帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪談 雪男の叫び!」

冬の怪奇シリーズ 怪談 雪男の叫び ー吹雪超獣フブギララ登場ー
ウルトラマンA』制作第43話
1973年1月26日放送(第43話)
脚本 石堂淑朗
監督 上野英隆
特殊技術 高野宏一

 

雪男超獣フブギララ
身長 58m
体重 4万1千t
雪や氷のある環境にしか住めない獅子座第3星の生物が地球を獅子座第3星と同じ環境にする為に乞食仙人と呼ばれる男の怨みと体を利用した。
吹雪の中に身を隠し、頭から光線を、口から冷気を吐く。胸からショック波も放つ。
かなり強靱でTACの体当たり攻撃やエースの攻撃技にも耐えたが最後はバーチカルギロチンで真っ二つにされた。
名前の由来は「吹雪」かな。

 

物語
星司達がスキーをしていた山には20年も前から乞食仙人と呼ばれる男が住んでいた。
乞食仙人の怨念が獅子座第3星の生物と合体して超獣フブギララが誕生する。

 

感想
ダンと香代子はこの話をもって退場する。
香代子は雪男の足跡を冷静に写真に収めるところで、ダンは「僕はウルトラ6番目の弟だぞ! 自分が助かりたいばっかりに他の人を外に追い出すような人間じゃないんだ!」と言う台詞で一応最後の活躍はあるが、やはり不満が残る。
ヤプールや夕子が退場する時には説明があったし、梶隊員の場合はTACの別部署に移動したと言う推測が成り立ったのだが、ダンと香代子は難しい。せめて「セブンの命! エースの命!」に登場した叔父の三郎が実は本物が生きていて、ダンと香代子は三郎のいる外国に行ったぐらいのフォローが欲しかった。

 

今回もスキーをしている星司。そんなにスキーが好きなのか?(別にシャレではない)
前回の「神秘! 怪獣ウーの復活」と全く同じ設定なので、もう少し考えてほしかった。

 

フブギララは『A』後半では珍しく劇中で正体が細かに説明された超獣なのだが、そのせいで逆にヤプールと繋げるのが大変になってしまった。
考えられるとしたら、ヤプールは獅子座第3星の生物を超獣に改造していた。この超獣は実体が無くて何かに乗り移らなければいけなかったと言ったところかな。
そう考えると可哀相とも言える。勝手に故郷から連れて来られて超獣に改造されてしまい、地球で生きるしか道が残されていなかったのだから。
それにしてもフブギララはゴリラみたいなデザインなのに、どうして獅子座の出身だったのだろう?

 

吉村隊員の宇宙生物の権威と言う設定が再び使われている。

 

珍しく超獣の出現を否定しなかった山中隊員。さすがに今までの反省が生きたのかな?

 

またもや「脱出!」したTAC。しかし、脱出した機体を超獣にぶつけるのは上手い考えだった。どうせ壊れてしまうのなら少しでも相手にダメージを与えなければ。

 

エースとフブギララの戦いは一進一退で見応えがある。

 

「何で逃げてきた!」「TACは俺達を守るのが義務だろう!」「TACがここに逃げ込めば超獣はここに襲ってくる!」「TACは俺達をかえって危険な目に遭わせているんだ!」と非難罵声を浴びせるスキー客達。「全滅! ウルトラ5兄弟」「奇跡! ウルトラの父」でも取り上げられた身勝手な人々。それを一喝するダンが格好良い。思っても実際に口に出して言うのは難しい。

 

乞食仙人は村人に逆恨みしていたので「TACの隊員がここにスキーに来たから超獣がここに現れた」と言うのは物凄い責任転嫁なのだが「TACは超獣の仇だからな!」と言うのは意外と的を射ている台詞だった。今回は違ったのだが、やがてエースとTACを標的としたヤプールの復讐が始まる。

 

深読みかもしれないが、村人を逆恨みする乞食仙人をヤプールと超獣、それを探して捕まえようとした村人をエースとTACに当てはめる事が出来るかもしれない。
村人と乞食仙人は最後に和解する事が出来たが、エース&TACとヤプール&超獣の戦いは終わる事無く続いていく……。