帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラの母は太陽のように」

ウルトラの母は太陽のように ーウルトラ5兄弟 怪獣・アストロモンス 超獣・オイルドリンカー登場ー
ウルトラマンT』制作第1話
1973年4月6日放送(第1話)
脚本 田口成光
監督 山際永三
特殊技術 佐川和夫

 

ウルトラの母
身長 40m
体重 3万2千t
光太郎の死んだ母親そっくりの緑のおばさんとして子供達の安全を守っていた。
お守りとして光太郎にウルトラバッジを授ける。
死線を彷徨う光太郎をタロウと合体させて新たな存在として生まれ変わらせた。
着ぐるみが未完成だったのでマントを羽織って太陽をバックにシルエットで登場したが、それが逆に神秘性を高めていた。

 

ウルトラ兄弟
死線を彷徨う光太郎を新たな世界へと導く。

 

宇宙大怪獣アストロモンス
身長 60m
体重 5万8千t
元々は砂漠で100年に一度咲くと言われる幻の花チグリスフラワーだった。光太郎が白鳥船長から貰った球根を日本で育てようとしたが怪獣になってしまう。
長い触手で周辺の生き物を次々と補食していき、怪獣になった後も超獣オイルドリンカーを食べてしまった。
腹にあるチグリスフラワーから溶解液を吐く。翼も無いのに空を飛ぶ!
ストリウム光線で倒された。
肩書きを見ると元々は宇宙出身だったようだ。
名前は「アストロ・モンスター」で「宇宙怪獣」と言う意味。

 

オイル超獣オイルドリンカー
身長 60m
体重 2万9千t
おそらくはヤプールが滅亡した為に野良となった超獣。
口から火を吐く。
オイルをエネルギーにしていてタンカーやコンビナートを襲うが、一度目は光太郎の機転で撃退され、二度目は怪獣アストロモンスに食べられてしまった。
名前を直訳すると「オイルを飲むもの」となる。
ミラーマン』のゴルゴザウルスの着ぐるみを改造している。

 

物語
世界各地を旅していた東光太郎は白鳥船長の船に乗って久し振りに日本に帰って来た。ところが光太郎の目の前に超獣オイルドリンカーが出現し、さらに光太郎が持ち込んだ花が怪獣アストロモンスになってしまう!
しかし、ウルトラの母は太陽のように光太郎を見守っていた。

 

感想
本作からオープニングの映像がシルエットではなくて特別チームのメカ紹介になっている。マーチャンダイジングの為らしいが主題歌のテンポと合っていて実に良い出来!

 

これまでのウルトラシリーズの主題歌は東京一(円谷一)が作詞を担当していたが、円谷一さんが1973年2月に亡くなられたので、本作の主題歌である『ウルトラマンタロウ』は阿久悠さんが作詞を担当している。

 

白鳥船長の船から海に飛び込んで日本に帰って来た光太郎。どう考えても密入国では……。
その時に光太郎はチグリスフラワーの球根を持ち込んでいるが、どう考えても密輸では……。

 

今回、ウルトラシリーズで初めて主人公の母親が登場した。(『帰マン』の郷秀樹は台詞で言及したのみ)
ところで光太郎は父親について全く語っていないが、父親はどうしたのだろう?

 

クレーンを使ってオイルドリンカーをタンカーから引き離した光太郎を見て朝日奈隊長は「頭が良いだけじゃない。勇敢な男だ」と称賛する。この台詞は最終回「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」で光太郎が健一君に語る「人間には知恵と勇気がある」に繋がる。(因みにどちらもタロウの力を使っていない)

 

チグリスフラワーに食べられてしまったワン公が可哀相……。

 

アストロモンスがオイルドリンカーを食べる事で「超獣より強い怪獣の出現」を問答無用で見せ付けた。
新種のワクチンを開発しても、そのワクチンも効かない新種のウイルスが誕生するように、怪獣より強い超獣が作られても、その超獣より強い怪獣が誕生する。生命とは凄いと思う。
ところでZATはオイルドリンカーを超獣、アストロモンスを怪獣と呼んでいたが、どうやって区別しているのだろうか? 『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒の「波長パターン青」のように超獣には特殊な反応があるのだろうか?

 

入隊テストをしていたら荒垣副隊長は光太郎の存在を知っていただろうから、光太郎がZATに入隊した事を誰も知らなかったのは朝日奈隊長がテスト無しの推薦一つで入隊を決めたからと考えられる。
ウルトラシリーズの主人公は特別チームの隊員である事が多いが、ウルトラマンと合体していない状態で入隊するのは実は珍しい。

 

アストロモンスに襲われても「ZATの本部は滅多な事で壊れはせん!」と格好良く言う朝日奈隊長。一体どうするかと思って見ていたら、なんと空を飛んで逃げてしまった! おおい! 残された街は一体どうなるんだ!?
その後もZAT本部はタロウとアストロモンスの戦いを黙って見ていたが迎撃装置くらい付けてほしい。

 

光太郎とタロウの関係について。
おそらく光太郎とタロウは合体して新たな存在に生まれ変わり、光太郎とタロウの両方の記憶を持ち人格も混ざり合ったのだと考えられる。緑のおばさんは光太郎と自分の息子(タロウ)はよく似ていると言っていたので、光太郎とタロウの人格は元々近いものだったのだろう。
『帰マン』や『A』では主人公とウルトラマンは最初は命を共有しているが記憶や人格は分かれているとなっているのだが最後になると記憶と人格も融合していった。それに対して今回の光太郎とタロウは最初から命も記憶も共有していると言う形になっていると考えられる。

 

ギリシア神話の英雄達は「半神半人」、いわゆる神と人間のハーフとなっているが、ウルトラマンと人間が合体したタロウ=光太郎もギリシア神話の英雄達と同じく「半神半人」の存在と言えるのかもしれない。

 

戦闘シーンがスピーディーで面白い!
主題歌がかかるのも盛り上がって良い!
「ストリウム光線!」の掛け声と共にタロウにエネルギーが集中していく場面はまさに必殺技!と言う演出だった。

 

光太郎が下宿する事になった白鳥家には光太郎が思わず「綺麗だ」と言ってしまうさおりさんがいた。まるでラブコメ作品のような設定。

 

光太郎のマフラーは『A』の撮影現場を見学した篠田三郎さんのアイデアらしい。
光太郎と緑のおばさん(母親)を繋げる象徴として上手く使われていた。

 

今回の話は1973年8月に「東宝チャンピオンまつり」として『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』のリバイバル上映等と一緒に劇場公開された。

 

 

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