帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「さすが! 観音さまは強かった!」

「さすが! 観音さまは強かった!」
ウルトラマン80』制作第42話
1981年1月28日放送(第42話)
脚本 石堂淑朗
監督 東條昭平
特撮監督 佐川和夫

 

ムチ腕怪獣ズラスイマー
身長 56m
体重 4万t
大谷町の平和観音像の下に封印されていた怪獣。マサゴエモンの千両箱を狙うコソ泥2人がダイナマイトで平和観音像を倒した為に復活した。
火山に埋まっていたので熱いのは平気。右腕のムチで80を苦しめるなど意外と強敵。しかし、大谷石の硬さには敵わず、落ちてきた石で足や頭を痛め、建物を破壊しようとして逆に腕を痛めてしまった。凄いぞ大谷石
UGMの近代兵器も80も敵わない魔物だったが、平和観音像の後光によって花畑に変えられて再び封印された。
怪獣デザインの一般公募で最優秀賞を獲得した怪獣がモデルになっている。
名前は方言の「ズラ」に「水魔」を合わせたもの。元々は水棲怪獣をイメージしていたらしい。

 

物語
マサゴエモンの千両箱を狙うコソ泥2人は平和観音像の地下に千両箱がある事を突き止める。
ダイナマイトで平和観音像を倒すと封印されていた怪獣ズラスイマーが復活してしまった!

 

感想
児童編の最終回。
『T』テイストの強いシリーズだったが今回は「タロウの首がすっ飛んだ!」だろうか。
タイアップ、一般公募の怪獣、アイドルのゲスト出演と枷がありまくりな話だが、それらの要素が上手く繋ぎ合わせられている。

 

いつものタイアップ話だと観光名所や地元ホテルがチラッと登場する程度なのだが、今回はタイアップ先の栃木県宇都宮市大谷町の歴史やら何やらがふんだんに紹介され、平和観音像が物語の鍵を握った。
因みに大谷町にある大谷資料館の地下採掘場跡は様々な作品のロケ地に使われていて、ウルトラシリーズでも何度か撮影が行われている。

 

冒頭のマサゴエモンの紹介がかなり詳しい。
江戸時代の大泥棒で盗んだ千両箱(現在だと10億以上の値打ちらしい)を持って江戸から会津に逃げる途中、大谷町で役人に見付かり、大谷町の石切り場の穴に千両箱を投げ込んで隠した。その後、役人に捕まり、厳しい取調べに千両箱のありかを吐きそうになった時、安政の大地震(西暦1855年 安政2年10月2日)が起き、マサゴエモンも千両箱もなだれで地の底に……との事。
ところで千両箱は結局見付からなかったが、どこに行ってしまったのだろう? もう既に誰かが手に入れてしまっていたのだろうか?

 

猛や信夫の夢の中に現れる、涙を流す平和観音像が怖い。

 

今回は赤外線の透視光線を使う猛。
透視光線と言っても用途に応じて色々あるんだな。

 

久々に自ら戦闘機に乗って出撃するオオヤマキャップ。フジモリ隊員に心配されたとおり、いきなり山に激突しかける。
おーい、初期の歴戦の勇士ぶりはどこ行った?

 

大谷町のじい様曰く、「近代兵器もあの怪獣には無駄な事じゃ。あの怪獣を抑えられるのは観音様のお力だけじゃ!」、「さすがの80でも駄目じゃろう。魔物を退治できるのは神か仏のお力だけじゃ!」、「観音様と一緒に戦え! 仏の力を借りるんじゃ!」。
その言葉通り、80は平和観音像の後光でズラスイマーを封印。さすが! 観音さまは強かった!

 

憧れの存在であるアイドルの倉田まり子に会いたくて平和観音像に祈りに行く信夫。
事件解決後、倉田まり子が近くで映画の撮影をしていたので、UGMの計らいで寄ってもらい、念願叶って会う事が出来た。
ズラスイマー封印に役立ったので良いでしょう。
因みに倉田まり子さんは実在する当時のアイドル。