帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「逆襲! 怪獣軍団」

「逆襲! 怪獣軍団 ー異次元人ヤプール 宇宙怪獣ベムスター登場ー
ウルトラマンT』制作第30話
1973年10月26日放送(第30話)
脚本 田口成光
監督 山本正孝
特殊技術 高野宏一

 

異次元超人巨大ヤプール(改造)
身長 50m
体重 8万2千t
人間をじわじわといたぶろうとした。
海野の存在を疎ましく思い、サボテンダー、さらにベロクロンも送り込むが敗北。最後は逃げようとしたところをストリウム光線で司令船を破壊された。

 

宇宙大怪獣ベムスター(改造)
身長 80m
体重 6万1千t
腹の口から光線も撃つ。
一度はタロウを倒すが二度目の戦いでは海野に目を潰された。
頭の口からは物を食べず、全てのエネルギーは腹の口から吸収している。そこをZATに狙われ、腹の口から吸収した濃縮エネルギー爆弾AとBの化学反応の爆発で倒された。

 

サボテン超獣サボテンダー(改造)
身長 60m
体重 5万t
海野を殺す為にヤプールが送り込んだ。
ベムスターを救援する立場でありながらベムスターを押しのけたところを見ると、やはり超獣は怪獣を快く思っていないのかな?
ストリウム光線で倒された。

 

ミサイル超獣ベロクロン(改造)
身長 55m
体重 4万4440t
劣勢に陥ったヤプールが最後の手段として送り込んだがZATの猛攻撃を受けて倒された。
こうしてベロクロンの出現から始まった超獣の歴史はベロクロンの敗北によって一旦幕を閉じる事となった。

 

物語
ベムスターの猛威の前にタロウは敗北。
しかし、海野は、ZATは、光太郎はまだ諦めていなかった。
子供達に決して諦めない強い心を教える為に彼らは戦う!

 

感想
ベムスター復活! タロウ絶体絶命!」の続き。

 

オープニングの怪獣紹介にサボテンダーとベロクロンの名前が無い。
決定稿の時点でもサボテンダーとベロクロンの登場が決まっていなかったからだが、ちょっと寂しい。

 

光太郎の事を心配する健一君に向かって海野は「あの男なら大丈夫さ」と断言する。続けて「タロウの奴、俺の代わりに……」と言っているので、ひょっとしたら海野はタロウの正体が光太郎である事に気付いたのかもしれない。

 

今回のタロウは敗北から消滅まで時間がかかっていて、「これがウルトラの国だ!」でのムルロア戦に比べて敗北感が出ていた。

 

『A』の最終回「明日のエースは君だ!」でヤプールは子供達の心から優しさを奪おうとした。そして今回のヤプールの登場は子供達に困った時は誰かが助けに来てくれると言う依存心を生み出し、決して諦めない強い心を失わせる事となった。
海野が命を懸けてまで怪獣と戦おうとしたのは、そんな子供達の心を救う為であった。ヤプールが海野の存在を疎ましく思ったのは、そんな海野の姿にかつての北斗星司の姿を見たのかもしれない。

 

光太郎と海野は真っ直ぐで熱血漢で子供思いでと似た者同士であるのだが、二人には決定的に違う点がある。それは光太郎はウルトラマンで海野は人間である事だ。
光太郎が人間も努力すればタロウ以上の力を持つと言っても最後はその光太郎自身がタロウの力で怪獣を倒す事になる。しかし、海野はウルトラマンではない。ウルトラの力を持っていない海野だからこそ今回の話のテーマが成立したと言える。
そして最終回「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」で光太郎は人間の知恵と勇気があればタロウと同じ力を持てると言う事を健一君に示す為にあえてタロウの力を捨てるのであった。

 

今回は『T』の前後編では他のウルトラマン達の救援が無かった唯一の話であったが内容を考えると当然であった。
それにしても、ウルトラマンが人間を助ければ助けるほど、人間にウルトラマンへの依存心が生まれてしまい駄目になっていくと言うのは皮肉だなぁ。

 

ベムスターに再び戦いを挑もうとする光太郎とさおりさんの「これが俺の選んだ仕事なんだ! 一生を懸けてやっている仕事なんだよ! ……分かってくれよ」、「……気を付けて」のやりとりは二人の関係を描いた名場面であった。

 

最後に今一番面白いものとして海野達が紹介した「ウルトラマンタロウの本」がどんな内容なのか気になる。荒垣副隊長に本を見せられた時の光太郎の苦笑いが面白い。
それにしても、この時のトオルの母親の服装は凄すぎる。

 

高野監督が『T』に参加したのは今回の前後編のみとなっている。

 

 

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