帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「エアポート危機一髪!」

「エアポート危機一髪!」
ウルトラマン80』制作第9話
1980年5月28日放送(第9話)
脚本 阿井文瓶
監督 湯浅憲明
特撮監督 川北紘一

 

オイル怪獣ガビシェール
身長 58m
体重 3万3千t
中国、朝鮮、九州地方、東海地方の石油タンクを次々に襲撃した。
地底にいる時は菌糸のようなもので、地上にいる時は口からの管で石油を吸い取る。
石油を吸収しきると破壊本能に目覚めて成田空港を襲った。
口から炎を吐く。
80の光線技を連続して受け、最後はサクシウム光線で倒された。
名前の由来はプロデューサーの満田さんが呑みに行ったお店「蛾繭」にいたアメリカ人ホステスの「シェール」さんから。

 

物語
相原先生に見合い話が舞い込む。気が気でない矢的先生だが、そこに怪獣出現の報が!
なんと怪獣ガビシェールが現れたのは相原先生と生徒達がいる成田空港だった!

 

感想
ピアノを弾く相原先生。スポーツだけでなく音楽にも才能があった。
そこに教頭先生が持ち込んできた見合い話。どうやら相手は教頭先生の親戚らしい。
まだ若いからと言っているうちに婚期を逃してしまうと相原先生を説得する教頭先生だが、そういう自分はどうなの……?
今回は教頭先生のハイテンションぶりが笑える。

 

教頭先生が持って来た見合い話をノンちゃんは教頭先生の見合い話だと勘違いして「教頭先生にもご縁談があったんですか!」とはしゃぐ。
それを聞いて「今まで無かったとでも言いたいの?」と怒る教頭先生。こういう事には細かに反応する人だ。

 

相原先生の見合い話に気が気でない矢的先生。
校長先生は「正々堂々と勝負! 何もしないで後悔するくらいなら駄目で元々。そういう覚悟でアタックした方が良いんじゃないかね?」と矢的先生の背中を押す。

 

矢的先生が相原先生を好きな事を知ったレギュラー生徒4人は2人をくっつけようと奮闘。デートの約束を取り付けるが、ガビシェールの出現で矢的先生はデートをすっぽかす羽目に。それでも諦めずに頑張る4人。
ファッションが言うには矢的先生の情けなさは母性本能をかきたてられるらしい。
ハカセが矢的先生に言った「女の子を泣かせちゃいけないよ」が面白い。
ハカセは見合い相手の前で相原先生を「ママ!」と呼んで泣きついて見合いを壊そうとするが自分の年を13歳だと正直に言ってしまって嘘がバレてしまう。意外と間が抜けている。

 

相原先生とのデートの日に矢的先生にガビシェール出現を知らせに来たのは城野隊員。
矢的先生がUGMの隊員である事を隠す為に城野隊員が私服で来た為、生徒達には矢的先生が相原先生とのデートをすっぽかして他の女性とデートに行ったとしか見えなくなってしまう。
ハラダ隊員やタジマ隊員が前回の「よみがえった伝説」でUGM隊員である事が生徒達に知られているので仕方が無いが、だからって、どうして城野隊員だったのだ? 一般隊員とかいないのか?

 

相原先生の見合い相手は教頭先生が言うには野崎一族が誇る秀才らしいが、胡散臭いフランスかぶれにしか見えない。
一般人だから仕方が無いかもしれないが、ガビシェールが出現すると相原先生や生徒達を置いて一人で逃げてしまった。
後日、見合いを断った相原先生に教頭先生が理由を尋ねるが、こんな男と結婚したい人はいないと思う。

 

UGMのレーザーバリケードはレーザーで石油タンクを保護すると言う優れもの。
その後、ガビシェールが地底を移動する事が分かったが地底戦車の登場は無し。設定ではUGMも地底戦車を持っているらしいので出来れば使ってほしかった。『80』の特撮スタッフならレベルの高い地底戦車の場面が見られただろうに……。

 

今回の特撮はとにかく大爆発。
ガビシェールが登場する時に体の各部分をドアップで映すのが良かった。
『80』は意外と人々の避難シーンが多く、又、転ぶ人を入れたりと細かく演出されている。

 

「猛は困った。子供達から逃げると思われては……。皆に見られても良い。ウルトラマン80に変身しようと決心した。たとえ地球から去る事になっても、人々を救わなければならないと思ったのだ」。
やっぱり『80』はナレーションが多い。わざわざ説明しなくても矢的先生の表情を見たらそれくらい分かるのだが……。

 

相原先生と生徒達の危機に矢的先生は遂に人前で変身する事を決意する。
一人一人に別れの言葉をかけたりと最終回のような展開。
でもガビシェールの炎に紛れて変身の瞬間は見られなくて済んだと言うオチ。
こんなに盛り上げといて……。

 

事件解決後、相原先生は見合い話を断る理由として「恋人が出来た」と答える。その恋人とは80。
80の皆の命を守ろうと必死に戦ったシビアに命を懸けている姿に感動し、自分も恋人だの結婚だのは忘れて教師としての使命に生きようと決心したとの事。
相手が80では矢的先生に勝ち目は無い?
でも、もしかしたら相原先生は矢的先生の正体に気付いて「80=矢的先生」と言う意味で言ったのかもしれない。
相原先生の含みのある笑みは何を物語っているのやら……。