帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」

ウルトラ兄弟を超えてゆけ! ーウルトラの父 ウルトラの母 ウルトラ5兄弟 35大怪獣宇宙人登場ー
ウルトラマンT』制作第40話
1974年1月4日放送(第40話)
脚本 田口成光
監督 山際永三
特殊技術 山本正孝

 

ウルトラの母
身長 40m
体重 3万2千t
タロウとタイラントの戦いを見守っていた。

 

ウルトラの父
身長 45m
体重 5万t
本編での登場は無く、『A』のエピソード紹介で登場。

 

ウルトラ兄弟
ゾフィ
身長 45m
体重 4万5千t
海王星をパトロールしていたところでタイラントの誕生を知る。ウルトラ兄弟の中で一番最初にタイラントと戦うが、腕を折られてウルトラサインを出す事も出来ずに敗れてしまった。

初代マン
身長 40m
体重 3万5千t
天王星で休憩していたタイラントと戦うが敗れ、ウルトラサインを出すもタイラントに消されてしまった。
何故か劇中では「身長53m」と紹介されている。

 

セブン
身長 40m
体重 3万5千t
土星タイラントと戦うが敗れてしまう。タイラントが去った後にウルトラサインを出したが地球にいる光太郎が気付く前に時間切れで消えてしまった。

 

新マン
身長 40m
体重 3万5千t
木星タイラントと戦うがウルトラキックもスペシウム光線も効かず敗れてしまい、ウルトラサインを出すもタイラントに消されてしまった。
ナレーションは「帰ってきたウルトラマン」又は「新マン」と呼び、ZATは「ウルトラマン」と呼んでいた。

 

エース
身長 40m
体重 4万5千t
火星でタイラントと戦うがメタリウム光線が効かず敗れてしまう。タイラントが去った後にウルトラサインを出して、ようやく地球にいる光太郎に伝わった。

 

暴君怪獣タイラント
身長 62m
体重 5万7千t
海王星で誕生した大宇宙の凶悪暴君怪獣。かつてウルトラ兄弟に倒された怪獣、宇宙人、超獣が合体している。ナレーションでは頭はシーゴラス、両腕はバラバ、胴はベムスターと紹介されている。その他に耳がイカルス星人、背中がハンザギラン、両足がレッドキング、尻尾がキングクラブとなっているらしい。
ウルトラサインを消す事が出来る。土星から地球までわずか20分で移動する。様々な能力で海王星から火星まででウルトラ兄弟を5人抜きした強豪。
地球でタロウと戦うがウルトラランスで倒された。
名前を直訳すると「暴君」となる。

 

34大怪獣
『初代マン』から『A』までのエピソード紹介で登場した。
肩書きが変更されているものがいる。
初代マンとバルタン星人(2代目)が戦った話の放送日が初代バルタン星人が登場した話の放送日になっていたり、マグラーがクレジットされているのに登場していなかったり、恐竜戦車の呼び方が「きょうりゅタンク」ではなくて「きょうりゅうせんしゃ」になっていたり、シーモンスとシーゴラスの肩書きが入れ替わっていたりとミスもある。

冷血怪獣ベムラー
宇宙忍者バルタン
有翼怪獣チャンドラー
どくろ怪獣レッドキング
マグマ怪獣マグラー
珍獣ピグモン
悪質宇宙人メフィラス
亡霊怪獣シーボーズ
宇宙恐竜ゼットン

電撃怪獣エレキング
侵略宇宙人メトロン
宇宙鳥人アイロス
宇宙ロボット・キングジョー
星獣ギエロン
恐竜戦車
分身宇宙人ガッツ

地底怪獣キングザウルス3世
肉食大怪獣グドン
古代怪獣ツインテール
龍巻怪獣シーモンス
津波怪獣シーゴラス
宇宙大怪獣ベムスター
マンション怪獣キングストロン
囮怪獣プルーマ
戦略宇宙人ナックル
用心棒怪獣ブラックキング

ミサイル超獣ベロクロン
古代超獣カメレキング
変身超獣ブロッケン
毒蛾超獣ドラゴリー
殺し屋超獣バラバ
異次元超人エースキラー
投影超獣人ヒッポリト
元凶異次元人ヤプール

 

物語
海王星でかつてウルトラ兄弟に倒された怪獣、宇宙人、超獣が合体した最強怪獣タイラントが誕生する。
タイラントは各惑星でウルトラ兄弟を倒しながら地球に向かう!

