帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトリアが二つに割れた!?」

「ウルトリアが二つに割れた!? ー円盤怪獣スペーダー登場ー
『ザ☆ウルトラマン』制作第44話
1980年2月13日放送(第44話)
脚本 若槻文三
絵コンテ 吉田透
演出 関田修

 

宇宙魔軍サイエン星人
身長 149cm
体重 59kg
ヘラー軍団からの命令を受けて、スペースポイントXにある直径10kmに及ぶ巨大隕石をサイエンダーに改造した。
ジョーニアスにサイエンダーを破壊され、逃亡しようとしたところをプラニウム光線とウルトリアのビーム砲を同時に受けて倒された。
身長149cmとデザインのイメージに反してかなり小さい。(『セブン』の「湖のひみつ」に登場したピット星人より低い。二人が155cmあるのも驚きだが)

 

円盤怪獣スペーダー
身長 124m
体重 8万7千t
サイエン星人が使う鳥型のメカ怪獣。
口から光線を吐くが、ジョーニアスのスペース・ミラー・バリアーで攻撃を防がれ、動きを止められたところをプラニウム光線で倒された。

 

カプセル怪獣カペラドン
身長 92m
体重 6万4千t
スペースポイントXから地球各地に送られたロケットから現れた怪獣。
口から光線を吐く。
同種が何体か送り込まれてきたが全て倒された。
肩書きが「カプセル怪獣」なのを見ると、「ウルトラの星U40の危機!! ーウルトリアの謎?ー」と「ウルトラ大戦争!! ー巨大戦闘艦ウルトリア出撃ー」でヘラー軍団が使用していたグモンスもサイエン星人が用意した怪獣だったのかもしれない。

 

物語
宇宙の彼方からロケットで世界各地に怪獣が送り込まれるようになった。
防戦一方の状況を打破する為、ウルトリアはロケットの発射地点と思われるスペースポイントXに向かう。

 

感想
ニシキ教授最後の出演回。
ニシキ教授回は台詞回しが面白くて見ていて飽きない。

 

ニシキ教授は未だ調査が終了していないウルトリアのBルーム司令室に向かうと、分からないスイッチは触ってみるに限るといきなり押してしまう。宇宙空間で何が起こるか分からないスイッチをよく押せるものだ。でも、それがウルトリアの分離・合体機能を明らかにする事になる。
分離したウルトリアはニシキ教授によって「α」と「β」と呼称される。この人にしては珍しくまともなネーミング。

 

次々送り込まれてくる怪獣達。
さすがにこのままでは地球防衛軍では対処できなくなり、ジョーニアスも一人だけではどうしようもないのではと言う話になるが、それを聞いたヒカリは「そんな事が! そんな事が絶対にあってたまるか!」と珍しく強い口調で否定する。
いつもと違うヒカリの態度に科学警備隊もビックリ。

 

スペースポイントXに向かうウルトリア。
地球最大の防衛戦になると思われ、各ゾーンの長官から続々と激励のメッセージが送られてくる。
激励を送るくらいなら自分達の宇宙戦力を少しでも振り分けたらどうかと思うが、我が身可愛さに自前の戦力を割かず、ウルトリアを最後の希望にして地球の命運を託す地球防衛軍の姿勢は最終章へと繋がっていく。

 

ウルトリアはαとβに分かれて二方向からスペースポイントXに向かう事になるが、地球に新たな怪獣カプセル弾が撃ち込まれた為にβは急遽帰還する事になる。
ヒカリはジョーニアスに変身してカペラドンを撃破する。あのニシキ教授と同じ司令室にいるのに、こっそり抜け出して変身するとは大胆。
ヒカリは後ろの窓からジョーニアスの活躍を手に取るように見ていたと言い訳するが、当然、ニシキ教授に怪しまれてしまう。

 

地球に一旦帰還したβでは先行したαに追い付くのは無理かと思われたが、ニシキ教授はウルトリアにワープ航法が備えられている事を調べ上げていた。
いよいよ地球人も宇宙時代に突入か?
ワープの場面はいつもの発進BGMの効果もあって盛り上がる。
今回はウルトリアが久し振りに活躍している。

 

スペースポイントXでαとサイエン星人の戦闘が始まる。追いついたβも参戦し、ヒカリも再びジョーニアスに変身する。
て、二度もニシキ教授の前からこっそり抜け出すのはさすがに無理があるだろう。
決着後、帰還したヒカリだったが、
ニシキ「また後ろの窓からウルトラマンを見てたのかな?」、
ヒカリ「え、えぇ。それはもう、手に取るように……」、
ニシキ「そうだろう、そうだろう」。
明言していないけれど明らかにバレた感じ。
ここであえて突っ込まないのは意外と相手を見抜く力を持っているニシキ教授ならではか?

 

今回の話に限らず、ウルトラシリーズの主人公達はウルトラマンに変身している間は現場にいないので、そのアリバイ作りがかなり大変。
そう考えると、特別チームに加わらず自由な一般人でいる方が正体はバレない気がするが、もしヒカリが一般人だったら今回は戦いの舞台である宇宙に行けなかったと言う別な問題が生じてしまう。う~ん、難しい。

 

ウルトリアの分離・合体機能を見抜いたのは単に知らないスイッチを押しただけだったと聞かされた科学警備隊は笑うが、ニシキ教授はそれを一喝する。
「君達はすぐ笑うだろう? しかし、分からない物に触る冒険心! これが大事なんじゃ。一つ間違えれば大変な事になるんじゃからな。勇気と冒険心。これがあって初めて優秀なメカも生きると言うものじゃ。このウルトリアを地球の平和に生かすも殺すも君達の心一つじゃ! 頼みますぞ。な、若いの」。
最初は単なるトンデモ爺さんに見えたニシキ教授が話を経るごとに実はちゃんとした軸を持っていた人物である事が分かってくる。わずか4回しか登場していないが、その存在感は凄かった。

 

今回の話は若槻さんの『ザ☆ウル』脚本最終作となっている。