「悪魔の花園 ー毒花怪獣デスバラン登場ー」
『ザ☆ウルトラマン』制作第25話
1979年9月19日放送(第25話)
脚本 荒木芳久
絵コンテ 松浦錠平
演出 辻勝之
毒花怪獣デスバラン
身長 81m
体重 8万2千t
古代に「デスフラワー」と呼ばれた昆虫を食べる巨大な花は毒性の花粉で相手の神経中枢を麻痺させて妖しい幻覚世界を彷徨わせると言う伝説があった。
デスフラワーが現代に蘇ったデスバランは砂漠の中にある謎の巨石群の中にある古代遺跡に潜み、黄色い花粉を体内に侵入させて血液を緑色に変化させた人間を誘き寄せて腹にある巨大な花で食べていた。
科学警備隊の火炎攻撃を受けると遺跡を破壊して地上に出現。花粉や蔦で攻撃するが、ジョーニアスのプラニウム光線で倒された。
物語
アフリカゾーンから黄色い風が吹く度に街から男達が消えていくと緊急応援依頼を受けた科学警備隊は調査に向かうが、ヒカリがデスバランの花粉に襲われてしまう。
感想
廃墟となった街やミイラみたいに痩せ細って爪の先から緑の液体を流す男や退廃に溺れる人々がたむろする地下遺跡と言ったホラーな場面が多くて他の話と少し違った雰囲気に仕上がっている話。
「いよいよハーレムに乗り込むと言うわけか」。
あまりに男達が消えていくので、砂漠のどこかにあるハーレムに誘いこまれたとの噂が立ち、その話を聞いたマルメ隊員は妙に喜び、当然の如く、ムツミ隊員の顰蹙を買ってしまう。殆どセクハラみたいないやらしさだったので仕方が無い。
砂漠で発見したミイラみたいな男から離れろと警告するヒカリだったが、遅れたムツミ隊員はブーツを掴まれてしまう。ヒカリはブーツに付いた緑の液体を拭き取るが、風が吹いた為、誤って緑の液体が染み込んだハンカチを口に当ててしまう。その後、黄色い風が吹くとヒカリは何かに取り憑かれたように風の中に消えてしまった。
トベ隊員の調査の結果、ミイラみたいな男が流していた緑の液体は黄色い粉によって人間の血液が変化したものだと判明。ムツミ隊員は自分のミスでヒカリを危機に陥らせてしまったと責任を感じる。
デスバランが潜んでいた謎の巨石群は地下神殿のようなものがあって古代に文明があった事を感じさせる。ひょっとしたら、かつてデスフラワーによって滅んでしまったのかもしれない。
巨大な花と幻覚作用と古代遺跡と言う組み合わせは『ティガ』の「永遠の命」を思わせる。
デスバランの毒に侵されたヒカリだったが、さすがに他の人間と違って抵抗できた。
事件解決後、マルメ隊員とトベ隊員に「毒を撥ねつけるほどタフには見えない」と言われたヒカリは「ま、精神力の問題ですね」と返す。
おお、言うようになったなぁ。
今回の話は荒木さんの『ザ☆ウル』脚本最終作となっている。