帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「必殺! 怪獣仕掛人」

「必殺! 怪獣仕掛人 ー暴れん坊怪獣ベキラ登場ー
ウルトラマンレオ』制作第8話
1974年5月31日放送(第8話)
脚本 阿井文瓶
監督 外山徹
特撮監督 矢島信男

 

暴れん坊怪獣ベキラ
身長 59m
体重 3万t
東京を突如襲った怪獣。口から火花を吐き、尻尾で街を破壊していく。背中が弱点。
レオのエネルギー光球を受けた後、三角飛びを織り交ぜたレオキックで倒された。

 

物語
ゲンのスタンドプレーにMACの間にギスギスとした空気が流れ始める。
そして怪獣ベキラとの戦いにおけるゲンと青島隊員の意見の違いがそれを一気に表面化させてしまう。

 

感想
青島隊員が活躍する話。今回の青島隊員は全体の指揮を執っていたりと黒田隊員みたいであった。ダン隊長が青島隊員と黒田隊員を言い間違えているところを見ると当初は黒田隊員の話だったのかもしれない。
因みに黒田隊員は今回の話で退場となっているので、それなら最後に活躍させてあげてればと思ってしまう。それとも黒田隊員が退場するので、急遽、青島隊員に変更されたのかな?

 

「一人の不注意者の為に、みすみす大きな犠牲が出るのを黙って見ているわけにはいかん!」と青島隊員は避難し遅れた大村さんを見殺しにしてベキラを倒そうとする。ちょっと酷いなぁとも思うが、大村さんが避難し遅れた理由がパチンコに夢中になっていたではなぁ……。
青島隊員はベキラとの再戦時にMACの全滅を防ごうと一人でベキラに特攻をかけているので、「一人が犠牲になっても多くの人が助かれば良い」と言う考えの持ち主である事が分かる。

 

ゲンはスタンドプレーが目立つと非難を浴びせる隊員達。確かにゲンは単独行動が多いのだが、その殆どがダン隊長の命令なんだよな……。

 

一週間の謹慎を下されたゲンは「僕がいない間に、もし怪獣が出たらどうするんですか?」と詰め寄るが、ダン隊長に「自分がいなければMACは何も出来んと言うのか? 思い上がるな! その考えが他の隊員の神経に障っているのが分からんのか!」と怒鳴られてしまう。
確かにレオがいなければMACは怪獣を倒す事が出来ない。それが知らず知らずのうちに「MACは自分のフォロー役」と言う認識をゲンに抱かせてしまったのかもしれない。

 

自分を訪ねて来たゲンを見て十貫坊はまた厄介事を持ち込んだなと呟く。どうやら過去にもダン隊長は十貫坊にお世話になったらしい。その時はどのような厄介事だったのだろう?

 

十貫坊がゲンに教えたのは単なるベキラ対策だけではなくて他人との付き合い方だったのかもしれない。
どんなに頼み込んでも十貫坊が取り合ってくれなかったので、ゲンは十貫坊をよく観察して、その真意を理解しようとした。
他人と付き合う時に常に他人を自分に合わせようとすると必ず軋轢が生じてしまう。時には他人に自分を合わせる事が必要なのだ。

 

「友情やチームワークの為に戦っているのではありません! 戦っている間に自然に湧いてくるのが友情やチームワークですよ!」。
『レオ』のお約束であるダン隊長とゲンの意見の対立。今回は友情やチームワークの事も考えろと諭すダン隊長に対し、ゲンは馴れ合いの友情やチームワークに何の価値があるのかと反論している。
ベキラとの最初の戦いでは対立したゲンと青島隊員だが、ベキラとの再戦時ではゲンは青島隊員の危機の駆けつけ、青島隊員は「おおとり、俺も命令違反しちまったよ……」と言って自分のマックガンをゲンに手渡している。ゲンが「戦っている間に自然に湧いてくるのが友情やチームワークですよ!」と言ったように、この時のゲンと青島隊員の間には友情が芽生えたと言える。もっとも、この後も二人は対立を繰り返すのだが……。
それにしても青島隊員は今回も絶体絶命の危機に陥りながら無事に生還。タフと言うより運が良いと言える。

 

MACの厳重な警戒網を突破した」と言う油断ならない怪獣ベキラ。MACの警戒網は毎回突破されている気もするが……。
ベキラの目的は不明だったが、この際、背後関係が語られていない怪獣は全てマグマ星人からの刺客と考えた方が良いのかな?

 

レオ初の光線技であるエネルギー光球が登場。光線と言うより体内の気を放ったと言う感じ。
意外かもしれないが、レオキックで敵を倒したのは今回が初めてだったりする。

 

今回のサブタイトルの元ネタは1972年に放送開始された『必殺仕掛人』かな。それならベキラの肩書きである「暴れん坊怪獣」は『暴れん坊将軍』が元ネタかと思ったが、こちらは1978年放送開始であった。

 

 

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