帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「かなしみのさすらい怪獣」

「かなしみのさすらい怪獣 ーさすらい怪獣ロン登場ー
ウルトラマンレオ』制作第10話
1974年6月14日放送(第10話)
脚本 阿井文瓶
監督 深沢清澄
特撮監督 高野宏一

 

さすらい怪獣ロン
身長 57m
体重 3万t
大流星に乗って地球に侵入した。口や尻尾から炎を吐く。その後、目や尻尾から光線も発するようになる。
実は元はL77星の生き物でレオとは大の仲良しのペットだった。L77星にいた時は大人し生き物だったが、L77星滅亡の再、生き残って宇宙を放浪する事になり、よほど苦労したのか傷だらけになって心も荒んでいた。
MACの攻撃を受けた後、地底の火山脈に潜り地底のエネルギーを吸収してパワーアップした。
レオの事は覚えていたらしいが降伏する振りをして騙し討ちをしてしまう。最後は反省したらしく昔のように小さくされた。その後、ゲンはカオルちゃんに「ロン」と言う名前の犬を贈っている。
名前の由来は「ロンリー(孤独)」かな。

 

物語
MACは宇宙から来た怪獣を攻撃するが、ゲンは怪獣の顔を見た瞬間に攻撃出来なくなってしまう。
怪獣の名前はロン。L77星でレオとは大の仲良しのペットであった。
しかし、一方は悪人として、もう一方はその悪人を倒す者として両者は再会したのであった。

 

感想
特訓が無い初めての回であるがドラマの雰囲気は初期の『レオ』らしい話。

 

今回の話でまだ平和だった頃のL77星の姿が見られる。と言っても辺り一面砂漠であったが……。

 

ロンを撃つ事が出来なかったゲンはダン隊長に向かって「故郷を失った悲しみは誰にも分かりっこありません」と言い、「一歩間違っていたら、お前もああなっていたと言うのか?」と言うダン隊長の問いに「ゆっくり休める場所も無い。帰っていく家も無い。親兄弟もいないんですよ……」と答えている。
もしゲンが地球と言う第二の故郷を手に入れていなかったら、レオも心が荒んで宇宙の破壊者になっていた可能性があった。ロンはレオが歩んだかもしれないもう一つの道だったのだ。

 

親に甘える子供に嫉妬するカオルちゃんトオルが取り上げられる事が多いがカオルちゃんの心にも闇があったんだな……。
そんなカオルちゃんをゲンは叱る事が出来なかったが、百子さんはしっかりと叱った。
「寂しいからと言って、悲しいからと言って、何をしても良いなんてないわ。甘えてちゃいけないのよ。そんなの同情にもならないわ。まして本当の愛情があったら絶対に知らん顔なんて出来ないはずよ」。
百子さんのこの台詞は今回の話だけでなく『レオ』全体に当てはまる言葉と言える。ウルトラシリーズに限らず色々な作品で不幸な生い立ちの人間が犯罪を犯してしまう話があるが、そういう話を見る度にこの言葉を思い出す。

 

宇宙に帰れと言うレオに向かってロンは謝る。
レオの脳裏にL77星での幸せだった日々が思い出されるが、なんとロンはその隙にレオを騙し討ちしてしまう。
幸せだった思い出が壊された感じがして、見ていて衝撃が走った場面だった。

 

今度こそ反省したロンをレオは縮小光線で小さくする。『レオ』らしくない都合の良い光線ではあるが、本来のロンはもっと小さい生き物だったので、レオが放った光線はロンが元の大きさに戻る手助けをするものだったのかもしれない。
最後にカオルちゃんに贈られた犬が怪獣ロンなのかは明言されていないが自分は怪獣ロンだったと思いたい。そう考えると、レオが放った光線は縮小光線ではなくて犬への変身光線だった可能性がある。L77星人レオが地球人ゲンに変身しているので、L77星の生き物である怪獣ロンもレオの手助けがあれば地球の犬に変身する事が出来るのではないだろうか。
もしそうなら、改心したロンがレオを助ける為に犬から怪獣形態に変身して戦うと言う話も見てみたかったな。

 

ゲンはカオルちゃんに犬のロンを預けると、怪獣の名前なんか付けない方が良いんじゃと言う百子さんの疑問に「でも本当は良い奴なんだ」と答える。
第二の故郷で新しい家族を手に入れ、かつてのペットとも再会したゲン。今のゲンは幸せそのものと言える。それは今回の話のラストシーンが物語っているが、このラストシーンは後に……。

 

今回のMAC
冒頭でゲンと青島隊員が一緒にマッキーに乗っているが、この二人が一緒にいるとかならず何かが起きる。案の定、出現した怪獣がかつての自分のペットだったロンだったのでゲンは攻撃を躊躇してしまい、青島隊員は「もうこいつと戦うのは嫌です!」とまで言う事になる。百子さんの「寂しいからと言って……」の台詞を考えると、青島隊員が怒るのもゲンの事を思ってと考える事は出来るが……。
ところで平山隊員が副隊長格なのに青島隊員の方が指示を出すのはどうしてだろう?

 

白川隊員はあまり現場に出ないが桃井隊員は結構現場に出ている。

 

ロンが地底にいる事は分かっているのに、どうして地底戦車マックモールを使わなかったのだろう?

 

今回は第1話以来の『星空のバラード』が聴ける。
『レオ』の雰囲気に合った名曲で、当時のウルトラシリーズにエンディング曲が設けられていたら『レオ』は絶対にこの歌だっただろう。

 

今回の話は1979年7月に『ウルトラマン 怪獣大決戦』と同時上映で劇場公開された。