『ザ☆ウルトラマン』
1979年4月4日~1980年3月26日放送
「夢ではなかったんだ。俺の体の中にウルトラマンがいるんだ」
4年振りに再開された第3期ウルトラシリーズ第1弾。
初期ウルトラシリーズを見ていたファンは大人になって様々な場所でかつてのウルトラシリーズを検証・再評価するようになり、又、『コロコロコミック』に掲載された内山まもるさんの漫画『ザ・ウルトラマン』が新しい子供のファンを作り、第3次怪獣ブームが巻き起こる事となった。
当時はリバイバルブームでウルトラマンも新作が作られる事になったが、予算の関係と『宇宙戦艦ヤマト』のヒットによってアニメブームだった事を受け、『恐竜探検隊ボーンフリー』のアニメ部分を担当した日本サンライズによるウルトラシリーズ初のアニメ作品『ザ☆ウルトラマン』が制作される事となった。
アニメ作品である為、これまでの作品とは設定が一新され、過去のイメージに縛られない新しい表現や物語が展開された。一方でバルタン星人や怪獣墓場の怪獣達と言った過去の人気怪獣や宇宙人がアニメキャラクターになって登場し、逆にウルトラマンジョーニアスも実写作品の『ウルトラマン 怪獣大決戦』に特別出演した。『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』等によるSFブームの影響もあり、終盤はアニメの技法を駆使した壮大なスペースオペラが繰り広げられた。
英語の文法では「ザ☆ウルトラマン」ではなくて「ジ☆ウルトラマン」となるのが正しいのだが、当時の日本ではまだ一般的ではなかったので、「ザ☆ウルトラマン」とされたらしい。
ウルトラマンジョーニアス(伊武雅之)
身長 70m
体重 5万t
U40の戦士の中でも一番強い勇士。地球の危機を察知し、ウルトラ文字を始めとした警告を発して科学警備隊結成を促すと自ら地球に降り立った。
地球上では活動限界がある為、自分の身よりも大勢の人々を救おうとしたヒカリの体を借りた。
戦いではプラニウム光線やアストロビーム等を使用する。
地球での活動時間は4分間で、エネルギーが残り少なくなると胸のスターシンボルが青から黄色を経て赤へと変わり、赤の点滅が始まって30秒経つと二度と立ち上がれなくなる。
地球では単に「ウルトラマン」と呼ばれているが、U40では「ジョーニアス」と言う個人名を持っている。「ウルトラマンジョー」と呼ばれる事もある。
ヘラー軍団との戦いが終わった後、ヒカリに人間態の顔を見せ、平和が戻った地球を見届けてU40に帰った。
科学警備隊
地球上空に現れたウルトラ文字の調査の為に編成された地球防衛軍の新チーム。
各ゾーンに設置されていて、極東ゾーンは富士山麓にある地球防衛軍極東基地に配置されている。
スーパーマードック、ベータミー、バーディ等を装備し、後にU40の科学力で作られたウルトリアを保有するようになる。
実は結成の裏にはジョーニアスの意思が関わっていた。
ヒカリ超一郎(富山敬)
20歳。宇宙ステーションEGG3から極東ゾーンの科学警備隊に招集された。
地球に向かう途中でジョーニアスと出会い、ビームフラッシャーを額に付ける事でウルトラチェンジする。
ジョーニアスの活躍と比例して自分の存在理由に悩むようになるが、自分がジョーニアスに選ばれた理由を知って決意を新たにする。
バデル族が送り込んだ精神寄生体との戦いで一度は命を落とすが、U40で蘇生手術を受けて蘇った。
ジョーニアスの妹アミアに心惹かれていく。
ヘラー軍団との戦いが終わった後、人間態のジョーニアスと対面した。
アキヤマ徹男(森川公也)
41歳。極東ゾーンの科学警備隊初代キャップ。上層部に対しても自分の要望を押し通す芯の強さと部下を気遣う包容力を持つ。
怪獣出現が全地球規模に拡大したのを受けて、最高司令部の怪獣作戦担当に選ばれてアメリカに旅立った。
ゴンドウ大助(柴田秀勝)
極東ゾーンの科学警備隊2代目キャップ。
サングラスを愛用している。上着を羽織っている事が多く、毎回、カッコ良く脱いでいる。
