帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「草笛が夕日に流れる時…」

「草笛が夕日に流れる時… ー分裂怪獣ワニゴドン登場ー
『ザ☆ウルトラマン』制作第5話
1979年4月18日放送(第3話)
脚本 星山博之
演出 四辻たかお

 

分裂怪獣ワニゴドン
身長 82m
体重 7万9千t
火山活動に刺激されて十合山から街に現れた。過去に例が無い恐るべき生命力を持っている怪獣。
最初の戦いでマルメ隊員に倒されるが、心臓は止まっていても細胞は生きていて、倒されてから24時間後に再び巨大な姿に戻る。
飛び散った細胞の一つが小さい生物として再生したところをタカシ少年に拾われてペロと名付けられる。タカシ少年の草笛で眠りに就く。
タカシ少年に拾われたペロ以外にも再生していたものがいて、複数でジョーニアスを追い詰めるが、タカシ少年とマルメ隊員によって海水が苦手な事が明かされ、3体はジョーニアスに海に投げ込まれ、ペロが巨大化したものもタカシ少年の草笛に反応した直後にジョーニアスに海に投げ込まれてプラニウム光線で止めを刺された。
宇宙生物研究班が死体処理に当たったところを見ると元々は宇宙怪獣だったのかもしれない。

 

物語
街を破壊する怪獣ワニゴドンを見事倒したマルメ隊員。しかし、ワニゴドンが飛び散った細胞から再生する事を聞かされて責任を感じる。
一方、タカシ少年は不思議な生物を拾ってペロと名付けるが……。

 

感想
冒頭の防衛軍とワニゴドンの戦闘では実写ではなかなか見られない街破壊シーンが見所。特に城が破壊される場面は貴重。
後半のジョーニアスとワニゴドンの戦いはこちらも実写ではなかなか見られない海岸が舞台となっている。

 

ワニゴドンを倒せない防衛軍を尻目に接近戦で確実に仕留めるマルメ隊員。5話目にしてようやく活躍を見られた。

 

倒した怪獣の死体を街に置いておくわけにはいかないとして処理班が出動。
しかし、宇宙生物研究班の島田主任はワニゴドンの心臓が止まっていても細胞は生きている事に注目し、飛び散った細胞から再生する事を突きとめる。
島田主任は怪しげな登場だったので、生命の神秘に魅せられて道を踏み外す愚かな科学者かと思いきや冷静に状況を把握できる素晴らしい人物だった。

 

自分が倒した怪獣が再生したら新たな被害が出るかもと夜も寝られなくなる程に責任を感じるマルメ隊員。どうやら悪い方に考える癖があるらしい。
マルメ隊員が倒す前に防衛軍が散々攻撃しているのだから、仮に細胞が飛び散っていたとしてもマルメ隊員の責任とは限らない気がする。
島田主任から怪獣の再生が証明された事を聞いたマルメ隊員はアキヤマキャップにも知らせないで自分一人で飛び出していってしまう。どうもマルメ隊員はスタンドプレーが多い。

 

拾った小さい生物にペロと名付けて隠れて飼うタカシ少年。このタカシ少年とのやり取りでマルメ隊員が大人としてきちんと対応したのに驚いた。
誰も持っていないペットを育てて自慢したいタカシ少年に、熊の子を育てたが大きくなったら逃げられて他の人を傷付けてしまった友達の話をして説得。
ペロの家を作るから材料を集めようとタカシ少年を街に連れていく一方、アキヤマキャップに連絡を入れてペロの処分を依頼。
タカシ少年にバレると嘘を吐いて約束を破った事を土下座して謝る。約束を守れなかった大人が謝る場面は何度かあるが土下座までしたのは他にいない。

 

24時間経って再びワニゴドンとなったペロ。その事実を認めないタカシ少年に向かってマルメ隊員が叱る。
「自分の都合のいい時だけ可愛がり後は知らないって言うんじゃ君にペットを飼う資格なんて無いぞ! 今、何が起こっているのか自分の目でよーく見るんだ! ウルトラマンは何故戦っていると思う? あのまんまにしておいたらたくさんの犠牲者が出るからだ!」。
前回の「光るペンダントの秘密」に続いてのマルメ隊員主役回となっているが、今回はタカシ少年とのやり取りで責任ある大人の一面を見せていて好印象。子供に向かって、ここまでちゃんと言えるのは大人として尊敬できる。
それでもタカシ少年は頑なに拒否するが、自分の鳴らす草笛にワニゴドンが反応した事で遂に現実を認める事に。
ジョーニアスによってワニゴドンとなったペロは倒され、夕日が沈む中、タカシ少年はペロが消えた海に向かって草笛を鳴らす。
タカシ「お兄ちゃん、やっぱりペロだったんだよ!」、
マルメ「君は責任を取ったんだよ」。
辛い現実に心傷付いた少年をしっかりと受け止めるマルメ隊員。カッコイイぞ。

 

今回の話は脚本の星山博之さんの『ザ☆ウル』初登板作となっている。