「決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟 ーゾフィ ウルトラマン 帰ってきたウルトラマン ウルトラマンエース アストラ登場ー」
『ウルトラマンレオ』制作第38話
1974年12月27日放送(第38話)
脚本 若槻文三
監督 東条昭平
特撮監督 矢島信男
ウルトラ兄弟
ゾフィ
身長 45m
体重 4万5千t
ウルトラ兄弟を率いてアストラからウルトラキーを奪い返そうとする。
レオに抵抗しないよう警告するが……。
初代マン
身長 40m
体重 3万5千t
ウルトラキーを盗んだ犯人がアストラだと知って驚くが、ババルウ星人の仕業だと言う他のウルトラ兄弟に向かってウルトラキーを盗んだのはアストラだと告げ、アストラを庇うレオに向かって「俺達はアストラを殺す!」と衝撃の宣告を行った。
新マン
身長 40m
体重 3万5千t
他のウルトラ兄弟と一緒にアストラからウルトラキーを奪い返そうとする。
エース
身長 40m
体重 4万5千t
アストラの裏切りに激怒し、「ウルトラの兄弟達。裏切り者アストラを倒し、ウルトラキーを奪い返すのだ!」と叫ぶ。
アストラを庇うレオにレオキックをかけられるが何とかかわした。
アストラ
身長 50m
体重 4万9千t
ウルトラタワーを倒して正義の炎を消すと、ウルトラ兄弟の注意がウルトラタワーに向いている隙に地下のコントロールルームにあるウルトラキーを盗む。ウルトラキーを使ってウルトラの星の軌道を狂わして地球と衝突する危険を生み出した。
レオの問い詰めにも答えず、その行動の真意は不明。両親を人質にでも取られているのか? それとも……?
ウルトラの父
身長 45m
体重 5万t
セブンの回想シーンに登場。
悪魔の星デモス一等星がウルトラの星を攻撃してきた時にウルトラキーを武器として使い、デモス一等星を粉々に吹き消してしまった。
物語
ウルトラの星からウルトラキーが盗まれた。
軌道が狂ったウルトラの星は太陽系に侵入して地球と衝突する危険が生まれる。
ウルトラ兄弟が追ってきた犯人の正体はなんとアストラだった!
感想
久々に登場したウルトラの星だが、自然が失われた荒涼とした星でなんか寂しい。さらに全てのエネルギーをコントロールするウルトラキーが盗まれた為にウルトラの星は地割れが起き、施設が壊れ、光を失った死の星になってしまった。
今回のウルトラ兄弟が地下から出撃したが、ウルトラの星では多くの施設は地下に建設されているのかな。
ウルトラキーが盗まれて軌道が狂ったウルトラの星は地球と衝突の危機に陥る。
300万光年離れている星が衝突するのは凄い偶然なので、ウルトラキーを持ったアストラがウルトラの星と地球が衝突するように仕向けたと考えられる。
ウルトラキーは武器として使う事も出来て、なんと小さな星一つを消滅させる破壊力を秘めていた。なんだかウルトラの星も物騒になってきたなぁ……。
セブンは子供の時にウルトラの父がウルトラキーを武器として使ったところを見たと言っている。『T』の「燃えろ! ウルトラ6兄弟」で語られていたエンペラ星人率いる怪獣軍団との戦いの事だろうか?
「アストラがウルトラキーを盗んだ。レオ兄弟に悪魔の心が乗り移ったに違いない。レオを見張れ!」と言うウルトラ兄弟からセブンへのウルトラサイン。
ゲンはウルトラサインが見えるらしいが、その意味までは分からないようだ。
それにしてもウルトラ兄弟はアストラが何故こういう行動を起こしたのか、もっと事情を考えてほしかった。特に新マンは「ウルトラ兄弟永遠の誓い」でレオと一度会っているので、もう少しレオの事を信じてほしかった。
一方のセブンはさすがにレオの事を信じていて、レオを見張らず、レオにアストラの疑いを晴らさせようとした。
因みに、ここでの2人の会話は「ダン隊長」と「ゲン」ではなく「セブン」と「レオ」になっている。
レオがいくら呼びかけてもアストラはやって来ない。
考えてみれば、レオはアストラが普段どこで何をしているのか分からなかった。
万が一に備えて、いつもはどこにいるのかぐらいは聞いておくべきだったかも。
ウルトラの星の接近により地球始まって以来の天変地異が次々と起こる。
各種レーダーの異常から津波、地震、噴火、地割れ、島の沈没。殆どが流用映像だが、やはり迫力がある。
今回は世界各地と百子さんの部屋を使って天変地異による被害を描写している。
地球各地で次々と起こる天変地異とウルトラ兄弟からの再度のウルトラサインにより、セブンは遂にウルトラ念力でアストラの動きを止めている間にウルトラキーを奪い返すと言う強硬手段に出る。
しかし、ウルトラ念力に苦しむアストラの姿を見て戦えないレオ。
遂にダン隊長対ゲン、ウルトラ兄弟対アストラの戦いが始まった!
最初はゲンに勝ったダン隊長。やっぱり強い。
しかし、苦しむアストラの声に立ち上がったゲンは遂にダン隊長を倒す。今までの特訓がこんな形で成果を挙げようとは……。
一方のウルトラ兄弟もウルトラキーを気にして思うようにアストラと戦えなかった。
レオの問い詰めに答えないアストラ。
レオはウルトラ兄弟に待ってくれと頼むがそんな時間はもはや無く、遂にウルトラ兄弟は「アストラを殺す!」と宣告。一方のレオも「命に代えても弟アストラを守る!」と答え、遂にウルトラ兄弟とレオ兄弟、銀と赤の巨人の死闘が始まった!
そしてレオが必殺のレオキックを放ち、ウルトラ兄弟も初代マンと新マンのスペシウム光線とエースのメタリウム光線を同時に発射! アストラを庇ったレオが光線の直撃を受けてしまう!
今回はウルトラマン同士が戦うと言う前代未聞の展開で、その上、「レオ! 俺達はアストラを殺す!」と言うヒーローとしては掟破りな台詞まで飛び出している。この台詞をよりにもよって初代マンに言わせたのが凄い。
他にもエースに「裏切り者アストラを倒す」と言わせる等、ウルトラマンのヒーローとしての側面をかなり厳しく突いた内容となっている。
「悪魔の星となったウルトラの星が刻々と地球に接近する! 地球最後の日が迫る……」。
ウルトラの星と地球との衝突まであと7日。衝突予定日は1975年の1月3日。
と言う事で次回「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」に続きます。