豪放磊落な性格だが、気になった事は徹底的に調査しないと気が済まない性分。ごちゃごちゃと口では説明しないタイプだが、細かい心配りを忘れない。
実はお化けが苦手。意外と茶目っ気がある。
ヒカリとジョーニアスの関係に気付き、ジョーニアスを信頼する半面、依存している現状に歯痒い思いをしている。
星川ムツミ(島本須美)
18歳。医療班から極東ゾーンの科学警備隊に招集された。
女性だからと特別扱いされる事を嫌う。
ヒカリに惹かれていく中でヒカリとジョーニアスの関係に気付いていく。
マルメ敬(兼本新吾)
25歳。アキヤマキャップを慕っていて、科学警備隊設立にもついていった。
自分勝手で物事を悪い方に考える癖があるが、一方で責任感が強かったり子供に対して真正面から向き合う誠実さも持っている。
肝心な時にいつもいなくなるとヒカリを糾弾した事もあるが、窮地には率先して助けに行くなど仲間思いでもある。
ヒカリへの疑惑からヒカリとジョーニアスの関係に気付いていく。
トベ博明(二瓶正也)
24歳。極東ゾーンの科学警備隊隊員。スーパーマードックの設計を担当していた。キャップ不在時は代わりに指揮を執る。
ニシキ教授を苦手にしている。
ピグ(滝口順平)・モンキ(千葉繁)・ウルック(野沢由香里)
ピグは地球防衛軍のロボット第1号で極東ゾーンの科学警備隊情報係に選ばれた。「~ダナ」が口癖。優秀だが精神的に脆い部分がある。動物や怪獣の言葉が理解できる。ウルックにライバル意識を抱く。
モンキはピグと一緒にいる猿。
ウルックはウルトリアに配備されていたナビゲーション・ロボットで、ピグと違って情に流される事が無い。意外とキレ味鋭い。
桜田(塩見竜介)
極東ゾーンの長官。どんな緊急事態でも冷静に事態を判断する。
宮井(上田敏也)
極東ゾーンの副官。空回りする事が多く、本人は偉そうにしているがどこか滑稽に見えてしまう。
ヘンリー・ニシキ(熊倉一雄)
ロンドン生まれの日系2世でアフリカゾーンの科学者グループのトップに君臨する天才。
自分の目的の為に周りの意向を無視したり、人の名前を覚えなかったりと色々と困った人物であるが、常に危機意識を持っていて研究を怠らない。
実は人を見る目があり、ヒカリとジョーニアスの関係にも気付いていたらしい。
ウルトラの国U40
地球から200万光年彼方に位置する神話と科学が融合した世界。宇宙の正義と平和と愛を守っている。
10億年前から全宇宙に子孫を増やす為、人間の持つ力の素晴らしさを知る為、様々な星に移住していった。
過去の地球にも飛来していて、ネアンデルタール人と出会って地球文明を誕生させ、南極地下にウルトリアを隠していた。
100万年前に物質であって物質ではない命の素・ウルトラマインドを作ってウルトラヒューマノイドに進化した。
栄光の証であるスターシンボルを持つ事で他の人間の体を借りられるようになり、他の星でも活動できるようになる。ただし、巨大化まで出来るのはジョーニアスを含めた8人に限られている。
かつて考えの違いから別れたヘラー軍団の反撃を受けて占領されてしまったが、ジョーニアス、科学警備隊、ヒカリ達の活躍で奪還した。
アミア(滝沢久美子)
身長 60m
体重 3万3千t
ジョーニアスの妹。
快活でちょっといたずらっぽい感じの可愛い女性。
アミアッシャーを使用する。
ヒカリに想いを寄せ、無断で地球を訪れたりした。ヒカリを想うあまり、兄のジョーニアスをスルーする事もある。
エレク(池田勝)
身長 70m
体重 4万8千t
ウルトラ7戦士の一人でリーダー格。
大賢者からスターシンボルを与えられる。
エレクリウムビームを使用する。
ロト(宮村義人)
身長 70m
体重 4万8千t
ウルトラ7戦士の一人。
大賢者からスターシンボルを与えられる。
ロトラリア光線を使用する。
大賢者(宮内幸平)
U40の最高指導者。最高の科学者にして最高の哲学者でもあり、地球における王や大統領と同等の権限を持つ、宇宙の歴史そのもの。
ヘラー軍団に捕らえられるが、ジョーニアス、科学警備隊、ヒカリ達の活躍で解放された。
ナレーション(蟹江栄司)
オープニング曲『ザ・ウルトラマン』
エンディング曲『愛の勇者たち』