「宝石は怪獣の餌だ! ーなめくじ怪獣ジレンマ登場ー」
『ウルトラマンT』制作第6話
1973年5月11日放送(第6話)
脚本 田口成光
監督 筧正典
特殊技術 川北紘一
なめくじ怪獣ジレンマ
身長 73m
体重 4万3千t
光太郎がエジプトで老婆から貰った宝石を狙って現れた。エジプトの伝説では満月のたびに宝石を食べて大きくなるとなっていた。ZATガンのレーザーを浴びて巨大化する。
口から強力な酸性の泡を吐いてタロウを苦しめるがZATのスーパーアルカリ液で中和され、最後はタロウのストリウム光線で倒された。
名前の由来は宝石を身に付けていると怪獣に襲われるが身から離すと光太郎に責任が及んでしまうと言うさおりさんの心境「ジレンマ」から。
物語
バースディ・イヴとして光太郎はエジプトで貰った宝石をさおりさんにプレゼントする。
ところが、その宝石を狙ってジレンマが日本にやって来た!
感想
今回の話のサブタイトルは予告では「怪獣は宝石がお好き」だった。個人的にはこっちの方が好き。どうして変更になったのだろうか?
あと、予告では光太郎がさおりさんを引っぱたくシーンを何度も繰り返しているのだが、これはどういう意図があったのだろう?
「今日は誕生日の前の晩。つまりバースディ・イヴってわけさ」と言ってさおりさんにプレゼントをする光太郎。ウルトラシリーズの主人公で女性の誕生日を覚えていたりプレゼントを用意したりする事が出来る人物はなかなかいない。
世界各地を旅していた光太郎は今回の話でエジプトに寄っていた事が明らかになる。それにしても現地の言葉が分からないのによく旅が出来たなぁ。
ところで今回登場した宝石って、どう考えても密輸では……。
光太郎に宝石をあげたエジプトのお婆さんだが、話を聞く限り、ジレンマをエジプトから追い出す事が目的だったようだ。自分の所の怪獣は自分達で始末してほしい。
ゴミ箱が溶けて壁に穴が開いているのに、それに気付かず、宝石が無くなったと騒ぐ健一君。はっきり言って不自然だぞ。
ZATの通信隊員が登場。どういうわけか全員女性。なのでZATはウルトラシリーズでは珍しく男性隊員より女性隊員の方が多い特別チームとなった。
宝石の説明書を解読した時の「また光を……、この所は溶けてしまって分かりません。巨大化し街を焼く」とレーザーでの巨大化の伏線の張り方が上手かった。
「その時ウルトラの母は」「ウルトラの母はいつまでも」でもライブキングに飲み込まれたりと災難続きだった犬のポチが今回遂に死んでしまう。
事件が解決した後、光太郎が2代目のポチを連れて来るが、初代と全然違う種類だった。何故?