帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「必殺! フォーメーション・ヤマト」

「必殺! フォーメーション・ヤマト」
ウルトラマン80』制作第14話
1980年6月25日放送(第13話)
脚本 阿井文瓶
監督 湯浅憲明
特撮監督 川北紘一

 

ドクロ怪人ゴルゴン星人
身長 ミクロ~2m
体重 0~120kg
サラマンドラをリモートコントロールで動かしていた。
UGM各支部のキャップを次々に暗殺し、オオヤマキャップの暗殺も謀るが失敗。続けてオオヤマキャップに殺人の罪をなすりつけて失脚させようとするが再び失敗してしまう。
人間への変身能力を持つが、ブライトスティックを装填したダイナミックショットで正体を暴かれてしまう。
黒字に白いラインのデザインはなかなかのインパクト。
名前の由来はギリシア神話の怪物「ゴルゴン」かな。

 

再生怪獣サラマンドラ
身長 60m
体重 4万t
街中に突如現れ、鼻からの1300度の火炎と口からのミサイルで破壊活動を行う。
全身の皮膚の硬度は350であるが喉の部分だけは硬度が低い。
一度倒されるが、ゴルゴン星人によって残っていた細胞の破片から復元される。
再戦では80のリバウンド光線で攻撃を無力化され、熱線タイプのウルトラアイスポットで焼き尽くされた。
名前の由来は火の精「サラマンダー」かな。

 

物語
UGM各支部のキャップが次々に暗殺されていく。
その頃、オオヤマキャップの所に1人の女性が訪ねて来るが、正体は地球侵略を企むゴルゴン星人だった!

 

感想
制作順と放送順が異なる為、今回はイトウチーフが登場する前の話となっている。

 

『初代マン』の「ウルトラ作戦第一号」や今回の「フォーメーション・ヤマト」のように固有名詞が付いていると戦闘機のフォーメーションに価値が追加されたようで何だかありがたい感じ。そう言えば戦闘機の描写が大事な要素の一つになっているのにウルトラシリーズで戦闘機を物語に組み込んだ話は意外と少ない。
今回のサブタイトルにもなっている「フォーメーション・ヤマト」はジャックナイフ・フライトを応用して猛とオオヤマキャップが編み出したもので、シルバーガルβが相手の注意を惹きつけ、その隙にシルバーガルαが懐深くに飛び込んで攻撃すると言う分離機能を上手く使った戦法だった。
因みにジャックナイフとは「飛び込み」と言う意味らしい。

 

最初の対サラマンドラ戦ではオオヤマキャップがジャックナイフ・フライトを提案するが、それを危険と判断した猛は無断で分離して一人でサラマンドラを攻撃してしまう。
この構図は最終回の「あっ! キリンも象も氷になった!!」でも繰り返されているが、オオヤマキャップの意識が今回の話とは大きく変化していて、この意識の変化が『80』と言う作品の結論に強く関わる事になる。

 

ナンゴウ長官から北アメリカエリアとヨーロッパエリアのキャップが暗殺された事を聞いた猛は護衛を名乗り出るが、オオヤマキャップに断られてしまう。この時のオオヤマキャップには先程のジャックナイフ・フライトの時に独断専行した猛に対する苛立ちもあるように感じられる。常に自分を抑え、人間として正しい言動を心掛けている特別チームの隊長にあって、なかなか人間臭くて面白い場面だと思う。

 

その夜、地球に侵入したゴルゴン星人によってサラマンドラの破片が回収される。
て、倒した怪獣の破片をその辺りに放置していたのか!?
過去にも破片から再生した怪獣が何体かいたのに迂闊だ……。

 

隊員も知らない秘密の部屋で休息を取っていたオオヤマキャップの所にヨーロッパエリアのマリー・クラークが訪ねてくる。その正体がゴルゴン星人だと気付いたオオヤマキャップはマリーを射殺するが、付近の住民に「人殺し」と騒がれ、新聞沙汰にまで発展してしまう。
マリーは殺されてもゴルゴン星人の正体を現していなかったので、事情を知らない人が勘違いするのも無理が無い。マリーの死体は解剖しても地球人のそれと変わりが無く、オオヤマキャップの辞任を求める声が上がる事になる。
しかし、猛はマリー殺害現場の目撃者とオオヤマキャップの辞任を求める市民に同じ人物がいる事に気付き、ダイナミックショットにブライトスティックを装填してゴルゴン星人の正体を暴く。今までの変身道具は変身以外には落とすか盗まれるしかなかったが、こういう使い道があったとは驚き。

 

オオヤマキャップ辞任の声が上がる中、ナンゴウ長官は謹慎場所を司令室に指定する等、出来るかぎりの配慮を見せる。しかし、実際にサラマンドラが出現した際にオオヤマキャップが情報を求めると隊員達はそれを拒否し、さらに出撃しようとするオオヤマキャップの前に立ちはだかる。今までもTAC等で何度か謹慎が行われていたが、ここまで徹底されるのは珍しい。
その後、猛の活躍で自分の無実が証明され謹慎処分が解かれた事を知ったオオヤマキャップは猛に「ありがとう」と感謝を述べる。ここは前半でサラマンドラとの戦いで独断専行した猛に対する憮然とした表情との対比が生きて非常に良い場面となっている。

 

スペースマミーはミニチュアが細かく作られた事で生み出される巨大感が心地良い。
サラマンドラの前に防衛軍機が次々と撃ち落とされていく中での登場シーンはUGM最後の切り札に相応しい存在感であった。

 

サラマンドラとの再戦にオオヤマキャップは先の戦いで猛が行ったジャックナイフ・フライトを応用したフォーメーション・ヤマトを提案するが、オオヤマキャップがサラマンドラに捕まってしまって失敗。猛は80に変身してオオヤマキャップを助け、サラマンドラを倒すのであった。
話の流れからオオヤマキャップにフォーメーション・ヤマトを成功させてほしかった。今回はゴルゴン星人の正体を暴いたのもブライトスティックの能力だったりと、UGMの危機は全てウルトラマンである80の能力で解決されている。
ただ、最終回の「あっ! キリンも象も氷になった!!」を考えた場合、今回の話は最終回に繋がる流れの中で必要だったと言える。

 

今回の話は川北監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。この後、川北監督は東宝で平成ゴジラや平成モスラや超星神シリーズと言った作品を手掛けていった。

 

 

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