帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「レオが危ない! 暗殺者は円盤生物」

恐怖の円盤生物シリーズ! レオが危ない! 暗殺者は円盤生物 ー円盤生物アブソーバ デモス登場ー
ウルトラマンレオ』制作第42話
1975年1月24日放送(第42話)
脚本 阿井文瓶
監督 前田勲
特撮監督 吉村義之

 

円盤生物アブソーバ
全長 15cm~70m
体重 0.9kg~1万t
ブラックスターからやって来た地球侵略3番手。
円盤形態で地球に侵入して赤い怪光と共に付近一帯に地震を起こした。何故か夜は活動しない。その後、小型化しているところを秀行少年に保護され、秀行少年の小屋を中心に巨大化して街を破壊し、出撃した防衛軍も返り討ちにする。
長い触手でエネルギーを吸収し、ミサイル、火炎、光線を撃つ。有害な青いガスも吐く。
レオキックを受けても倒れなかったが同じ部分をタイマーショットで再び攻撃されて倒された。
名前の由来は「アブソーブ(吸収)」かな。

 

物語
円盤生物襲来を感じて調査を始めたゲンとトオルは小屋で動物の看護をしている秀行と言う少年と出会う。
秀行はアブソーバを宇宙生物と知りつつ、ゲンとトオルから匿っていた。

 

感想
円盤生物の襲来を感じたトオルは「レオを殺すまで円盤生物は何度でも襲って来るんだ!」と言っている。別に深い意味は無かったのだろうが、トオルのこの言葉にゲンは少し複雑な顔をする。(もっとも、この頃の円盤生物はさほどレオを狙ってはいなかったが……)
又、トオルは「おおとりさん。行こう! あいつらは僕達の仇なんだ! レオに協力してやっつけるんだ!」と円盤生物への復讐心を露わにしている。そんなトオルにかつての自分を見たのか、前回の「悪魔の惑星から円盤生物が来た!」では円盤生物に近付くのは危険だと言っていたゲンが今回はトオルを連れて円盤生物捜索に向かっている。(この時、2人は懐かしのMACシーバーを使っている)
因みに、と言うか当然だが、咲子さんといずみは2人が円盤生物を捜索するのは危険だと反対している。

 

ゲンとトオルは円盤生物は小型化しているかも、すぐには動き出さないだろうと話している。一般的に円盤生物が小型化しているのは計画を静かに進める為と言われているが、その他に無駄なエネルギーを消耗しない為も理由にあると思う。

 

MACが全滅したので人々の避難誘導は警察が行っている。
防衛軍が再登場。ウルトラシリーズでは珍しい戦車部隊が見られるが、あっけなく全滅してしまう。

 

水晶球に逆さまに映るブラック指令が格好良い。
今回のブラック指令は水晶球を使わず、直接アブソーバに指令を送っている。
水晶球は離れた場所を見る事も可能らしい。円盤生物の周りをずっと見ていたら、レオの正体に気付いただろうに。

 

「ここから先は僕の国だから入っちゃいけない!」と主張する秀行少年。
強いからと言って弱いものを平気で殺してはいけないとか、人間に傷付けられた動物を治す病院を作ろうと言うのは立派だが、人間不信と言うか、人間に対する接し方はかなり問題がある。助けてくれたゲンにお礼も言わないし。
もっとも、ゲンの「怪獣が暴れると、その下に人間やたくさんの生き物が潰されちゃうんだよ。それとも君の国の生き物じゃなかったら潰されちゃっても構わないのかい?」と言う説得に応じるあたり、まだ希望がある。

 

今回の秀行少年は相手が宇宙生物(円盤生物)でも他の動物と差別する事無く平等に扱っていた。しかし、トオルは円盤生物に対して仇とばかりに復讐心を剥き出しにし、秀行少年もアブソーバがスズメを殺した事で遂にゲンにアブソーバを倒してと頼む。
こうして円盤生物との和解の可能性は消え、以後、『レオ』は円盤生物を単なる敵としてのみ扱うようになる。

 

「大丈夫よ。子供は誰でもね、あんな風にいくつもの障害を乗り越えて、段々、大人になっていくものなのよ」。
身を張って守ろうとしたがアブソーバに裏切られて落ち込む秀行の後姿に投げかけられた咲子さんの台詞。この台詞は後のトオルを語る上で非常に重要な意味を持つ事になる。
今回の話はウルトラシリーズでは珍しく、ゲスト少年の心が救われない辛いラストとなった。

 

「ブラックスターよ、次だ! ウルトラマンレオを倒せる円盤生物デモスよぉー!」。

 

 

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