 

感想
お正月スペシャルとして放送されたウルトラシリーズの総集編。ところどころミスはあるが懐かしい戦いが見られて感激。ちゃんと各作品の主題歌がかけられているのも嬉しい。でも予告で「タイラント率いる35匹の大怪獣」と言っていながら実際は過去の映像を使った総集編だったと言うのは予告詐欺っぽい。

 

様々な怪獣、宇宙人、超獣が合体した存在でウルトラ兄弟を5人抜きしたと言うタイラントの設定は盛り上がる。それだけに1話のみの登場は勿体なかった。
それにしても全く関係の無い怪獣達を合体させていながら全体的にまとまったデザインになっているのが凄い。

 

どうして怪獣達が合体してタイラントが誕生したのかは不明。ひょっとしたら、怪獣軍団、特にヤプールの怨念が関わっているのかもしれない。(ヤプールは『A』の「明日のエースは君だ!」で合体超獣のジャンボキングを生み出している)

 

タイラントに次々と敗北していったウルトラ兄弟達。タイラント自身の強さもあると思うが戦っている場所も悪かったと思う。ウルトラ兄弟が戦った惑星の殆どが氷と吹雪が支配する極寒の惑星だったので、寒さに弱いウルトラ兄弟は満足に戦えなかったと考えられる。
寒くない惑星で戦ったのはエースだけであったが、もしタイラントの誕生にヤプールの怨念が関わっていたのだとすると、タイラントはエースとの戦いでは他のウルトラ兄弟との戦い以上に怨念による力を発揮していたのかもしれない。
最後にタロウが勝てた理由だが、いかにタイラントでもウルトラ兄弟を相手に5連戦をすればエネルギーを消耗していたのではないだろうか。そう考えると、ウルトラ兄弟達の敗北は無駄ではなく、タロウの勝利に繋がっていたと言える。

 

ウルトラ兄弟を倒したタイラントをタロウが倒したと言う事はタロウがウルトラ兄弟を超えた、もうウルトラ兄弟に頼らなくても良くなった事を示しているとも言える。
自分は上でタイラントが連戦を経て弱くなったと言う説を出したが、それとは逆にウルトラ兄弟の末っ子で経験が少なかった為に最強クラスの潜在能力を活かせていなかったタロウが経験を積んで成長した事でウルトラ兄弟最強となってタイラントを倒す事が出来たと考える事も出来る。

 

今回の話は怪獣と人間のドラマが分離していると批判される事があるが、遠い宇宙での死闘と平和な日常を交互に映す事で、平和な地球がこれから大決戦の舞台になる事が予感されるし、自転車に乗れないタケシ少年の苦闘はタイラント相手に苦戦を強いられるウルトラ兄弟を連想させられる。ウルトラ兄弟は顔がマスクで苦しいと言う感情を表現するのが難しいのでそれをタケシを使って表現していたと考えられる。(実際、光太郎は自分とタイラントの戦いとタケシが自転車に乗る事を同列に語っている)

 

出来れば今回の話は前後編にして、タロウがタイラントに敗北して光太郎がタイラントに恐怖を抱くも、タケシが勇気を出して自転車への恐怖を克服する姿を見て、光太郎も再び勇気を出してタイラントへの恐怖を克服して勝利を収めると言う展開にしてほしかったかな。

 

戦闘時間が短いのが少し残念だけれど、タロウとタイラントの決戦に流れるBGMは格好良かった。

 

最後に一つ気になった点を。
巨大な敵との戦いを表していたのだと思うのだが、タケシが乗る自転車は大きすぎやしないだろうか? 自転車は自分に合った物を選ぶべきだと思う。

 

今回の話は山本監督の『T』監督最終作となっている。

 

 

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