帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「これがウルトラの国だ!」

「これがウルトラの国だ! ー宇宙大怪獣ムルロア登場ー
ウルトラマンT』制作第24話
1973年9月14日放送(第24話)
脚本 田口成光
監督 山際永三
特殊技術 佐川和夫

 

ウルトラの母
身長 40m
体重 3万2千t
ムルロアに敗れたタロウに闇に閉ざされた地球を救う為にウルトラの国に帰るよう告げた。
「地球を闇から解放する為の物。それはウルトラの国にあります。あなた方兄弟力を合わせ、それを手に入れるのです」。

 

宇宙犬ラビドッグ
身長 5.9m
体重 300kg
タロウが子供の時に可愛がっていて、タロウがウルトラの国に帰ると真っ先に出迎えに来た。

 

宇宙大怪獣ムルロア
身長 62m
体重 3万9千t
トロン爆弾によって破壊されたムルロア星から出現した怪獣。宇宙蛾スペースモスを引き連れて地球に飛来すると旅客機やコンビナートを襲った。光に過剰に反応する。
口から溶解液を吐く。タロウを倒すほどの強豪。
全身から吐き出すアトミック・フォッグで地球を闇に閉ざしてしまった。
名前の由来はフランスが核実験を行った「ムルロア環礁」から。

 

物語
光太郎はウルトラ6兄弟のあだ名を持つ岩森6兄弟と出会う。
一方、トロン爆弾によって破壊されたムルロア星から出現した怪獣ムルロアが地球に襲来。タロウを倒して地球を闇に閉ざしてしまう!

 

感想
事件の引き金となった人類終末兵器トロン爆弾の実験を行ったヨーロッパのある国とはどこなのか? ムルロアの名前の由来を考えるとフランスであろう。劇中ではフランスは実験に反対したとなっているが、わざわざ「実験に反対した」と説明を入れるのが逆に怪しい。
それにしても『セブン』の「超兵器R1号」の反省がちっとも活かされていないなぁ、この世界の地球は……。

 

岩森6兄弟を使ってウルトラ6兄弟の紹介が行われ、父や母だけでなく犬のガリバーを使ってラビドッグの紹介もされている。
因みに「新マン」と言う呼び名が劇中で使われるのは今回が初めて。
女の子二人のあだ名が「ウルトラマン」と「タロウ」になっているが、女の子であだ名が「タロウ」なのは嫌じゃなかったのかな?
岩森家における本名とあだ名の使い分けがイマイチよく分からない。

 

岩森6兄弟で目立つのはゾフィとエース。普通は本作の主人公であるタロウが活躍すると思うので、これは意外だった。

 

いくら長男や長女がしっかりしているとは言え、小学生の子供を残して両親が旅行に行くのは疑問。そして両親がムルロアに襲われて岩森6兄弟が孤児になっても親戚関係が全然出てこなくて子供達だけで生活を続けていくのも疑問。

 

細かいところだが、両親が残したテープを再生した時に母親からタロウへの台詞の前でゾフィは切ってしまった。ここは最後まで流そうよ。(その後、ウルトラの母から本物のタロウへの台詞があるが)
この時のテープに録音されていた「あなた方兄弟6人力を合わせれば大抵の事は出来るはずですからね」と言う母親の台詞はその後の岩森6兄弟だけでなく本物のウルトラ6兄弟の行動も暗示していて興味深い。

 

荒垣副隊長、再びヒゲが消える!

 

ムルロアは貫禄もあって、まさに闇の王と言う感じで格好良い。地球全体を危機に陥れると言う昭和ウルトラシリーズの中でも特にスケールの大きい敵であった。
ムルロア戦のタロウはもう少し粘ってほしかったところ。「ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!」での血塗れになったバードン戦を見た後だと今回はちょっとあっさり引いた感じがする。(その後の光太郎は滅茶苦茶ボロボロになっていたが)

 

今まで断片的に紹介されていたウルトラの国の全貌が今回遂に明らかになる。
タロウがウルトラの国に入る時にトゥインクル光線で光の扉を開けている。地球から300万光年もの彼方に存在していると言う設定もあって、ウルトラの国は我々が住んでいる世界とは別の世界のような雰囲気がある。それはSF的に言えば別の宇宙、神話的に言えば神の国と言ったもの。
因みに劇中で「ウルトラの国」と呼ばれるのは今回が初めて。

 

闇に閉ざされてしまった地球に再び朝がやって来る事は無いのか? 地球最大の危機に遂にウルトラの国が動く!
と言う事で次回「燃えろ! ウルトラ6兄弟」に続きます。

 

 

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