帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「さようならかぐや姫」

日本名作民話シリーズ! さようならかぐや姫 竹取り物語より ー月光怪獣キララ登場ー
ウルトラマンレオ』制作第32話
1974年11月15日放送(第32話)
脚本 石堂淑朗
監督 中川信夫
特撮監督 矢島信男

 

月光怪獣キララ
身長 53m
体重 3万t
月族の一員で、十五夜に月族の王女である弥生を迎えに来た。
キララが言うには弥生の命を狙う悪い奴らと15年間戦い続けて遂に勝利を収めたので、地球に避難させていた弥生を迎えに来たとの事。
半年ほど前から弥生にテレパシーを送っていたが真意がイマイチ伝わらずレオやMACと戦う事になる。
腹部からの発光で天変地異を起こしたり、口から火花を吐いたりする。丸まって回転攻撃もする。怒ると頭部の火山口から蒸気を噴射する。
ウルトラマントで攻撃を封じられ、月が見えなくなって弱まるが、最後はレオに倒されずに弥生と一緒に月に帰っていった。

 

月族弥生
身長 152cm
体重 43kg
月の中心に住む月族の王女。
15年前、命を狙う悪い奴らから身を守る為、赤子のまま地球に避難させられた。
本人に月族と言う自覚は無く、月からの迎えを頑なに拒絶するが、レオとキララとの戦いの間に運命には逆らえないと思ったのか、月への帰還を決意する。
キララの目からの光線で胸の三日月状のペンダントが壊されると地球人としての意識は無くなり、完全に月族として月に帰還した。
名前の由来は3月の和風月名である「弥生」かな

 

物語
最近になって、満月を見る度に落ち込む弥生。彼女は「月から迎えに行く」と自分に告げる声が聞こえるのだと語る。
MACは弥生を月から守ろうとするが、そこに月からの使者キララがやって来る。

 

感想
今回は『竹取り物語』がモデル。
円谷英二監督は『かぐや姫』の企画を構想していたが実現には至らなかった。今回の話はその夢がウルトラシリーズで実現した形となった。

 

「月には生き物がいないんだよ」と言うゲン。おい! 南夕子達月星人は?
月星人と月族の関係は劇中で描かれていないが自分なりに解釈してみた。
地球にも人間以外に地底人やら海底人やらがいるので、月にも月星人と月族の2種類の種族がいてもおかしくはない。
キララの説明から月星人は月の表面に、月族は月の中心に住んでいたと考えられる。
ルナチクスにマグマエネルギーを吸収されて月が死の星になってしまったので、月星人は冥王星に移住し、月族は月の中心で細々と暮らす事になった。
その後、月を地球侵略の前線基地にしようとする侵略者が襲来して月族との戦闘が勃発。激しい戦闘の中、月族の王女だった弥生は地球に避難させられた。
一方、地球人も月基地を建設したりしていたが、まだ月の調査は十分に進んでおらず、月族の存在を知るには至らなかった。
そんな中、月星人の南夕子がルナチクスを倒し、月星人達は月再建の為に月に帰還。
同じ月で生まれ育ったものとして月星人と月族は協力して侵略者と戦い勝利を治める。
侵略者がいなくなったので弥生は月に帰還させられたと言うところだろうか。
ゲンが月には生き物がいないと言ったのは単に南夕子の事を知らなかったからだと思われる。
月の表面は死の砂漠になっているので、今の月星人は月族と一緒に月の中心に住んでいるのかもしれない。今の地球には月の中心まで調査する技術がまだ無いのだろう。

 

『竹取り物語』を生まれた場所と育った場所のどちらを選ぶのかと言うテーマで捉えた今回の話。しかし、育ての親である中島家の描写に比べて生みの親である月族の描写が少なかったので、弥生が育った場所の地球から生まれた場所の月へと連れ去られた感じになってしまったのは否めない。
又、ここで一番大切なのは弥生の意思なのだが、弥生が育ての親より生みの親を選んだ理由が分かり難く、三日月状のペンダントが壊されたので心を月に持っていかれたと言う展開は強引すぎて残念。ここは弥生自身の意思で月に帰還してほしかった。

 

弥生は城南スポーツクラブの所属。よく事件と関わるクラブだ。

 

弥生を月から守ろうとする場面でMAC以外に防衛軍も登場している。

 

佐藤隊員の「大丈夫! レオは必ず勝つよ!」と言う台詞が印象に残った。

 

今回の話と次回の「レオ兄弟対宇宙悪霊星人」は「怪談映画の巨匠」と呼ばれる中川信夫さんが監督をしている。

 

 

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