帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「この超獣10,000ホーン?」

「この超獣10,000ホーン? ー騒音超獣サウンドギラー出現ー
ウルトラマンA』制作第36話
1972年12月8日放送(第36話)
脚本 長坂秀佳
監督 筧正典
特殊技術 川北紘一

 

騒音超獣サウンドギラー
身長 53m
体重 3万1千t
全国各地の騒音の出る場所に出現する。最初は出現時間が短くて場所も一定していなかったが、やがて完全に実体化した。どうやら騒音をエネルギーに巨大化・実体化していたらしい。
頭からリング状の光線を、両手から光線やミサイルを撃つ。
タリウム光線で倒された。
名前の由来は「サウンド(音)」かな。

 

物語
ある暴走族と出会った星司。一方、謎の超獣サウンドギラーが出現。やがて二つの事件は繋がっていく。

 

感想
今回と次回の怪獣紹介のテロップが「登場」ではなくて「出現」になっている。何故?

 

サウンドギラーの正体について。
暴走族だけでなく工場の近くにも出現した事から騒音に迷惑している住民の不満がヤプールの破片と共鳴したと考えられる。
ところでTACは超獣をサウンドギラーと呼んでいながら騒音との因果関係になかなか気付かなかったのは不自然。サウンドギラー自体が物凄い音を発していたのなら分かるが、そういう描写は無かった。
又、バイクの音でサウンドギラーの注意を引こうとしていたが、それならタックアローの音にサウンドギラーが反応しなかったのも不自然。この辺りをもう少し考えてほしかった。

 

今回のゲストは暴走族。見ていて最初はかなり腹が立ったが段々と素直になっていくのが面白かった。『帰マン』の「怪獣シュガロンの復讐」に出た暴走族はただのろくでなしだったからなぁ……。
サウンドギラーの正体が騒音に迷惑していた住民の不満だったとしたら、彼らが命懸けでサウンドギラーに立ち向かっていったのも分かる。最後は彼らにもウルトラの星が見えた事だろう。

 

「人間相手に武器は使えない」と痛いところを突く暴走族。
美川隊員が言うように時として人間は超獣以上に許せない存在となる。それでもTACの隊員として人々を守らなければいけない。

 

今回の星司は妙に暴走族に優しかったが、実は星司にもあんな風になりかけた時期があったらしい。ヒーローがかつてグレかけていたと言うのは意表を突く設定だった。

 

今回の星司は命の危機に瀕してエースに変身した。『帰マン』の郷秀樹みたいだったが、ひょっとしたら、見えないところでウルトラリングを合わせていたのかもしれない。

 

戦闘中に主題歌がかかるがいつもと違うバージョンだった。

 

ウルトラマンエース。本当にいたのか……」と凄い事を言う俊平。まぁ、あんな巨人、いくらニュースで見ても実際に目にしないと実感が湧かないものなのかもしれない。

 

今回もダンの出番は殆ど無かった。
それにしても最近のダンは見違えるほど立派になった。
前回の「ゾフィからの贈りもの」に続いて今回もダンは星司を「兄ちゃん」と呼び、案の定、俊平は二人が本当の兄弟だと勘違いした。でも、これ以降は再び「北斗さん」に戻る。どうして?

 

今回の話は長坂さんの『A』脚本最終作となっている。