帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラ父子餅つき大作戦!」

「ウルトラ父子餅つき大作戦! ーウルトラの父 うす怪獣モチロン登場ー
ウルトラマンT』制作第39話
1973年12月28日放送(第39話)
脚本 石堂淑朗
監督 山際永三
特殊技術 山本正孝

 

ウルトラの父
身長 45m
体重 5万t
駄々をこねるモチロンを一喝!
今回はタロウの危機と言うより南夕子が困っているので地球に来たと言う感じ。
サブタイトルは「ウルトラ父子餅つき大作戦!」だが、実際にはタロウと南夕子の餅つきを満足そうに見ているだけで、餅つきはしていなかったりする。

 

月星人南夕子
月から来たモチロンが地球人に迷惑をかけている事を知って地球にやって来た。タロウの活躍をいつも月から見ていたらしい。モチロンには「姐さん」と呼ばれている。
ピアノを弾きながら月から降り立つ。一般人には見えないらしい。空を飛ぶ、瞬間移動する、巨大化するともはや何でもあり。

 

うす怪獣モチロン
身長 58m
体重 4万t
月出身だが地球人の「月では兎が餅をついている」と言う思いが具現化したものなので、南夕子が言うには半分は月で半分は地球の怪獣との事。レーダーに宇宙怪獣として感知されなかったのは地球と月の元素が同じと言う以上にこの部分が大きく関わっているように思える。
地球の本当の餅を食べたくなって、飛行船にぶら下がって地球にやって来た。そして地球の、いや日本の餅はやはり柔らかくて美味いと言う事を知り、特に美味しい新潟の米で作られた餅を食べるべく新潟に向かおうとする。
口から炎を吐く。両手両足を臼の中に引っ込めて転がる。年中餅ばかり食べているので力持ち。
タロウと力比べをして負けると「さぁ殺せ! しかし、オイラが死ぬと月の黒い部分が消えて、お月見も出来なくなってしまうぞ!」と往生際の悪さを見せた。最後はウルトラの父の一喝を受け、自分が臼になって食べた分の餅をつく羽目になり、その後、ウルトラの父と南夕子によって月に帰された。
名前の由来はもちろん「餅」からであろう。

 

物語
もうすぐお正月。と言う事で今回はお正月に食べるお餅のお話。
餅つきをしていると子供が「怪獣がお餅を食べに来るかも」と冗談を言う。
そうしたら本当に怪獣がお餅を食べにやって来た!

 

感想
ある意味、『T』で最も有名な話。
今回登場したモチロンはウルトラ怪獣に一つの革命を起こしたと言える存在。
ウルトラファンの中にはモチロンの存在は絶対に許せないと言う人もいるだろうし、正直言うと、自分も書籍で初めてモチロンを見た時は「何じゃこりゃ!?」であった。
しかし、自分が初めてウルトラシリーズを『Q』から順番通りに見ていった時、途中から怪獣に飽きが生じ始めたのだが、そんな時、今まで自分が持っていた怪獣の概念を吹き飛ばしてしまったのがモチロンであった。
モチロンが登場した後、『T』の怪獣はモチロンをベースとしたトンデモ怪獣が増えていった。それらを許せないウルトラファンの気持ちは分かるが、自分は「今回の怪獣は何をしでかしてくれるのだろうか?」と言う妙な期待を抱いて見るようになった。
今までの怪獣は既に書籍等で生態や物語展開があらかた分かっているものばかりだった(それでも面白かった怪獣や話はたくさんあった)が、モチロン以降の『T』怪獣は書籍等に書かれている以上の事を劇中でしでかしてくれて、それが怪獣に飽きが生じ始めていた自分にはたまらない刺激となった。

 

「もうすぐ正月だが、クリスマスも祝えなかった子供はどうするのかな?」と神妙な面持ちで呟く光太郎。やはり前回の「ウルトラのクリスマスツリー」の話は光太郎の心に重くのしかかったようだ。

 

はこべ園での餅つきはたった一発で腰を痛めてしまった園長先生が笑えた。
餅つきを見ている子供達は本当にお餅を食べたそうな顔をしていた。モチロンがやって来てもお餅を食べようとする子供達が可愛い。

 

ゴルフボールを餅と間違えて食べてしまうモチロン。あれだけ餅に執着していながら間違えるとは……。
トラックの運転手が転がるモチロンの下敷きになったような場面があるが、モチロンと地面の間に隙間があったので助かったと思いたいところ。
モチロンを見失ってしまうZAT。あんな巨体をどうやったら見失うのだろうか?

 

南夕子は「タロウさん。私、前のエースと一緒に働いていた夕子です」と自己紹介している。やはり南夕子とエースは別人格であった。
せっかく南夕子が再登場するのなら、今回はウルトラの父ではなくてエース=北斗星司に登場してほしかった。

 

今回は軽妙なBGMが話の雰囲気にマッチしていた。
怪獣出現の場面で戦争の写真が、事件解決の場面で赤ちゃんの笑顔の写真が挿入されるのは言いたい事は何となく分かるのだが今回の話には無くても良かったような気もする。

 

「これ、モチロン! いい加減にして月に帰れ。新潟にまで行って餅を食うなど、とんでもない話だ!」、
「だ、だけんど……」、
「黙れ黙れ、帰るのだ! それと帰る前に、お前が盗んだ分の餅を返すのだ!」、
「そんな無理言っても、食べちまったもんはしょうがないでしょう。どうすんの?」、
「だから、お前が臼になり餅をつくのだ!」、
「うへ!? やれやれ……。地球に来てまで餅つかなくちゃならないなんて、全く……」。
ウルトラの父とモチロンの会話だが、改めて見ると凄いやりとり。その後のタロウと南夕子とモチロンの餅つきの場面もかなりシュール。