帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「SOS!! 宇宙アメーバの大侵略」

「SOS!! 宇宙アメーバの大侵略」
ウルトラマン80』制作第23話
1980年9月3日放送(第23話)
脚本 山浦弘靖
監督 外山徹
特撮監督 高野宏一

 

アメーバ怪獣アメーザ
身長 0~50m
体重 0~1万8千t
T28星雲アメーザ星の宇宙アメーバが宇宙探査船スペース7号に紛れ込んで乗組員の体をもとに増殖し、スペース7号の爆発エネルギーで完全な生命体に異常成長した存在。
巨大隕石上で80と戦い、有毒ガスや光線で苦しめるが、最後はサクシウム光線で消滅した。
宇宙アメーバには銃の類は効かなかったが、何故か消化剤で消滅した。
名前の由来は「アメーバ」かな。

 

物語
宇宙探査船スペース7号からSOS信号が!
スペースマミーでUGMが向かうとスペース7号は宇宙アメーバに侵略されていた。
宇宙アメーバが地球に侵入しないよう、スペース7号を宇宙空間で爆破する事になるが……。

 

感想
海外作品ではよく取り上げられるがウルトラシリーズでは意外と取り上げられない無限増殖するアメーバの話。
海外作品を積極的に取り入れる事で『80』独自のカラーが生み出されていっている。

 

全編に渡って宇宙空間と宇宙船のコックピットとUGMの基地内だけでドラマが進む珍しい話。
最後に80とアメーザが戦った隕石のセットもなかなかの出来だった。

 

宇宙アメーバが地球に侵入しないように宇宙空間で爆破する事が決定するが、その為には宇宙アメーバが巣食っているスペース7号に乗り込んで地球から遠ざけなければならない。その危険な任務を誰が引き受けるか。
まずイトウチーフが「給料分の働きはせにゃあなぁ……」と言って、お袋に届けてくれと何かの石を猛に渡す。続いてハラダ隊員が「一人っ子のチーフと違って、自分には兄弟がたくさんいますから……」と立ち上がる。しかし、猛は2人を気絶させて「自分には親も兄弟もいません。こういう仕事には僕が向いているんです」と一人でスペース7号に向かう。(オオヤマキャップとタジマ隊員と城野隊員は基地にいた)

 

無事にスペース7号を地球から遠ざけた猛だったが、宇宙ヘルメットを宇宙アメーバに侵食されて脱出できなくなってしまう。直ちにスペース7号の爆破は中止され、スペース7号とスペースマミーを近くの隕石に着陸させて猛を救出する計画となる。しかし、宇宙アメーバは増殖し続け、猛は死を覚悟する。
「美しい星、地球……。僕はもう二度とあの星へは帰れないのだろうか……。だが、それでもいい……。僕は地球を守る為にウルトラの星からやって来た男だ……。地球の為に戦って死んでいけるのなら、……本望だ」。
ここで疑問なのは、猛は元々宇宙人なので宇宙ヘルメットが無くても平気なのではと言う事。それに80に変身する手もあったと思う。
しかし、そんな事をしたら猛が80である事がバレてしまい、地球にはいられなくなってしまう。それは猛と言う存在の死を意味している。
ひょっとしたら、猛は宇宙アメーバが地球に侵入できなくなった事を確認したら80に変身して、そのまま地球を去るつもりだったのかもしれない。

 

さて、ここからの猛とオオヤマキャップの会話が重要。
「キャップ! これ以上持ち堪えるのは無理です! 色々とお世話になりました……」、
「何を言っている! 最後まで諦めては駄目だ!」、
「でも、もう限界です! 僕の好きなようにさせてください!」、
「バカモン! 貴様、自分を何だと思っているんだ! UGMの隊員だぞ! 隊員である以上、勝手な真似をする事は、この俺が許さん! なあ、矢的……。お前は自分が独りぼっちだと思っているんだろうが、それは違うぞ。お前にはれっきとした家族がいる事を忘れてもらっては困る!」、
「家族? 僕にですか?」、
「そうだ、キャップの俺、チーフのイトウ、ハラダ、タジマ、城野の各隊員。UGMの皆がお前の家族なんだぞ! 矢的……、チーフ達の声が聞こえるだろう? 俺達UGMはな、地球と言う一つの大きな家族を守る為に戦っている。死ぬのも地球の為なら生きるのも地球の為だ。どんな事があっても死んではいかん! いいか、決して死ぬな!」。
今まで猛にとってUGMとは地球を守る上での職場にすぎなかったかもしれないが、これ以降はかけがえの無い場所となっていった。

 

隕石に着陸するスペース7号。猛は80に変身してスペースマミーが到着する前に決着を付ける。そして戦いが終わった後、80は猛としてスペースマミーに助けられ、UGMに帰って行った。(因みに隕石上には薄いが空気があると言う設定で宇宙ヘルメットを着けていない猛が倒れていても疑問は持たれなかった)

 

出来れば今回の話は学園編でやって生徒達も登場させてほしかった。
今までUGM内では自分は宇宙人として地球人とは一定の距離を保っていた猛だが、学校では宇宙人と地球人と言う以前にあくまで先生と生徒として付き合っていた。
スペース7号の中で猛が宇宙人として地球を去ろうと決意するも生徒達の事を思い出して、自分はまだ地球にいたいと強く思うと言う展開も可能だったと思う。

 

ユリちゃんの今日の天気予報。南南東の風、風力1。宇宙気象も異常無し。