帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「総監の伝言」

「総監の伝言 ー宇宙凶険怪獣ケルビム 凶暴怪獣アーストロン登場ー
ウルトラマンメビウス』第20話
2006年8月19日放送(第20話)
脚本 長谷川圭一
監督 小原直樹
特技監督 鈴木健二

 

宇宙凶険怪獣ケルビム
身長 44m
体重 4万4千t
以前に現れたケルビムが日本海に潜伏している時に産み落とした卵がハーメルン・プロジェクトの特殊音波の影響で孵化した。
口から弾道エクスクルーシブスピットを吐く。
耳が第二発声器官になっていて、GUYS対怪獣研究所の音響放射装置と共鳴させて誘導音波を支配する事でアーストロンを自由自在に操る。CREW GUYSに音響放射装置を破壊されるとアーストロンを操れなくなって襲いかかられた。
メビウスブレイブのブレードシュートで倒された。

 

凶暴怪獣アーストロン
身長 60m
体重 2万5t
ドキュメントMATに記録されている怪獣で、GUYS対怪獣研究所近くに現れた。
口から熱線を吐く。
ケルビムに操られてメビウスと戦うが、コントロールが解けると操られた怒りからケルビムに襲いかかった。
メビウスブレイブのメビュームナイトブレードで首を斬られて倒された。

 

マケット怪獣ウィンダム
身長 ミクロ~40m
体重 0~1万t
ハーメルン・プロジェクトの一環でGUYS対怪獣研究所で踊りを踊らされる。

 

マケット怪獣リムエレキング
身長 40cm
体重 4kg
CREW GUYSが話する総監の噂に頷いたりしていた。

 

物語
記者の質問でメテオールの秘密を喋ってしまったトリヤマ補佐官。
すっかりミサキ代行が苦手になってしまったトリヤマ補佐官は腹痛を訴えて仕事を休んでしまう。
トリヤマ補佐官の代わりにマル秘書がミサキ代行と一緒にハーメルン・プロジェクトの視察に向かう事になるのだが……。

 

感想
安心と信頼と安定と実績のトリヤマ補佐官編。
トリヤマ補佐官、マル秘書、ミサキ代行、サコミズ隊長と特別チーム上層部が中心になっている話なのだが全体的にコミカルで堅苦しくない話になっている。

 

孤高のスタンドプレイヤー」のディガルーグ戦後、トリヤマ補佐官は記者の質問に失言をしてしまった。
どうやらメテオールが宇宙人の技術を転用したものだと言う事は公表されていなかったようだ。
この場にヒルカワがいたらメテオールの秘密を暴く為にトリヤマ補佐官にしつこく付きまとってきそう。

 

何度も怒られた為か、トリヤマ補佐官はミサキ代行が大の苦手になってしまう。
本来なら自分が総監を補佐する立場なのに、まるで自分の娘に怒られているようだとミサキ代行に対して僻みを抱いてしまうトリヤマ補佐官。よく考えたら、どうして総監はトリヤマ補佐官に自分の正体を隠していたのだろうか? 確かに危なっかしい人物ではあるが、やる時はちゃんとやれる人なんだけれど……。

 

CREW GUYSの皆も総監に会った人は誰もいなかった。と言うか、総監はどんな人物なのか誰も知らなかった。
世界規模の組織の総監の正体が不明とは驚く。マスコミや一部政治家から情報開示を求められていそうだ。
GUYSはテッペイが入隊している事をしばらく発表していなかったり、メテオールが宇宙人の技術を転用している事を隠していたりと意外と情報操作を行っている。

 

CREW GUYSが噂する総監の人物像。
名うての戦闘機乗りで鮮やかなアクロバティック飛行で怪獣を翻弄したと言うのは『帰マン』の「この怪獣は俺が殺る」での伊吹隊長、凶悪な宇宙人のいる惑星を戦友とたった二人で全滅させたと言うのは『セブン』の「月世界の戦慄」でのキリヤマ隊長、新入隊員を鍛える為にジープで追い回したのは『レオ』の「男だ! 燃えろ!」でのダン隊長がそれぞれ元ネタになっている。

