「空飛ぶクラゲ ー水瓶超獣アクエリウス登場ー」
『ウルトラマンA』制作第49話
1973年3月9日放送(第49話)
脚本 石堂淑朗
監督 菊池昭康
特殊技術 田淵吉男
水瓶座第3星人
地球が自分達の星と同じ環境で奴隷となる人間も大量にいたので植民地計画を開始した。
アクエリウスを尖兵として送る。
宇宙船を黒雲の中に隠していたがTACに破壊された。
水瓶超獣アクエリウス
身長 54m
体重 4万t
水瓶座第3星人の尖兵として水瓶を持った少女に化けて地球に降り立った。黒雲の中に神がいると告げて村人を従わせてTAC隊員を神への生け贄に処刑しようとした。
手から光線を撃つ。宇宙船とユニバーラゲスが倒されると超獣に変身する。右肩の花弁から花火を出す。最後は電撃キックで倒され、エースによって埋葬された。
名前の由来は水瓶座の「アクエリアス」かな。
宇宙電気クラゲユニバーラゲス
身長 85m
体重 1万t
水瓶座第3星人の宇宙船と同じく普段は黒雲の中に潜んでいる。
飛行機の燃料を吸収する。
TACのビッグレーザー50で倒された。エースと戦う前にTACに倒された珍しい怪獣。
かなり久し振りの操演怪獣。
物語
ある村に一人の少女が降り立って自らを神の使いと称する。
少女は黒雲の中に神がいるとして、神の怒りに触れたくなければTACを捕らえよと村人に告げる。
感想
街から遠く離れた村を舞台に神の使いを名乗る少女が村人を煽動すると言う新興宗教を思わせる話。
アクエリウスが地球の環境が自分達の故郷と殆ど同じで植民地に適していると宇宙船に報告する場面がある。細かいが、こう言う部分をちゃんと押さえてくれるのは嬉しい。
TACは超獣と戦ってくれたと言っていながらアクエリウスが目の前で奇跡を起こしたら神の使いだとあっさり信じてしまった村人達。他の宇宙人達も色々な特殊能力を見せていたし、それこそウルトラマン達は何度も奇跡を起こしていたので、あの程度で村人達がアクエリウスを神の使いと信じてしまうのはちょっと無理があった。
この辺りは怪獣や宇宙人と言った非日常の存在が既に日常になってしまった作品の難しいところ。
「怪談 雪男の叫び!」の獅子座第3星に続いて今回は水瓶座第3星人が登場。「第3星」が続くのには何か意味があるのかな? それとも単なる偶然?
ユニバーラゲスを見事倒したTAC。経験を積んだからか、TACもかなり強くなった。
アクエリウスは少女の時は気高い雰囲気を持っていて結構好み。
超獣になったら醜い姿になってしまったが、ここはギャップを狙ったのだろう。今回はギリシア神話の要素があるので、美しい女性が醜い怪物に変わった「メドゥーサ」がモデルになっているのかもしれない。
超獣になったアクエリウスがエースの攻撃をわざと受けて平然としているのがプライドの高さを示していて面白かった。
アクエリウスの正体について。
知能が高く、宇宙船が撃墜されると涙を流していたので、水瓶座第3星人の一人が超獣に改造されたと考えられる。おそらくヤプールが滅亡したので独自に地球を侵略しようとしたのだろう。
続いてユニバーラゲスの正体について。
星司は超獣と言っていたが肩書きには超獣と付いていないので、水瓶座第3星人が独自に用意した怪獣と考えて良さそう。
今回の話は菊池監督と田淵監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。
この後、田淵監督は1974年から1975年に放送された『日本沈没』の特技監督を務めている。