「渡り鳥怪獣の子守歌」
『ウルトラマン80』制作第28話
1980年10月8日放送(第28話)
脚本 阿井文瓶
監督 外山徹
特撮監督 高野宏一
渡り鳥怪獣バル
身長 47m
体重 2万8千t
10年に一度、群れを成して宇宙を渡る怪獣。非常に大人しい性格。
天敵であるザキラに次々と襲われる中、卵の一個が地球に落下し、卵から孵った赤ちゃんバルは刷り込み現象で最初に見た猛を親だと思って真似をするようになる。
赤ちゃんバルが宇宙に帰れるようになるまでUGMによって保護される事になったが、80(=猛)がザキラの前に窮地に陥ると生物の本能でザキラを天敵と認識して、80(=猛)を助ける為に檻を破ってザキラに立ち向かうが噛み殺されてしまう。
スペース・ジョーズザキラ
身長 50m
体重 2万t
バルの天敵で次々に喰い殺していく。
喰うごとにパワーアップを続け、スペースマミーを返り討ちにした後、地球に侵入して周囲500kmに台風並みの被害を与えた。
80をも遥かに上回るパワーで一度は撃退し、80(=猛)を助けようとした赤ちゃんバルも逆に噛み殺してしまう。しかし、その後は怒りに燃える80の猛反撃を受け、最後はサクシウム光線で倒された。
オオヤマキャップは地球侵略を狙っているのではと考えていたが、見る限り、生物の本能で餌であるバルを狙っていたようにしか思えない。
物語
渡り鳥怪獣バルの群れが地球近くにやって来た。
バルの卵の一個が地球に落下し、卵から孵った赤ちゃんバルは猛を親と思い込む。
一方、バルの天敵ザキラも地球にやって来ていて……。
感想
卵から孵った赤ちゃんバルは猛を親だと思って懐く。
UGMに保護されて檻の中に入れられたり、80(=猛)の危機に助けに入ったりと『コスモス』のリドリアスを思い出す存在。
綺麗な流れ星かと思ったら、実はザキラに喰われて大気圏突入時の摩擦熱で焼け爛れたバルの肉片だった。
非常にあっさりと説明されたが、かなりエグイ場面ではないだろうか?
自然界の掟には手を出さない方が良いのか、宇宙でバルの群れがザキラに襲われてもUGMは手を出さなかった。
その後、対ザキラ戦用に訓練を開始するが、それはザキラの地球侵入を想定しての事だった。
スペースマミーが宇宙でやられてしまったので訓練の成果を見せる事が無かったのが残念。せめて赤ちゃんバルを助ける場面くらい入れてほしかった。
宇宙で停止したスペースマミー。猛以外の隊員は全員気絶し、猛は宇宙空間に出て80に変身する。やはり宇宙服無しでも平気だったんだ。
奮闘空しくザキラに殺される赤ちゃんバル。何とかして生かしてほしかったなぁ……。因みに脚本では一人前になったバルの旅立ちを80が見送る結末だったらしい。……なぜ変えた?
「さよなら、バル……」。
ユリちゃんの今日の天気予報。風力3、風向き東南、快晴。