東京K地区を縄張りにして侵入する者を攻撃する。
口から炎を吐く。両手から光線を撃つ。
メタリウム光線で倒された。
物語
星司のアパートの隣の部屋に梅津姉弟が引っ越してくる。
一方、超獣が出現するが星司の判断ミスで犠牲者が出てしまう。
感想
星司のアパートの隣の部屋に梅津姉弟が引っ越してくる。
竜隊長もだったが、TAC隊員の家が一般市民と同じ場所と言うのは危険じゃないかな?
今回登場したレッドジャックの目的等は特に語られなかった。おそらくヤプールが滅亡しても地球攻撃命令は残っていて、それに従って行動していたのだろう。
危篤状態だったとは言え、超獣がいるかもしれない場所に救急車を行かせたのは明らかに星司の判断ミス。せめて星司が護衛するべきだった。山中隊員に糾弾されるのも仕方が無い。同じ状況だったら星司と同じ判断をしたかもしれないと言う他の隊員達は甘い。
二度目は星司がレッドジャックを食い止めている間にダンが自転車に乗って逃げるのだが、管理者がいなくなった所を暴走族が侵入して犠牲になってしまった。う~ん……。
やはり人間一人では限界があるので、自分一人で判断や行動をするのではなく、他のTAC隊員に連絡を入れるべきだった。
これまでの話ではTACと警察の関係は微妙な感じになっていたが今回はちゃんと連携が取られていた。まぁ、実際に超獣が出ていて縄張り争いはしないか。
香代子が星司の部屋を訪ねる。香代子も言っていたが星司の部屋は意外と綺麗にまとまっていた。
ところで香代子は星司に気があるのだろうか? それとも単なる世話好きで落ち込んでいる星司を慰めようとしたのだろうか?
ダンは「俺はウルトラ6番目の弟だぞ!」と何度も言うが、はっきり言って「俺は天才なんだぞ!」と同じ感じがして好きじゃない。皆に煽てられて「今度は超獣の爪を取ってきてやる!」と言っちゃうし……。
もっとも、今回はそんなダンに「勇気」と「無謀」は違うと言う事を教える話であった。ダンは一本気で自分の主張は曲げない、よく言えば真っ直ぐなのだが悪く言えばワガママな子供であった。しかし、今回の話でダンは「ごめんなさい」と初めて謝る。ダンは大切な何かを知る事が出来た。
星司は謹慎中でありながらTACの制服を着て戦う。おそらくTAC隊員としてレッドジャックとの決着を付けたかったのだろう。
星司は「あの超獣は俺がやっつける」と言って躊躇せずにエースに変身している。星司=エースと言う関係がさらに進んできている事が分かる。
山中隊員は今回も怒りまくりであったが助けてもらったら素直にお礼を述べている。
急ぐダンに「もう少しゆっくり行けよ」と言いながら引っ張られる場面がなんか可愛い。
前半にあった星司の判断ミスの話が後半ではあまり取り上げられなかったのが残念。
今回の話は助監督だった岡村精さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。