 

天然真面目ミライとダメ人間トリヤマ補佐官のコンビ再び。
トリヤマ補佐官の仮病をミライが本気に受け取って救急箱を持ち出してしまうのが可笑しい。

 

特殊な音波を使って怪獣を自由自在に誘導するハーメルン・プロジェクト。
怪獣の脳神経に直接作用し、人口密集地からの誘導も可能となる。
GUYS対怪獣研究所では一千種に及ぶ怪獣や宇宙人のデータがあり、過去のデータがある怪獣に対しては非常に効果があった。
怪獣を誘導すると言うので、前に歩けや右を向け程度の指示かと思ったら、まさか踊りを踊らせる事まで出来るとは驚いた。これなら怪獣を操って他の怪獣と戦わせる事も可能だったのではないだろうか。
ミサキ代行も乗り気だったようだが、アーストロンとケルビムの出現でGUYS対怪獣研究所が破壊されて計画は中断されてしまった。もし、計画が続けられていたら『Q』からの人間と怪獣の関係が大きく変わっていた。場合によっては侵略者達のように地球人が怪獣を使って他の星を攻める可能性も生じていた。

 

炎を噴き上げ地面から姿を現すアーストロンがカッコ良い。その後のメビウス相手に優勢に戦いを進める辺りも王道怪獣の風格で良かったが、ケルビムに操られてからはコミカルな動きをする部下キャラに。
今回はケルビムもアーストロンも人間臭い動きをしていた。ケルビムはGUYS対怪獣研究所が発する特殊音波の影響で卵から孵ったが、このハーメルン・プロジェクトでは怪獣に人間臭い動きをさせる実験が行われていたので、特殊音波を受けて育ったケルビムは人間臭い動きを身に付けて卵から孵ったと考えられる。そして、そのケルビムに操られた事でアーストロンもまた人間臭い動きをするようになったと思われる。

 

陽気なBGMの中でのメビウスブレイブ変身が可笑しい。

 

総監を補佐すべき立場なのに一度も会った事が無く、さらに失敗が続いた事で自信を失ってしまったトリヤマ補佐官。総監から励ましの言葉を頂いたら元気になれるはずと言うマル秘書の言葉をミサキ代行が聞いた事で総監とトリヤマ補佐官が会う約束が出来る。しかし、総監は急用が入ったとして、総監からメッセージを受け取ったと言うサコミズ隊長が総監室に。
「あなたは大変素晴らしい部下を持っている。きっと、あなたの人徳によるものでしょう。その豊かな経験と包容力を生かし、これからも若いクルー達を、GUYS JAPANを支えてください」。
この言葉にトリヤマ補佐官は感激して元気を取り戻すのであった。
尚、ここで総監が言った「素晴らしい部下」とはマル秘書の事なのだが、後の「皇帝の降臨」でトリヤマ補佐官はミライの事を「かけがえのない部下」と言って国家安全保障局への引き渡しを拒否している。これはミライへの想いもあるが、今回の話を見るに総監への想いも加わっての発言だったと考えられる。

 

今回は総監の正体は謎のまま終わったが、サコミズ隊長が総監からのメッセージを語った事で総監の正体がサコミズ隊長である事が匂わされた。
珍しい現場出撃も、部下のアーストロンが戦っていると上司のケルビムが出た事に対応して、部下のミサキ代行やマル秘書の危機に上司である総監のサコミズ隊長が出てきたと考えられる。
さらに穿って見ると、部下のミライ(メビウス)が戦っているところに上司のサコミズ隊長(ゾフィー)が出たとして、サコミズ隊長とゾフィーの関係をも匂わせた展開だったとも考えられる。