「母の願い 真冬の桜吹雪! ーらくがき怪獣ゴンゴロス登場ー」
『ウルトラマンT』制作第41話
1974年1月11日放送(第41話)
脚本 阿井文瓶
監督 深沢清澄
特殊技術 高橋勝
落書き怪獣ゴンゴロス
身長 0~47m
体重 0~1万t
大爆発を起こした大熊座の小宇宙M81からやって来た。
染みとして壁の中に潜み、正博少年がその染みを元に怪獣の絵を描いてゴンゴロスと言う名前を付けると、太陽エネルギーを吸収して実体化した。
ZATの攻撃が全く通用しない。口から炎を吐き、オナラを武器とする。意外と身軽。何故かバルーンを食べる。
タロウに本体である核を発見され、絵の部分をウルトラシャワーで濡らされて落書きを消す要領で消されると、本体の核もストリウム光線で破壊された。
物語
いつも塀に落書きをしていた正博少年は不思議な染みを発見する。
その染みに沿って絵を描くと怪獣ゴンゴロスの絵が完成した。
感想
母親を元気付けようと少年が頑張る話。
最初は今にも死んでしまいそうな母親と枯れた花が重ねられ、次に正博少年が描いた桜並木を見て母親は少し元気を取り戻し、最後にタロウがプレゼントした本物の桜の匂いを嗅いだ母親の顔には笑顔が戻っていた。
今回は絵の話で、ゴンゴロス、タロウ、桜と絵に描いた物は全て実体化している。光太郎がタロウの絵の前で変身するのが良い。
正博は絵が下手だったが桜とタロウは上手く描けていた。おそらくこれは自分の為ではなくて母親の為に描いたからであろう。
ママギラスこと塀の家のおばさんは劇中では憎まれ役になっているが、本当は塀に落書きをする方が悪いわけで、それを注意したら「怪獣だ!」「ババアだ!」と言われたら怒るに決まっている。それに落書き全てを否定しているのではなくて桜並木と言った綺麗な絵には文句を言っていなかったわけだし。
正博が描いたタロウの絵の前で変身する光太郎。
「やっぱり来てくれたんだね!」と言う正博の言葉に頷くタロウ。
最後に本物の桜をプレゼントするのもタロウらしい。
ゴンゴロスは本体の核を中心に正博の落書きで構成されているので、落書きのように消す事が出来るのだが、この時の合成がかなり上手い。
ゴンゴロスの本体の核が破壊された後、辺りに花びらが散る。この頃の『T』は色んなものが降っているなぁ。
「絵に描いた怪獣が実体化する」と言う点が『初代マン』の「恐怖の宇宙線」と同じなので何かと比較される話だが、実際に見るとドラマ部分ではあまり共通部分は無い。