帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「テレポーテーション! パリから来た男」

「テレポーテーション! パリから来た男」
ウルトラマン80』制作第13話
1980年7月2日放送(第14話)
脚本 阿井文瓶
監督 湯浅憲明
特撮監督 川北紘一

 

テレポート怪獣ザルドン
身長 58m
体重 5万t
目からテレポート光線を放ち、食料となる人間を自分のテリトリーに連れ去っていた。
ヨーロッパを荒らした後、今度は日本に現れたが、後を追って来たイトウチーフの活躍によって集めた人間に逃げられてしまう。
80にテレポート光線を反射されて異次元に移動させられた後、サクシウム光線を受けて倒された。
名前の由来は何と「ザルうどん」から。何故?
東京サイレント作戦」のノイズラーの着ぐるみを改造している。

 

物語
UGMのヨーロッパエリア支部から極東エリア支部に転任となったイトウチーフには不可解な行動が多かった。
ハラダ隊員はイトウチーフを宇宙人ではないかと怪しむが……。

 

感想
今回から学校の話が無くなってUGMを中心にしたSF色が強い展開となる。
猛の教師としての側面が失われたのは残念だが、新たに宇宙人として地球と宇宙の関係に悩むと言う側面が加えられた。これは第1期ウルトラシリーズで最高の人気を誇る『セブン』の要素を組み込んだと言える。

 

UGMの描写が増える為、オオヤマキャップとは別に現場で指揮を執るイトウチーフが登場。
冷静沈着で理論的なオオヤマキャップとは違った、熱血豪放で行動的なキャラクターは印象に残った。
これまでベテランのオオヤマキャップと他の若い隊員達との年齢差が大きかったが、間にイトウチーフが入った事でチーム全体のバランスが整ったと思う。
イトウチーフは登場初期の頃は「隊員」と呼ばれる事が度々あったが、「イトウチーフ」の呼び方に慣れると「イトウ隊員」と言う呼び方は妙な引っ掛かりを感じてしまう。

 

怪しさ100%の謎めいた雰囲気と部下に有無を言わせぬ高圧的な態度。登場時のイトウチーフのキャラクターは前作『ザ☆ウル』のゴンドウキャップに通じるものがある。部下とのわだかまりが解消されると一転して気さくで話し易い相手に変わるところも似ている。
オオヤマキャップも『ザ☆ウル』のアキヤマキャップ系統の人物描写がされているところを見ると、この時期の組織の上司のイメージが感じられる。

 

不可解な行動が多い事を怪しんだハラダ隊員はイトウチーフが一度行方不明になった時にエイリアンと入れ替わったと推測。実際、ウルトラシリーズではよくある話なのだが、残念ながら(?)今回は違った。

 

そのイトウチーフの不可解な行動。
まず皆の前で戦闘機ごと消失し、その直後、UGM基地にいきなり着陸する。
戦闘機消失について一言も説明しないまま、真意不明の戦闘機垂直降下の訓練を部下に課す。
誰にも告げずに街に出て、真夜中の道路で謎の光に包まれて姿を消す。街中からテレポーテーションで人が集められている所に何故かいた。
こうして挙げていくと、ハラダ隊員がイトウチーフの正体はエイリアンだと怪しんだのも無理は無い。
いちいち説明しない性格だからと言っていたが、個人的な事ならともかく、怪獣事件に関して部下に一切説明しないのは問題がある。本作に限らず、口で説明しないで心に秘めておく美学みたいなものを語る話があるが、時と場合によっては迷惑極まりない事になる。

 

テレポーテーション能力を持つザルドン。
以前からテレポーテーションの研究をしていたイトウチーフはテレポート光線の方向と力を測ってザルドンのテレポーテーションに乗る事が出来た。
これはウルトラシリーズに登場する地球人の中でもかなりの能力者だ。『ザ☆ウル』の「見えたぞ! まぼろしの怪獣が…」にもテレポートが出来るマジシャンがいたが、実は地球人には瞬間移動能力が秘められているのかもしれない。テレポーテーションできる隊員と言うのは面白そうだが、ザルドンがいないとテレポーテーションに乗る事が出来ないので今回限りの設定となってしまった。
因みにイトウチーフが発見した「マッハ2で垂直降下すればテレポーテーションから脱出できる」はあくまでザルドンのテレポート光線から脱出できる速度と方向だと思われる。

 

今回から80登場シーンに新ヴァージョンが追加されたが、従来のウルトラマン登場シーンと変わらないのでちょっと物足りない。

 

謎の人物の謎解きを軸にした話だったのだが、ナレーションやイトウチーフ自身によってあっさり謎解きされたので、イマイチ盛り上げに欠けてしまった。

 

事件解決後、城野隊員は怪獣のテレポーテーションに便乗したイトウチーフの事を80みたいだとからかい、イトウチーフも正体がバレてしまったと返す。
しかし、オオヤマキャップにテレポーテーションの研究中に寝ぼけて2階から落ちて足を挫いた事をバラされ、城野隊員に80が足を挫くなんて冴えないと呆れられてしまう。
でも、城野隊員は知らないだろうが、ウルトラマン達は結構脆くて怪我が多かったりする。